2023年6月22日 08:00
だいぶ前になりますが「パラダイムシフト」という言葉が流行しました、企業のホームページや理念などにいまだに使っているところも在ります。
この「パラダイムシフト」は私的には新しいというよりも懐かしい言葉です、最近「パラダイムシフト論」などという言葉まで誕生していますが、これは理論と言う領域ではない言葉です。
「パラダイムシフト」を最も解りやすく説明すれば、それは「進化論」や「遺伝子学」を例にとることだと思います。
例えば、「進化論」では生物が種の保存を遂げるために進化する方法として環境適応と突然変異があります。
環境適応は、環境や食べ物によってその環境に適応するように進化していきます。
それに対して突然変異は、特に起因するものが有るわけでもないのに偶発的に全く別の種が生まれてきます。
この、特に起因するものが無いのに突然異種が生まれる状態こそが「パラダイムシフト」というわけです。
最も簡単な日本語で示せば「進化的脱皮」が適切ではないかと思います。
そして今、「一種の衝撃や気付きによって、ある日突然思考が変わる」という意味で使われるようです。
あまり良い状況でないなら「パラダイムシフト」を期待して異分野の人と出合ったり、今までの価値観が全く通用しない異文化に接してみるのも悪くはないと思います。
「苦手な人=異種の人間=パラダイムシフトする大きなきっかけ」ということです、居心地の良い狭い範囲の仲間たちと何年いても退化しても進化することはありません。
心も思考も鍛えなければ退化します、そして確実に弱い人間になっていきます。
「パラダイムシフト」が上手くいった場合、今まで苦手だった人たちがまるで天使か神様かのように見えてきます、そういう自分に進化成長できたわけです。
私の人生での大きな「パラダイムシフト」は2回あります、1回目は社会主義全盛期のモスクワで食うに食えない地獄日々の体験、そして2回目は死を確実に意識した大手術でした。
この経験を通して大きく自分の価値観も思考も変わりました、人間とは死ぬ気になればとてつもない「生きる」パワーを発揮するものです。
「パラダイムシフト」に必要なのはたった一つ、「自分を変える覚悟を持つ」ということだけです。