
敷地内の土を掘ったり枝を剪定したりした土や枝をまとめておいたところからひょっこり出てきた可憐な黄色い花。
はて?
昨年は、このような花は見かけなかったような・・・。
まだ、観察力が足りないようです。
草丈は10~20cmほどの多年草で、葉は地面に張り付くように広がるロゼット状で冬を越します。
花は淡いクリーム色や黄色が基本ですが、園芸品種では白、青、ピンクなど多様な色があり5枚の花弁が平たく開く形が特徴で、中心部には濃い黄色やオレンジ色の模様が入ることが多いです。
湿り気のある草原や林床に自生し、日当たりが良く、水はけの良い場所を好みます。
繁殖力は強く、こぼれ種でも増えるほど丈夫で育てやすい植物です。
「プリムローズ(primrose)」の語源は、ラテン語で「最初のバラ」を意味する「prima rosa」に由来します。春先にいち早く咲くことからこの名がつきました。
学名:Primula vulgaris
分類:サクラソウ科 サクラソウ属
開花時期:2~5月

石の陰に小さく可憐に咲く花、その名も
大犬の陰嚢(オオイヌノフグリ)
・・・・・・
大きい犬の睾丸!?
なぜ、そんな名前を・・・。
しかも小さいのに、なぜオオイヌ?
名前の由来は、調べてみるとなかなか面白い。
明治初期に渡来したヨーロッパ原産の帰化植物で、もともと日本に自生していた「イヌノフグリ」という植物に似ていて、それよりも大きいことから「大」が付き、果実の形が犬の陰嚢(フグリ)に似ていることから「フグリ」が付けられました。
草丈は10~30cmほどで、茎は地面を這うように広がり先端が立ち上がりますが、横に広がる性質が強いため密集して生えることもあります。
葉は卵形から円形で、縁には不揃いの鋸歯(きょし)があり、表面にはまばらに粗い毛が生えていて、下の1~2対が対生し、それより上は互生します。
花はコバルトブルーで小さく、花冠は直径約1cmで深く4裂していて下のほうが短い筒の形をし、花弁が4枚あるように見えますが基部はつながっています。
花弁には濃い青色の筋が入っていて中心部は白っぽいことが多く、花の中心には雌しべが1本、雄しべが2本あります。
花が終わるとやや扁平で幅の広いハート形の果実ができ、この実が犬の陰嚢に似ていることが名前の由来とされています。
果実の中には8~15個の小さな種子が入っていて熟すと弾けて種子を散布します。
日当たりの良い湿った場所を好みますが、非常に丈夫で耐寒性や乾燥にも比較的強く、種子だけでなく茎が地面を這って根を張ることでも増え、在来種のイヌノフグリを駆逐する勢いで広がっています。
外来種であるこのオオイヌノフグリに影響され、日本の在来種の「イヌフグリ」は数を大幅に減らし、絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。
オオイヌノフグリは、現在では日本全国の道端、畑の畦道、公園など全国いたる所で普通に見られる野草で、他の植物がまだよく伸びていないころに花を咲かせるので見つけるのはやさしく誰でも目にしたことがあると思います。
風の冷たい早春の日だまりに小さなコバルト色の花をたくさん咲かせ、太陽の光に反応して開き、日が暮れるとしぼむ「一日花」ですが、次々と新しい花が咲き続けます。
この小さく青い花が、まるで星のように見えることから『星の瞳』という美しい別名も持っています。
代表のオフィスの庭を観察していると勉強になります。
学名:Veronica persica
オオバコ科クワガタソウ属
開花時期:2~5月

代表のオフィスの庭にも所々みられる常緑性多年草で日本でもおなじみの植物です。
一年を通して美しい緑を保ち、非常に丈夫で育てやすいのが特徴です。
草丈は通常10〜30cm程度と低く地下茎を伸ばして子株を作ります。
葉は細長く線形または狭披針形(きょうしんけい)で、濃い緑色で光沢があり一年中その色を保ち、株元から多数出て放射状に広がります。
花は葉の間から短い花茎を伸ばし、あまり目立ちませんがよく見ると可憐な姿で淡い紫色や白色の小さな花を数個咲かせます。
実は直径5mmほどの瑠璃色の美しい球形で冬の間も長く枝に残るので庭や鉢植えのアクセントとして観賞されます。。
地面を覆い密に生い茂ることで雑草の抑制効果も期待できるためグランドカバーとして、また、花壇や通路の縁取り石の周りなどに植える境裁(きょうさい)として景観を引き締めるなど広く利用されています。
品種によっては、葉に白い斑が入る「斑入りジャノヒゲ」などもあります。
「蛇の髭(ジャノヒゲ)」はその名の通り細長い葉が蛇の髭のように見えることから名付けられました。
ところで、蛇に髭はあった?
別名で「竜の髭(リュウノヒゲ)」や「山菅(ヤマスゲ)」とも呼ばれるようで、空想上の生物ですが竜に髭があるので言葉が統合して蛇の髭になったのでは・・・。
なお、山菅はヤブランの古名であり、形が似ているため混同して呼ばれていると思われます。
学名:Ophiopogon japonicus
分類:キジカクシ科ジャノヒゲ属
開花時期:6~8月

代表のオフィスの庭のサツキとツツジの中に枝ぶりや葉の形が違う個性的な植物が。
春のジンチョウゲ(沈丁花)、秋のキンモクセイ(金木犀)と並び、日本を代表する三大香木の一つの常緑低木です。
美しい花と芳香、多様な用途で知られ、葉は光沢のある濃い緑色、革質で、対生又は3枚が輪生してつきます。
クチナシは「一日花」で夕方に開花し、夜は純白ですが、翌日の朝にはクリーム色に変化し、昼過ぎにはしぼんで茶色くなる刹那的な花です。
果実にはクロシンという水溶性の天然色素が含まれており、古くから食品の着色料として使われ、栗きんとんやたくあん、和菓子、ゼリーなどに自然な黄色を付けるために利用されます。
食品だけでなく、布や工芸品を黄色く染める染料としても古くから使われてきました。
果実は山梔子(サンシシ)と呼ばれ、漢方薬として消炎、止血、利尿などの薬効があるとされています。
昔からいろいろな場面で重宝されてきた植物ですね。
クチナシは漢字で「梔子」と書き、秋に熟す果実の特徴に由来しています。
※漢字単独で出てきたら読めないし、書けません。
クチナシの果実は橙黄色に熟しますが、熟しても果皮が裂開しない(実の口が開かない)ことが特徴で、この口が開かない「口無し」という状態から、「クチナシ」という名前がついたようです。
植物学的にもクチナシの果実の先端に萼(がく)が残ることから「実の口が閉じている」と解釈され、名前の由来を裏付けています。
学名:Gardenia jasminoides
分類:アカネ科クチナシ属
開花時期:6~7月

庭や道端、畑、代表のオフィスの庭などあらゆる場所で自生する非常に身近な雑草で、気にしていないと見過ごしてしまいますが、実は面白い植物です。
葉がハート形の小葉が3枚集まって1枚の葉を構成する複葉であることが最大の特徴です。
この形はクローバーによく似ていますが、クロバーの葉は丸型です。
葉は夜になると閉じ昼になると開くという就眠運動をします。

名前の由来にもなっている「片喰」は葉の一部が食べられたように欠けているという意味で、虫に食べられやすいことや就眠運動で葉が片方だけ閉じる様子から来ているという説があります。
葉にはシュウ酸が含まれており酸っぱく、生で大量に食べると中毒の可能性があるため注意が必要ですが、昔から解熱や利尿の目的で利用されていました。
花も晴れた日に開き、曇りや雨の日、夜間は閉じます。
花が咲いた後は細長い角のような形をしたサヤ状の果実(さく果)ができ、熟すと種子が弾け飛ぶようにして飛び散るという性質があるので、触るとパチンと音を立てて種子が勢いよく飛んでいきます。
地面を這うように広がる茎(匍匐茎)を伸ばしそこから根を出してどんどん増えていくので、弾ける種子と合わせて驚異的な繁殖力があり、根絶するのが非常に難しい雑草の一つとしても知られています。
葉の形が特徴的で美しいため古くから多くの家紋のモチーフとして使われてきました。
「片喰紋(かたばみもん)」は日本の十大紋の一つに数えられるほど有名な紋で、その強い繁殖力から家系が繁栄するという縁起の良い意味合いが込められています。
学名:Oxalis corniculata L.
分類:カタバミ科カタバミ属
開花時期:春から秋