2024年12月20日 07:00
この数年は夏季の猛暑で夏野菜が収穫できずに秋口から冬までの3ヶ月ほど野菜が高騰しています、畑が砂漠化したという農家さんの悲鳴にも似た動画も多数上がっています、では何故畑が砂漠化してしまうのでしょうか、何故砂漠化した畑と同じ地域にある畑でも上手く収穫できる農家さんがいるのでしょうか。
畑が砂漠化する要因はたった一つです、それはその畑の保水力が無いからに他なりません、だから朝夕に水を撒いてもあっという間に水は蒸発してしまい種は芽も出せないし何とか芽が出ても枯れてしまいます。
保水力が無い畑の土を触ってみるとまるで砂のようにさらさらと指の間から流れ落ちます、砂漠化はオーバーな話ではなく本当に砂漠にある砂のような土になっています、これではあっという間に水分が蒸散してしまうのは当然です。
蒸散を防ぐためにマルチング(畝にビニールシートを被せる)するもこの状態では蒸散を防ぐ前に水分を保持できていないのですから意味がありません、ではどうしたらよいかというと猛暑に耐えうる土壌改良から行うしかありません。
対して猛暑でも水分が保持できている畑は畝の周囲に雑草が生えまくっています、この雑草が畝の表面に直接太陽光が当たるのを防ぎびっしり土中に張った根の隙間に水分を蓄え野菜に水分を供給するのです、水を撒かなくてもマルチングしなくても自然の力で野菜が育つ土壌を造っているのです。
雑草をあえて放置して水分を保持できている自然農の実験畑
猛暑の季節でもしっかり雑草も野菜も育っています
まずは春先にグランドカバーになる根張りのよい植物の種を畑に撒きましょう、種を飛ばさず他の畑に迷惑がかからない雑草が最適です、私がいろいろ調べた範囲で最も理想に近いのがシロツメクサの仲間やシソやバジルなどのハーブ類です、一度撒くだけで冬には枯れますが翌年また自然に生えてきます。
この生やした雑草をそのままにして畝を作り野菜を育てるのです、ちなみに自然農法が認知され始めたのか更地の緑地化推進なのかは不明ですが数年前から数種類の雑草の種が大袋で売り出されるようになっていますので各種実験をしてみたいと思っています。
雑草に畑の栄養素を持っていかれて野菜が育たなくなるというのは迷信です、特に雑草の中でも豆科植物は空気中の窒素を固定化して根に貯めます、つまり水やりも不要で施肥も不要になります、枯れた雑草が保水力と肥糧を自然のサイクルの中で土壌に齎してくれるからです、まずは範囲を限定して実践してみるとよいでしょう、これまでの常識は現在の通年猛暑という有事には非常識になるのです。