2024年8月 5日 07:00
「機能を落として低価格にせよ!」、これは今後の全ての業界のトレンドになるかもしれません、自動車・家電・情報機器・化粧品・食品・各種サービス、いろいろな業界の売れ筋商品を調査したら、こんな言葉が出てきました。
景気の良い時はとにかく求められたのは「高付加価値商品」です、それに惜しみなく人々はお金を落としました、バブル経済期は同じ仕様なのに高い方が売れたという嘘のような話まであります、実際私もこれは経験しているので解ります。
「不必要なものには一銭たりとも払いたくない」、それが今を反映した現実なのです、自動車や家電は今や不必要な機能を外した基本性能や省エネに的を絞った実用的なものが引き手あまたな状態です、他の商品も基本性能が良ければブランドや高機能には拘らない、同じ条件なら安いか好みのデザインなどで買われるのです。
むしろ高機能商品は「使わない機能にお金を払わされている」という心理も働き売れなくなっています、日本よりも東南アジアやヨーロッパなどでこの傾向が強くなっています、輸出企業は早期の戦略転換を迫られることになりそうです。
実は過去にもこうした例がありました、それはバブル崩壊後のパソコン業界です、「ダウンサイジング」の合言葉に各社低機能低価格のパソコンにシフトして大成功を収めたのです、またこれにソフト業界も追従しました、オールマイティ仕様から単一仕様の数千円のパッケージとして必要なものだけ買えるようにしたのです、その結果は見事にIT業界は業績を急ピッチで回復し他の業界の景気回復までも押し上げたのです。
「ダウンサイジング」とは安い部品を使うのではなく既存技術を使いまわして新しい商品を開発し各社で共有してコストダウンを図るという方法を執るべきです、メーカーによっては「低機能低価格製品」のためのブランドを新規に立ち上げることも一つの戦略となるでしょう。
今は右肩上がりの成長期とは全てが違います、現実から離れた思考での商品やサービスは売れるはずもありません、必要なのは「売るための販売戦略」ではなく「買ってもらうための商品戦略」なのです、そして高付加価値を追求するのであれば贅を尽くし徹底した高性能高価格なものとすべきです。
高性能高価格な商品は拘りを持つ本物が解る人には根強い確実なニーズが有るからに他なりません、成熟した時代に生き残るのは陰陽両極の商品であり中途半端な商品では生き残ることすらできません、成功する為には人の思考もまた然りです、自身で事業を起こして他者を牽引し利益分配していくのか、他者事業を完璧にフォローして成功と利益を共有させてもらうのかのどちらか一方です。
最も賢い人はこの陰陽両極のどちらも同時に取り入れた事業構築と生き方を通せる人なのです、ある事業は自身で興し他者のサポートを得る、ある事業では完全に事業主のサポート役に徹する、陰陽両極を同時にできれば最強です。