2025年11月21日 07:00
本丸の敷地のど真ん中に樹齢100年はあるかという大きな柿の木があります、柿はおよそ1000種類ほどありますが最大樹高は種類によって2~5メートルと中低木に分類されます、しかし本丸にある柿の木は低く見積もっても10メートル以上は優にあり、見た人は口をそろえて「こんな大きな柿の木は見たことない」と言います。
さて、この巨大柿の老木は手の届かないところに実を付け、これが熟して自然落下し発酵でものすごい匂いを発します、庭が汚れるだけではなく野生動物を呼んでしまう可能性もあります、そこで本丸の最大樹高を誇る中央に位置するメインツリーを伐採することにしました。
何人かの専門家に伐採方法と見積もりを出してもらったのですがどの方法にしても廃棄処分まで含むと20万円を超えてしまいます、もっとも高額になる方法は高所作業車を使って上から順にカットしていく方法で安全に伐採することができます、ただ金額的なことはまだしも廃棄するということにちょっとした抵抗感を感じ、伐採とその後のカットだけを行ってもらい、再利用する方法をいろいろ考えました。
結論は巨木伐採のプロである山師に根元から一発でバッサリと切ってもらう方法にしました、巨木を切るのも倒れる瞬間もちゃんと目に焼き付けておきたいと思ったからです、直径20Cm以下の木の伐採は何度も見ているし自分でも何本かチェーンソーで切っています、でも巨木となると簡単にチェーンソーだけでは伐採できません、人生に一度有るか無いかという瞬間に是非とも立ち会いたいと思ったのです。
もう一つ重要な理由があります、それは私が立ち会うことで怪我人が出たり他の重要な樹木や設備を壊してしまっても責任は私になります、立ち会っていなければ誰かが責任を取らされます、それは本意ではありません、したがって連絡を貰って急遽土曜日の深夜に移動し日曜日の朝早く伐採に立ち会ったのです。
切る前に根元にお酒と塩を撒いて地神の許しを得てお清めします、そして倒す方向の逆側に重心が傾いているのでロープをかけてハンドジャッキで引っ張り大きなチェーンソーで切りながら何個か楔を打っていきます、途中ハンドジャッキが壊れて急遽新品のステンレスロープとハンドジャッキを追加してと予想しないトラブルが発生しました、チェーンソーも3台使いでしたが2台のロータが壊れてしまいました、なるほど切るだけで道具や準備などでも費用がかかるのですね、巨木の伐採費用が高い理由がよく解りました。
結果は流石プロです、ものの見事にジャストここしかないという狭いスペースにぴったり倒しました、ミキミキという音と共に倒れていき地面に着くなりドスーンという大きな音と共に地面が揺れるのを自覚できました、大迫力の瞬間を体験させていただきました。
メインツリーは地面から70Cmのところで直径60Cm超、根元はもっと太いでしょう、幹の中央部は炭化して真っ黒な土に変わっています、そして太いところを5個ほど80Cmの長さでカットしてもらい、脇枝も再利用できるように細かくカットしてもらいました。
細い枝は畑の緑肥に使い太い幹や枝は加工して様々な形で生まれ変わらせようと思います、つまりメインツリーのセカンドライフのお手伝いです、廃棄を躊躇った理由はこれです、太い柿の生木は現在ではほぼ手に入りません、せっかくなのでテーブルや椅子など趣味のDIYで愉しむことにしたのです、しかしカットした1個の重さは山師の目算では100kg以上、これが多数あります、これどうやって運んで加工するのかまたもやワクワクさせる悩みのネタができました、これも含めて大いに老後人生を謳歌している昨今。