2024年11月22日 07:00
観葉植物を部屋一杯に置いていると部屋の中がツーンとした森林のような匂いに包まれることがあります、特に午前中は一段と強まります、これは新しい酸素の匂いなのですが多くの人は観葉植物が生成していると考えています。
確かに観葉植物も光合成を行い二酸化炭素を取り込んで酸素を吐き出しますが極微量です、観葉植物をたくさん育てている場合に起きる森林浴の匂いの元は観葉植物を育てている鉢の中の土から齎されます、正確にいうと土の中に無数に生息しているシアノバクテリアが酸素を生成しているのです。
実は森林浴の生きている実感を味わえる清々しい香りも樹木や山野草類が齎しているのではありません、その多くが土の中のシアノバクテリアが齎しているのです、事実は小説より奇なりで科学の解明による真実はまさに驚くべきことが多いです。
シアノバクテリアは水分があれば何処にでも繁殖する原核生物で藍藻(ランソウ)といえばピンと来る人が多いと思います、水田や池などに生えている青緑色した藻や粒子です、実はこのシアノバクテリアは海中に最も多く生息し地球のほぼ全ての酸素を供給していると言っても過言ではないほど地球生命体にとって極めて重要なバクテリアなのです。
また現存する真核生物である植物はこのシアノバクテリアを細胞内に取り込むことで光合成という武器を獲得し進化を遂げた生命体です、この細胞内にシアノバクテリアを一番先に取り込んだのがウメノキゴケやウグイスゴケなどの地衣類でキノコとコケの中間にあたります、この地衣類からざっくりコケ・シダ・ヤシ・針葉樹・広葉樹や草本類と植物は進化を遂げてきたのです。
動物の進化の過程は多くの人は知っていますが植物の進化を正確に知る人はほとんどいません、植物を正確に知ると如何に動物にとって重要な共存すべき生命体であることが解ります、そうなればきっと雑草を粗末に扱わなくなるでしょう、私は有害な雑草でもむやみに抜くことを躊躇ってしまいます、有益に他の動植物と共存させる方法を考えてしまうからです。
面倒な話はさて置いて酸素を生成する重要なシアノバクテリアですがアクアリウムや水耕栽培を行っている人にとっては敵対視されています、あっという間に水槽内や水耕栽培の液体内に繁殖し青緑色に埋め尽くします、ただ魚類にとっては稚魚の餌になったり水中に酸素供給してくれるので問題は無いのですが人間にとっては景観を損ねるのか本能的に嫌う人が多いです。
雑草と同じでシアノバクテリアの有益性を真に理解すると逆に有効活用したいという気持ちが沸いてきます、私は現在シアノバクテリアを積極的に各種の植物栽培に有効活用しようと考えています、意味の無い生命体はこの地球上には存在しないのです、何かしらの使命を持って地球上に生まれてきたのです、地球に生命体が誕生して以来全ての生命体は共存するように秩序に仕組まれているのです、人間の都合で有益か有害かを振り分けるべきではありません。
ちなみにシアノバクテリアを観察していると大きく2種類の形状があることが解ります、一つは糸状でもう一つは粒状です、メダカの繁殖を道楽にしている人は稚魚の餌用に粒状のシアノバクテリアを繁殖させたグリーンウォーターを必ず買い求めます、また医薬に役立たせようという研究も行われています、まだまだシアノバクテリアは研究途上にある謎だらけの地球で発祥した最初の生命体の一つなのです。