2024年11月 8日 07:00
若い世代の農家に徐々に定着しようとしている日本発の自然農法とはいったい何なのでしょう、実はその定義もスタイルも未だ完全には確立されていない発展途上の段階です、また似た農法である自然栽培と混同されますが同時多発的なスタイルで別物として認知されているようです。
自然農法は1935年に岡田茂吉によって提唱された農法で、「土壌に不純物を入れず清潔に保てば土本来の性能を100%発揮でき作物が栽培できる」というもので、自論を証明するために翌年に東京世田谷にある自宅の庭で実験を開始しました。
自流放置栽培第一弾の実践で収穫できたサツマイモ
この提唱の不純物とは肥料や農薬のことで、これらは土本来の力を発揮できない元凶だといいます、その後各種の研究機関や企業においても研究され土壌微生物の重要性が解明されてきました、実は土壌には多くの菌類が存在しており人間の健康法である大腸環境を整えるというものとまったく同じ原理であることで理解できます。
菌類の中には醗酵によって有機物を分解し植物のエネルギー源となる栄養素を作り出す種や、逆に腐敗によって分解する種も存在しています、腐敗菌類が多くなると生きた野菜の根まで腐敗させ植物を死滅させてしまいます。
しかし逆に有益な醗酵菌類だけでも野菜には有毒な酸やアルコールなどを精製してしまい植物が育つ土壌にはなりません、つまりこれらの菌類の微妙なバランスを保てるかが重要であり、バランスが保たれていれば雑草や野菜の枯葉がそのまま肥料成分に変わり肥料を入れる必要も無く野菜も元気に育ち、元気な野菜は虫害やカビなどにやられないので農薬も不要となります。
この土壌の微生物バランスを如何に保つかが自流放置栽培の基本ということになるかと思います、各種の自然農法の具体的に説明している書籍を読み込んでいくといろいろな方法が示されていますが行き着くゴールは全て土壌の菌類バランスを如何に作り上げて保つかに集約されます、そしてこれは科学的にも説明できる原理だと思います。
つまりこれからの農業は一つの科学分野なのです、見えない菌類の世界、7年前に始めた食と健康道楽ビジネスでも菌類の持つ脅威を実験によって得ています、こんなところに応用できるなんてその時点では私でさえ知る由もありませんでした。
7年前に行った麹の培養実験
菌を身近に感じることができた生きた経験をしました