2024年4月19日 01:00
生物学において異種の生物が何らかの関わりを持って共に生存する現象を「共生」と呼んでいます、ここで重要なのは「共生」にも利害関係から4つのパターンに分けられるという点です、これらを理解して行動に活かすこともまたビジネスを成功させるための思考に極めて重要だと思うわけです。
これを知らずに「ビジネスは共存共栄が肝要」といって群れを作ったところで利害関係を理解していなければ崩壊するのは必至です、さて生物学的に「共生」の利害関係から分ける4つのパターンとは以下に分類されています。
1つ目は「相利共生」で双方に利益が有る関係。
2つ目は「片利共生」で片方のみが利益を得る関係。
3つ目は「片害共生」で片方のみが害を被る関係。
4つ目は「寄生」で片方が利益を得て片方は害を被る関係。
ここで「共存共栄」という関係は上記の1つ目の「相利共生」のみであることは一目瞭然です、しかし他の共生関係で上手くいっていると勘違いしている人は意外に多いように思えてなりません、ここで混乱するかもしれませんがビジネス手法でいう「パラサイトビジネス」というのは「寄生」ではなく1つ目の「相利共生」であることを理解していただきたいのです。
「パラサイトビジネス」とは宿主であるメイン企業の傘下に入り一部の業務を受け持つ代わりに安定した収益を保証してもらうという関係であり、共に有益なアライアンスを組んでいるのであって生物学的な「寄生」とは大きく異なるのです。
世に存在する多くの異業種交流会を良く考えてみてください、本当に会員が利益を得ているでしょうか、年会費のほかにランチ会や親睦会では自分の食した以上の参加費を取られて名刺交換だけして終わりです、名刺は山ほど溜まりますがビジネスには何らの有益性も齎されないというのは珍しいことではありません、その参加費はゲストや主催者の食費に回されているわけです、これは「相利共生」ではなく「片利共生」や「片害共生」ではないでしょうか?
コラボレーションやコンサルティングにも偏った「共生」関係が見て取れます、こんな関係が長く続くわけがありません、最も酷い例は顧問として契約するも実害を齎すだけで何の利益も齎さないというとんでもないコンサルタントがいるのです、多くは1年ほどで見破られて宿主を転々と変える本質は「寄生虫」以外の何物でもありません。
ビジネスで継続的に上手くいく関係は社員やパートナーのように双方に利益が齎される関係でなくてはならないのです、今まで社員として安全な家の中で守られてきた人が起業ブームの煽りで突然危ない大自然に放たれるのです。
そこには無防備の人を狙って利益を取ろうとする輩が当然のように罠を仕掛けて待ちかまえているのです、冷静に冒頭の4つの「共生」のどれに当たるのかを見極めてほしいものです、そして上手くいくのは「相利共生」のみだということをお忘れなく。