2025年12月10日 10:00
私はこれまで、「こういう状況なので、こうすればいいですか?」と自分で用意した結論にお墨付きをもらうだけの、相談の形をした自己確認を繰り返してきました。 事実ではなく自分の前提と願望をまとめて押し出していただけです。
師匠からは「全部自分勝手な思い込みで周囲をひっかきまわしている、どんどん人が離れるぞ」とはっきり指摘されました。 相手の気持ちを確かめず「こうした方がいいはずだ」という自分の思いを一方的に押し付けてきました。 その結果、本来その人の判断の場を奪い、相手を自分の枠組みの中で扱ってきたのだと思います。
長い間これは「自分の根深い性格の問題だから簡単には直らない」と決めつけていましたが、その考え自体が「仕方ない」と逃げるための防御壁でした。 師匠の言う"成功思考"を学べとは、性格そのものの良し悪しではなく、"成功する行動を生み出すOS(行動原理)"を入れ替えることなのだとようやく理解しつつあります。
古いOSがいちばん強く作動する場面も見えてきました。 納期や期限に追われているとき、あるいはその場で答えを問われたとき、「今ここで答えなければならない」と感じた瞬間に、自分を守る防御壁が立ち上がり視野が一気に狭くなってしまいます。 そのたびに自分のことだけで頭がいっぱいになり、相手や状況が見えなくなる。 しかし師匠はどんな時も動じません。 それはどんな状況になってもいいように考え抜き準備をしているからだと思います。 焦りやすい自分はまずその手前の段階として、同じような場面を想定して人一倍準備をしておくところから始めなければならないと感じています。 そうやって土台を整えたうえで、問われた瞬間にその場しのぎの結論を言うのではなく一呼吸おいてから事実に基づいた言葉を選べるOSへと少しずつ切り替えていきます。
今はまずそのOSをアップデートする「入口」として、動き出す前の「チェック機能」を実装します。 動く前に一瞬だけ、①いま言おうとしていることは事実か、それとも自分の意見か、②相手のことを勝手に決めていないか、③自分の安心のために相手を動かそうとしていないか、この三つを自問する。 特に時間に追われている場面ほど、このチェックを一度はさむ。 それによってその場しのぎの結論を口にする前にいったん立ち止まり、まず事実と相手の意向を確認することを自分に思い出させようとしています。 今の私にできるのはこの基本からやり直すことです。
相手を自分の枠組みで扱わない。 まず事実と相手の意向を聞く。 自分の安心のために人を動かさない。 こうした準備とチェックをその場かぎりで終わらせず、日々のやりとりの中で繰り返すルーティンとして体に覚えさせていきたい。 これは本来、コミュニケーションの基本だと思います。 だからこそできていない影響は大きい。 ここに取り組む価値は大きいはずです。 これまでと同じOSのままでは先がない。 自分のOSを更新し続けていきます。