2022年8月25日 08:00
私はよく他者からみると感覚的な表現をするようで、「ビジネス嗅覚」とか「ビジネスセンス」また「肌感覚」などという言葉を多用するようです。
そのせいか周囲もこういった言葉を話しの中で使うようになってきました、ただこれらの言葉は私的には感覚的にではなくきちっとした意味を持たせて具体的に使い分けています。
最近は特に意味をあまり考えないで使用されることが多々あるので、ここでどんな意味を持たせているのかを明確にしておこうと思います。
まず、「ビジネス嗅覚」というのは「お金の匂いを嗅ぎつける本能」であり、生まれ持ってDNAに仕組まれている能力と私的には推測しています、したがって鍛えれば身につくものではないということです。
また、「ビジネス嗅覚」には感度と精度という2つの大きなエレメントがあります、感度は薄い匂いでも嗅ぎつけることができるかどうかの能力であり、精度は甘い匂いなのか苦い匂いなのかその匂いの性質を嗅ぎ分けることができるかどうかの能力です。
精度は、例えば「儲かりそうだけどリスクが高い」、「上手くいくけど相当時間がかかる」、「社会貢献を表示しているが実態は投資詐欺」などの匂いの質の嗅ぎ分けです。
この「ビジネス嗅覚」に加えて、社会通念・ビジネスマナー・経営テクニックなどの鍛えれば身につく能力を加えた総合指数的に用いているのが「ビジネスセンス」としています。
したがって「ビジネス嗅覚」が鈍い人でも、他の能力の鍛え方によっては補填する能力が高くなればビジネス嗅覚を補うことができます、しかし根底にある絶対的能力である「ビジネス嗅覚」を上回ることはありません。
「肌感覚」は、ビジネスに限っての話ではなくビジネスや人間関係で得られた経験によって表面意識が思考しなくても潜在意識で自然に判断できる超感覚を指しています。
自転車に乗れるようになると何年乗っていなくても何時でも乗ることができます、この感覚と同じ感覚として使っています。
違和感や動物的感覚などもこの類です、氷を見て冷たいと判断できるのは氷が冷たいものだという経験をしているからです、つまりこれとまったく同類の感覚だといえます。
特にビジネスでの「肌感覚」というのはビジネススキームを聞いただけで、「これは儲からない」とか「これなら儲かる」というように詳しいデータや計画を聞かなくても感覚的に判断できるのです。
それは、多くのビジネスや事業を自身で興してその中で経験し多くの良し悪しの結果を見て多くの経営者と会ってきているからできる術なのです。
人生やビジネス経験が浅く、経営者としても社員を抱えるでもなくプロダクツを興すでもなく身一つで一つの事しかやってきていない人に「肌感覚」を使われるととっさにそれこそ大きな違和感を感じ拒絶してしまいます。
言葉は正確にその本質を理解して、他者の前で使用しても違和感を持たれないような状況にしてから正しく使用してほしいと思います。
特に感覚的な言葉は安直な気持ちで使わない方が身の為です、不要な軋轢の多くは意味を解らず安易な状況において重要な言葉を使用したことに起因している事実が多々あります。
本当に人の心は解らない、たった一つの不用意な単語でその人を大嫌いになることも珍しいことではありません、まさに「逆鱗に触れる」というように言葉は慎重に選んで使うようにしたいものです。