2022年8月29日 01:00
最後に、マーケティングの重要項目である「事業の将来性」について説明します。
事業の将来性で最も重要なのは未来市場の読みです、事業計画などでもここが最も難しいところです。
例えば、「昨年が5千万円の売り上げで今年が1億円の売り上げ」という過去のある程度の実績が有るのであれば、来年の計画もその後もそれほど計画数字に狂いはないものになります。
問題は新規事業なのです、何も推進していないうちではまったく読むことができません。
こういう場合は、他社の類似商品や事業を調査してそれを参考にしたり、その商品やサービスを展開する市場全体の数字もしくは市場の伸び率から割り出す他に手段はありません。
この際に私がよく行う方法としては事前に2つの計画を作成します、一つはポジティブ(楽観)計画、もう一つはネガティブ(悲観)計画です。
当然のことネガティブ計画では赤字になる可能性もあります、その場合はコストやリソースの外部委託化などを検討しながらの計画を行わなくてはなりません。
そして、もう一つ市場の読みと並んで重要なことがあります、それは商品やサービスの展開方法です。
数年間同じもので勝負をしようと考える人はいないと思いますが、日本の消費者は新しい物好きが多くとにかく飽きやすいです。
これは統計上では世界でもトップクラスです、つまりこれに対応した対処が重要なのです。
一つは機能やグレードに差をつけて商品郡のバリエーション化の推進、もう一つは同じ商品を他の分野へ移行する方法があります。
前者をバーチカル(垂直)展開、後者をホリゾンタル(水平)展開と呼びます。
以上のように商品やサービスのマーケティング理論的な事項を説明してきましたが、当然理論だけでは物は売れません。
要は売るのも買うのも人ですから、理論優先ではなく「理論は正確に把握するための補足事項」くらいに考えて正解かと思います。