2023年8月17日 07:00
オーディオ道楽復活直後に市場に溢れる小型ブックシェルフと小型トールボーイ型のスピーカーを見て、一種の絶望感に似た心持になった私も手持ちのアンプやスピーカーの動作確認を兼ねた試聴を繰り返すうちに心境の変化が起きてきました。
そのきっかけとなったのがオンキョーのD-202AX LTDやダイヤトーンの業務用小型スピーカー群でした、しっかり買うべき製品をその時代に買っていながら何故大型密閉型にこうも拘っていたのか、見るべきポイントを見誤っていたのだろうかと自身を問い正し始めたのです。
そして何度も比較試聴を行っていくにつれ小型ブックシェルフを前向きに捉えることができるようになったのです、やはりオンキョーのD-202AX LTDやD-212EXの存在は大きかったです。
理想としていたダイヤトーンの大型3ウェイブックシェルフとの比較試聴で、その数年後に発売された小型ブックシェルフの音質や音色が見劣りすることがないのですから認めざるを得ませんでした、勿論低音域は大型3ウェイに適うはずもありませんがバランスという意味では聞きやすい音色です。
それにしてもオンキョーの小型ブックシェルフに懸ける意気込みは相当なものだったのでしょう、容量が1/4でユニット口径面積も1/4にも関らず低音域から高音域までフラットに出ていて、しかもその張り出し感も文句なしなのですから。
価格こそ大型ブックシェルフ並みのそれなりの価格はしているものの、物理的な特性を克服してのあの音質には流石の私も降参しました。
ということで、ようやく小型ブックシェルフや小型トールボーイに目覚めたのですがそのメリットは強烈でした。
なにせ設置スペースは取らないし、ストックスペースも取らないなんてマイナス要素はなにもありません、ただし製品を選ばないといけません。
例え小型ブックシェルフといえども価格に比例した音質になることだけは変わりません、ハイファイを追求するなら最低でもペアで6~7万円のクラスでないと本当のオーディオの喜びは愉しめません。
世の中が変われば自身もそれに合わせて生きる「行雲流水」の心持が何事にも不可欠な要素なのだと思うのです、つまらない拘りやプライドを捨てて時の流れに身を任せてみるのが何事にもよろしい結果となるようです。