2024年12月30日 07:00
60年代・70年代はアメリカ、80年代・90年代は日本、2000年以降はヨーロッパ、これ何の話かというとスピーカーの話しです。
60年代・70年代にスピーカーと言えばJBL・アルテック・タンノイでした、タンノイはイギリス発祥のメーカーですが1974年以降はアメリカのハーマンの資本傘下に入りアメリカに本社が移っています。
70年代には日本のブランドも多数存在していましたが、世界的なスピーカーブランドまでには成長してなく、当時のマニアの多くはこの3メーカーのスピーカーに憧れて自身の部屋で使うことを理想とするのが当たり前のような時代でした。
80年代に入ると70年代に一定の市民権を得ていたヤマハやダイヤトーンを筆頭に日本のスピーカーブランドが急速に奮闘してきます。
ヤマハ・ダイヤトーン・オンキョー・ビクター・パイオニア・テクニクス・ソニーなどがスピーカーでも世界ブランドとして認知され多くのファンを魅了します、この状況は2000年初頭まで続きます。
90年代に日本メーカーで台頭してきたのはオンキョーでしょう、特に小型ブックシェルフでは金字塔を建てていきます。
そして2000年代に入ると台頭してきたのがヨーロッパ勢のブランドです、90年代中盤以降は日本のオーディオ界は氷河期という日本オーディオ界の空白の時代を迎えています。
この空白の隙間を突いてきたのが、DALI(ダリ)やKEF(ケフ)といった当時設立したばかりのヨーロッパのスピーカー専業メーカでした、またイギリスの老舗メーカーであるタンノイやモニターオーディオも日本市場でシェアを奪っていきました。
DALIはデンマーク、KEFはイギリスのスピーカーメーカーで小型ブックシェルフやトールボーイ型に注力し、あっという間に世界のシェアを奪っていきました。
現在オーディオショップのスピーカーコーナーには大型タイプではJBL・タンノイが並び、小型ブックシェルフとトールボーイにはヨーロッパ勢がずらりと並んでいます。
日本のブランドと言えば小型ブックシェルフばかりが目立ち、展示されているのはヤマハ・デノン・オンキョーくらいで寂しいばかりです、逆にDALIやKEFは専門コーナーまで設けているショップもあるくらいです。
それにしてもDALIのスピーカーは小型ブックシェルフでもトールボーイでも繊細で軽快な音色を放ちます、DALIはデンマークのオーディオマニアが究極の音質を求めた結果誕生したメーカーで音質に真摯に向き合う姿勢を感じられます。
日本のブランドも、80年代に世界に誇ったような繊細でありながら軽快な音質のスピーカーをそろそろ本気で出してほしいと願うばかりです。