【何故ブロックチェーンは安全なのか】
何故ビットコインはいままでシステムダウンすることなく、正常に運営し続けることが出来ているのでしょうか?
それは悪意を持つ者たちの根拠が経済的理由だった場合に、システムを乗っ取ったとしても「利を得ない」状況にしているためです。
ビットコインは、ネットワークに参加するすべてのノード(システムを構成するサーバーや参加者のコンピューター端末)に対してマイニングの報酬を与えています。
マイニングの競争を勝ち抜くためには他のノードよりも早い計算能力を持つコンピューターを用意する必要があり、さらにそれを運用する電気代などの設備やランニングコストといった経済的負担が伴うことになります。
多くのマイナー達がそれぞれの計算能力を駆使してマイニングを行っているため、参加者の50%を超える処理能力を持つコンピューターとその運用にはマイニングの報酬以上にコストがかかってしまうのです。
その10分という計算の難易度とビットコインの報酬のバランスなどを総合的に考えた場合、悪意のある参加者にとって「利を得ない」結果を齎すことによって安全を何とか確保しているという事に過ぎないのです。
また、他のパブリック型ブロックチェーンではPoW(マイニング)に代わり、PoS(Proof of Status)やPoI(Proof of Importance)というコンセンサスアルゴリズムを用いて、所有数や貢献度を自動分析して報酬を支払うことにより不正を働くよりも協力する方に利が有るという状況を作り出し安全に運営しようとしています。
尚、産業型のプライベート型ブロックチェーンでは悪意の第三者に乗っ取られるという脅威は皆無です、それは代表制のノードによってマイニングを行わせているからに他なりません。
したがって産業向けに考えられたプライベート型ブロックチェーンは、最もセキュリティ性の高いブロックチェーンであると言えるのです。
※仮想通貨は、ブロックチェーン技術を用いた世界で最初のDApps(分散型アプリケーション)の一つであるということに過ぎません。
今や、電子取引をあらゆるデータの取引として金融以外の分野に応用して行こうという試みがなされています。
※投稿@伊東久雄
【ビザンチン将軍問題とは】
悪意のある者がネットワーク内に存在する場合に、どのようにして正しい取引を承認するかという問題は、「ビザンチン将軍問題」としてブロックチェーンのような分散システムを構築する上で長い間大きな課題とされてきました。
この「ビザンチン将軍問題」というのは、「敵国を囲む複数の将軍間で一斉攻撃の作戦の合意をとりたいが将軍の中に裏切り者がいたり、伝令者が捕まったり、偽の情報を流されたりする可能性がある場合はどのように正しい情報を判断し全員の合意を取るか」というものです。
インターネット上においてもハッカーに代表されるように、悪意のある者は必ず存在しかつ通信環境も完全なものではなく不安定なものなのです。
例えば、インターネットで2者間の合意を得る「2人の将軍問題」というのが「ビサンチン将軍問題」とは別に存在しています。
これは、現在ネットワークの世界標準通信プロトコルであるTCP/IP(インターネット・プロトコル・スイート)が完全に解決しているとされています、しかし世の中には完全なロジックやITシステムは存在しないのです。
例えばネットワークの世界標準通信プロトコルであるTCP/IPにしても、2者のコンピューターが同時にハッキングされた場合これを検出できる方法は皆無で、何事も無かったかのように2者は不正な通信を正常な通信と何ら変わる事も無く継続してしまうのです。
このような状況下で、他のノードが同じ正しい情報をもとに合意できるかという問題が分散システムを構築する上では古くから課題となっていました。
しかし、実際にビットコインが分散システムによって長期間維持されていることを見て「ビットコインがビザンチン将軍問題を解決している」と言われるようになりました。
しかし、実態は解決しているのではなく「悪意のある存在がいても50%以上の計算能力がなければ支配されることはない」という推測理論によるものでしかありません、また近年の研究では41%の計算能力でも1/2の確率でブロックを生成できることが示されています。
結論としてはビットコインをはじめ、世の中にある分散処理システムは「ビサンチン将軍問題」を解決していない、むしろその問題を解決しなくてもよい方法を見つけ出し「避けて通っている」というのが正解なのです。
対して、産業向けに考えられたプライベート型ブロックチェーンでは複数の管理サーバーによる代表制マイニングによるコンセンサスアルゴリズムを採用しています。
全てが自社サーバーですので中央集権型だという輩もいます、しかしその技術的解決法としては極めて優れたもので第三者を介さずにコンセンサスを行え取引を保障したうえでの自立分散P2P取引を有効にしているのですから。
また管理サーバーは実際の人による管理者を介するわけではありません、パブリック型のマイニングを複数の代表サーバー(ノード)によって行われているだけなのです。
「限られたノードにだけマイニング権利を与えている」、ここからプライベート型ブロックチェーンと呼ばれているのです、そこで行われていることはパブリック型のブロックチェーンにおけるコンセンサスと何も変わることはありません。
※仮想通貨は、ブロックチェーン技術を用いた世界で最初のDApps(分散型アプリケーション)の一つであるということに過ぎません。
今や、電子取引をあらゆるデータの取引として金融以外の分野に応用して行こうという試みがなされています。
※投稿@伊東久雄
【コンセンサスアルゴリズム(取引証明)とは】
ビットコインでは、PoWというコンセンサスアルゴリズムによって電子取引内容を保障するという方法を採用しています。
取引データを含むブロックを生成するためにはハッシュ関数によるハッシュ値が必要になります、これを生成するためには前ブロックのハッシュ値からただ一つ導き出されるナンス(数値)を難解な計算により取得し、そのナンスを用いて次のブロックのハッシュ値を形成しなければなりません。
このナンスを一番早く見つけたノードだけが次のブロックを生成することが可能となります、ビットコインではこの計算が約10分で完結するように計算難易度を調整しています。
またビットコインではこれらのブロックが長く続いているチェーンを採用する形を取っているため、改ざんしてブロックを生成することは通常より遥かに多くの計算能力と時間を有することになり、現実的には困難であるとされています。
ただし、存在する良心的なマイナー以上に悪意を持ったマイナー、または巨大な計算能力を持ったマイナーが存在すると能力的に悪意のある者が上回ってしまうため、これらのシステムは簡単に崩壊してしまう危険性があります。
尚、仮想通貨におけるパブリック型ブロックチェーンに対して産業向けのプライベート型ブロックチェーンではセルフマイニングという方法によって取引の妥当性を保障しています。
このセルフマイニングとは管理サーバーを複数台用意して、その複数の管理サーバー間だけで代表制によるマイニングを行わせているのです。(代表制マイニング=複数ノードによるセルフマイニング)
これによって、実際には管理者は不在でもユーザー同士は取引内容が保障されたうえで自律分散型P2P取引を安心して行う事ができるのです。
このように進化したプライベート型ブロックチェーンは、P2P取引を自動化させ、尚且つ取引内容を保障できるという優れたブロックチェーンであると言えます。
※仮想通貨は、ブロックチェーン技術を用いた世界で最初のDApps(分散型アプリケーション)の一つであるということに過ぎません。
今や、電子取引をあらゆるデータの取引として金融以外の分野に応用して行こうという試みがなされています。
※投稿@伊東久雄
【暗号技術(ハッシュ関数)】
ブロックチェーンは、電子署名とハッシュ関数の数珠繋ぎ(じゅずつなぎ)という暗号技術によって改ざんされることを防止しています。
このハッシュ関数の数珠繋ぎが、電子取引台帳を収めたブロックがハッシュ関数のサンドウィッチ方式で数珠繋ぎになっているので、その構造からブロックチェーンという名称で呼ばれるようになりました。
例えばあるブロックが形成されると、それまでの取引全てを要約したデータ(ハッシュ値)がハッシュ関数によって生成されます。
次に生成されるブロックは要約データと取引データを含んだもので形成され、次のブロックではそれらの要約データが生成されます。
このように、一つのブロックにすべての取引データの要約データが入っているため、不正を行うためには改ざんした取引以降のすべてのブロックを作り直さなければなりません。
それに加えてコンセンサス(参加者による合意)により、より早く計算結果を出したものが、そのブロックの生成権利を獲得するように作られています。
このため、これらの改ざんを通常の計算よりも早く行わなければならず、莫大な計算能力を有するコンピューターを複数台並列使用しなければ改ざんすることは不可能な仕組みとなっています。
これが、ブロックチェーンの安全性・透明性・トレーサビリティのキーテクノロジーなのです。
※仮想通貨は、ブロックチェーン技術を用いた世界で最初のDApps(分散型アプリケーション)の一つであるということに過ぎません。
今や、電子取引をあらゆるデータの取引として金融以外の分野に応用して行こうという試みがなされています。
※投稿@伊東久雄
【自立分散システム】
自立分散システムでいうP2P(Peer to Peer)とは、複数の端末が接続されたネットワーク上でそれぞれの端末同士が通信を直接行うというものであり、管理者サーバーが存在しないネットワーク接続を意味します。
通常の金融システムでは、高いセキュリティを施したクライアントサーバーが権限を持つことにより運営されているため多大なコストがかかるという問題があります。
仮想通貨に代表されるパブリック型のブロックチェーンは中央権限型ではなく、特定の端末に権限を集中させない非中央集権型の自立分散型(P2P)ネットワークを構築することを前提にしています。
この非中央集権型ネットワークはコストがかからず透明性を維持できるとされています、ではなぜ金融システムや他のシステムで自立分散型ネットワークが構築されてこなかったのでしょうか?
それは一つの解決できない大きな問題が存在していたためです、その大きな問題とは「ビザンチン将軍問題」といわれる、ネットワークにおいて故障または故意によって嘘の情報が伝達される可能性がある場合にそのネットワーク内で正しい合意を形成できるかという問題です。
この問題に対してビットコインは、Proof of Work(PoW)というコンセンサスアルゴリズムによって解決を試みています。
このPoWとは自立分散型ネットワーク内で行われる取引の正当性を、マイニング(採掘)という他ノードの承認を取り入れることによって正当性を示そうとするものです。
この承認には莫大なコンピューター処理能力を必要とする計算領域であり、この作業に時間的、経済的負荷をかけることによって悪意ある攻撃を防ぐシステムを構築しているのです、そしてその作業こそが電子署名とハッシュ関数を使った暗号化技術によるものなのです。
対して管理者が介入するコンソーシアム型のブロックチェーンは、あくまでも管理者を置いた電子取引台帳だけをブロックチェーン化したもので、その運用においては必ず管理者が介在し、ユーザー同士の自立分散型P2P取引を行えないような用途に適応しています。
また、産業向けとして現在構築されつつあるプライベート型ブロックチェーンは、セルフマイニングを採用することによって運営者が存在していても、その取引においては自律分散型P2P取引が行えるという優れたブロックチェーンとして現在大いに注目されています。
近年、プライベート型ブロックチェーンは「産業用ブロックチェーン」、または「エンタープライズ・ブロックチェーン」と呼ばれるようになりました。
※仮想通貨は、ブロックチェーン技術を用いた世界で最初のDApps(分散型アプリケーション)の一つであるということに過ぎません。
今や、電子取引をあらゆるデータの取引として金融以外の分野に応用して行こうという試みがなされています。
※投稿@伊東久雄