2023年9月29日 01:00
「核家族」という言葉は既に懐かしい感じがします、ここ数年の世の中の動きを見ればまるで核家族から更にそれぞれが分離して生活する「個の時代」を予見させられます。
テレビでは人知れず孤独の中であの世へ逝ってしまう「無縁死」が取りざたされています、身元調査しても戸籍にも無く何処の誰なのか特定できない人も年々増えてきているといいます、他方「24時間以上人と会って会話をすることが無い」という社会隔離生活者も年代に関係なく急増の一途だといいます。
そういう人の向かうところの一つがネットの世界です、ネットの中では現実の世界とは無関係に他人と文章や映像による会話もできます、また自分が発信した記事に反応があり孤独さを紛らわすこともできます。
また現実とは無関係に作り事の世界でヒーローやヒロインとして存在することも可能です、でも実在する世界とはまったく異なる次元の「バーチャル」という仮想空間です、ネットからちょっとでも離れれば「現実」というシビアな世界に引き戻されてしまいます。
更にネットでは何度か実際に会って互いに相手のことを確認するまではどんな人なのかも正確には解りません、文章では若く感じても自分よりもはるかに歳上の人でしかも自分の業界の大先輩だったりすることもあります。
したがって非礼があれば些細なことですぐ関係を切られてしまいます、リアルでは決してありえない人にありえない言葉を発しているのですから当然のことです、ネットはあくまでもツールであって人間関係のきっかけこそ与えてもそれを構築できるのはあくまでもリアルな関係でしかあり得ません。
私は現在の「個の時代」はまさにこのネット社会が齎した悪しき産物だと考えています、便利さの裏には必ず伏兵が隠れているものです、リアルな人間関係が構築された後に情報交換や連絡用にネットは使われるべきだと思えてなりません。
今までは「ネットとリアルの融合」が叫ばれました、これからの時代はおそらく「ネットとリアルの共存」にこそ大きなビジネスチャンスが在ると思います、リアルとバーチャルという2つの次元を成功者は決して一緒にして思考していません。