ITサービスは全てが目に見えないテクノロジーで構成されています、したがってテクノロジーを表示し動作状態を人間に教えてくれるUI(ユーザーインターフェース)の善し悪しが極めて重要項目になります。
UIとはコンピューターと人間との翻訳機と解釈すると解りやすいでしょう、つまり翻訳機の性能如何によって優れたテクノロジーも埋もれてしまうことすらあるのです。
売れるITサービスはコア技術よりもUIが優れていると言っても過言ではありません、それほど重要な存在なのです。
ITベンチャーの多くはこれに気付いていません、コア技術だけで評価してもらえると大きな勘違いをしているのです、だから評価もされずに売れないのです。
UIを侮っていては優れたコア技術も絵に描いた餅と同じです、では優れたUIを構築するにはどのようにしたら良いのでしょうか?
その答えは極めて簡単です、「そのアプリケーションを使うのは誰ですか?」、これが答えです。
優れた技術も使うのはあくまでも人間です、であれば使いやすくなければ誰も買わないのは至極当然だということです。
ユーザーにITを意識させては敬遠されます、パソコンの向こう側には機械ではなく人間がいる、そう思わせるような人間の温もりを感じさせるUIが望まれるのです。
ズバリ、今後のブロックチェーンによるP2P取引(個人相対取引)は新たなる経済秩序を生む媒体という存在になる可能性が極めて高くなります。
お金の誕生により労働生産性という秩序が生まれました、労働生産性とは一人の人間がその業務に従事したとして幾らの利益が生まれるかという概念です。
昔から存在する統計では農業や漁業の生産性は低く金融やITといった付加価値サービス業がどの国でも高いものとなっています、しかしブロックチェーンによるP2P取引の誕生によってこれまでの過去の統計は崩れてくる可能性があります。
更には「労働」そのものの意味や「労働生産性」という意味そのものが成り立たない可能性もあるのです、これはどうしてでしょうか?
それはブロックチェーンによる経済秩序そのものが利益を生む媒体だからです、つまりお金を使わずに利益を生むという新たな秩序が生まれてくるのです。
そもそも人間はお金の無い時代にどのようにして欲しい物を得たのでしょうか、それが最大のヒントです、近未来にはお金で物を買うという秩序そのものが崩壊する可能性があるのです。
お金という物を買う媒体は持つ者と持たざる者を大きく差別化してきました、ではお金そのものが必要としない時代に飛躍するのはどのような人でしょうか?
人間は本来の平等な関係を崩壊させました、それはお金でお金を生むという秩序が成り立ってしまったからです。
お金という価値概念が正しいか否かを問われる時代になってきたと思うのです、それがブロックチェーンによるP2P取引が齎す新たな経済秩序なのです。
バブル経済期に「デジタルデバイド」という言葉が世を席巻しました、これは「IT機器を使いこなせる人とそうでない人とが仕事や生活などにおいて大きな格差がでてくる」という警鐘とも思える言葉でした。
その警鐘も空しく本当にここ最近明らかに「デジタルデバイド時代」が到来しています、その背景にあるのは携帯電話の高性能化(スマートフォン)と全年齢層への急速な普及であることは容易に想像できます。
今やメールだけではなくPCブラウザを搭載しているためパソコン用のサイトなどにも自由にアクセスできるようになっており、これが「パソコン不要論者」を増やしていると言えます。
しかしパソコン不要論者には大きな勘違いがあります、それはパソコンとスマートフォンは基本的に異なるITツールだということです。
確かにスマートフォンでパソコンの代理はある程度務まりますが、例えば経営やビジネスに使用するには限界があります。
今や特許や商標・会計書類・役所の管理書類などは全てが電子化されており、パソコンからポータルサイトを利用して世界中で閲覧や取り寄せができるようになっています。
これらはスマートフォンで見ることは何とかできても基本フォーマットをダウンロードして書類の作成や修正にはパソコンのように他のアプリとの連動も含めて簡単且つスピーディーには行えません。
つまりスマートフォンを操作できても企業に就職すればゼロからパソコンを覚えるしかありません、この状況を反映してなのか、それともパソコン不要論者が就職を目前に自分に降りかかる事実を認識してなのか、今更ながらパソコン教室は静かなブームとなっています。
少し前のパソコン教室はパソコン時代についていけないオジサン社員達でした、しかし今のパソコン教室は就職を目前にした20代前後の若者で溢れ返っていると言います。
昔は「商売を始めたら嫌でもソロバンを覚えるしかない」と言われました、今は「商売を始めたら嫌でもパソコンを使いこなせなくてはならない」という時代になったようです。
私のクライアントの経営者は40代にも関わらずパソコンが使えないのです、FAXや郵送での契約書の確認や書類のやり取りをしていますが必ず電話での確認も含め多くの時間を要します、更に一つの事項に10倍以上の時間がかかってしまいます。
「パソコンが使えない」、これだけで大きなビジネスの機会ロスに繋がってしまいます、ビジネスするならパソコンでメールとワープロだけでも使えこなせるようにしていただきたいものです。
こういった社会状況をビジネスに取り入れるのがIT思考というものです、少なくても生年月日などの数字入力は可能な限りタッチだけで選択式によって入力できるようにUI設計してもらいたいと思います。
「自分ができるから他者ができるとは限らない」、マーケットに受け入れられなければどんな技術も実らないことを知ることです。
仮想通貨によってあっという間に注目され市民権を得たブロックチェーンですが、ようやく有益で具体的な技術者向けの書籍が書店に並ぶようになりました。
仮想通貨の誕生から十数年、この瞬間は余りにも遅すぎる感がしなくもありません。
書店にはIoTへの応用から医学分野への応用に関する書籍が並び、「分散処理革命」、「暗号処理革命」などという言葉が書籍内に踊っています、急速に世の中にブロックチェーンが浸透し近未来には当たり前のように使われるようになるのは明らかでしょう。
自動販売機や家電の多くに入っている組み込み型OS(Linux)を「OSによってアプリケーションが動いている」と意識している人はいるでしょうか、ブロックチェーンも数年後には同様になってくると思います。
そのブロックチェーンが当たり前のように各種の分野で使われるようになってくると仮定して、その状況下で次に起こるべき状況を読んでいる人は世の中にどれだけいるのでしょうか?
少なくても黎明期を過ぎた分野に固執するのでは次代の覇者には成り得ません、今更ブロックチェーンに飛びついたところでちょっと先行した一般の人で終わってしまいます。
ITで成功するには黎明期を過ぎて成長期を見届けた瞬間に未来に起こるべく状況を読んで行動開始しなくてはならないのです、特にスタートアップを狙うベンチャー企業は次代の先を読むことは必須事項となります。
ブロックチェーン黎明期の次に来るべき状況、それは40年間に起こったITの発展の歴史に大きなヒントがあります。
ITはどのように発展し次の時代を築いてきたのか、そこには明確な方程式が存在しています、ここに気付くことができた者だけが「ポスト・ブロックチェーン時代」を切り開いていけるのです。
OSの歴史・AIの歴史・処理技法の歴史、どの分野のITにも存在する法則はその歴史を詳しく調べてみることで重要なキーワードを見つけることができるでしょう。
最大のヒントは、その革新技術そのものを追うのではなく革新技術をどのように取り込み活用していけるのかにあります。
どんな優れた技術であっても使われることが無いのであれば、それは世の中に存在していないのと何も変わりません、どんな技術も使われて初めて価値が生まれるのです。
多数存在しているブロックチェーンプロジェクトですが、今後は技術的な優位点ではなく利用されるべく根拠を示していく必要があるのです。
過去40年間に生まれたパソコン用のOSは数え切れないほど在ります、では何故使われているOSは限られているのでしょうか、ここに早期に気付くべきなのです。
同様に家庭ゲーム機、新たに誕生してくるニューメディア、何故生き残るものと淘汰されて行くものに分かれるのでしょうか、そして生き残るものは淘汰されるものと何が違うのでしょうか?
私が動向を注視したいIT分野に超VRがあります、私自身も幾つかの超VRつまり次世代バーチャルリアリティに関するビジネスモデル特許を出願しています。
VRは古くから世に存在していたのですが、数年前からはこれにもう一つの要素を加えて3D(立体)や4D(3D+1D)という匂いや振動などを映像と合成した体感型VRに発展しています。
しかし多くは撮られた後に楽しむアフタープロダクツ型です、そこで私はこれを3D映像によりリアルタイムに配信するビフォワープロダクツ型の超VRとして課金方法も含め独自のシステムを考案し特許出願いたしました。
例えば男性は女性にはなれません、しかしこの特許技術を使えば女性がどんな世界観で物事を見ているのかがリアルに解るようになります。
また病気や怪我で歩けない人がスポーツや山登りをリアルに体験でき、映画やDVDで見るのとは全く異なる人間本来の目線で体験することが可能になります。
この特許出願後のプレゼンテーションで各方面から打診がきています、医療法人、放送局、ITベンチャー企業と、一生涯かけてもどんなにお金を積んでも実現することができない体験を行えるシステムにそれぞれの企業が大きな将来性を感じているのだと思います。
技術の進歩は恐ろしく発展しています、これまで不可能だったことがお金を払えば現実に手に入れることができるのです。
サラリーマンでありながら先生や政治家に成りきって体験できる、人生を人の何倍も楽しむことがこの超VRシステムを使えば可能になるのです。
そしてバーチャルリアリティであろうが現実であろうが、その脳が体感した記憶は経験値として活かせることが解っています。
一度の人生を多くの経験として楽しめることにも繋がります、特に学術や経営などに上手く活かせないか今後の課題はコンテンツ次第ということになります。
そしてこのシステムは、有益で魅力的な情報発信できる人が利益を享受できるようになるのです。
例えば、野球やゴルフなどのスポーツ分野、娯楽やカルチャー分野への仮想体験による指導、教職員の体験学習、弁護士などの実務経験など資格や認定取得までの期間を短縮し、より具体的に指導する事が可能になります。
他者と違うオリジナリティな経験を他者に与えることができる存在、超VR時代にはこれまでに考えられないようなユニークな実生活を営む人が利益を得られる時代になるのです。
これからの時代は組織単位での収益活動から確実に個人対個人(P2P)の時代に移行すると思います。
ただしビジネスはあくまでもB2Bです、この一見矛盾した社会構造を理解できるでしょうか?
次世代のビジネスの在り方、それは現状の思考からは到底理解できない世界観なのです。