「デジタルマーケティング」という言葉自体は10年以上も前から存在し、その後に派生したWebマーケティングと混同され昨今ではあまり聞かれなくなった言葉の一つだと思います。
しかしデジタルマーケティングは新型コロナウイルスパンデミックによるソーシャルディスタンスという社会現象を受けて、全ての業界にとって今後益々重要な経営手法の一つになっていくと思います。
Webマーケティングとデジタルマーケティングは全く異なる視点で考える必要があるのではないかという記事が昨今多く見られるようになりましたが、確実にデジタルマーケティングを見直す機運が広がりつつあります。
ではデジタルマーケティングとWebマーケティングとは、それぞれどんな手法を指すのでしょうか。
まずWebマーケティングはその中心に置かれているのがWebサイトになります、したがって重要視されてくるのがSEO対策やコンテンツの内容、また誘導するためのバナー広告やリスティング広告、更にはSNSとの連動などとなってきます。
更にはWebサイトに来てもらってからの予約や購入、問い合わせなどの自動化のバックオフィス処理に重点が置かれます。
このWebマーケティングを効率よく考えた手法がプロダクツローンチという手法ですが、本来目指したB2BやB2Cなどの法人ビジネスには向かず企業は揃って採用を見送ったという経緯があります。
逆にSNSを舞台とした個人間でのビジネスの集客手法として定着し、そして数年前にその限界が見え始め淘汰されていったのは誰もが理解するところです。
そういった経緯もあり、昨今忘れかけられていた本来的なデジタルマーケティングが再度注目されるようになったのです。
デジタルマーケティングは、Webマーケティングよりも包括的な哲学にも似た思想が必須でありITを駆使して行う全方位型のマーケティング手法です。
計画的な経営思想をデジタルに反映したものである必要があり、リアルマーケティングテクニックをそのままにデジタルに置きかえることを目指しています。
ホームページは必要最小限のバナーなどと共に簡素な構造に始まり、商品ごとのポータルサイト、情報提供だけを行うキュレーションサイト、またPRを目的としたカタログサイトやECサイトなど正確な情報提供と顧客ニーズに合わせた複数のポータルサイトの縦横無尽の複合的な導線&構築手法が重要になってきます。
つまり単一複合サイトではなく、複数の機能別サイトを連携した戦略的に計画されたサイト構築手法が重要になるのです。
そのうえでそれぞれのサイトを目的別に特化させることが重要です、正確な情報提供サイトならそれに特化し、そこから誘導しECサイトへ繋げるなどのWebマーケティングに見られるような姑息な手法はご法度です、あくまでも信用を重要視した手法が求められます。
※投稿@伊東久雄
私が実践しているデジタルマーケティングは「見せない、集めない、売らない」という3つのキーワードを基本にしています、そしてこれをポリシーとしてオウンドメディアで情報配信しています。
したがって見てもらうための情報ではなく自身の経験からくる自分のための記録的な記事ばかりとなっています、でもこれが極めて有益に機能しているのです。
先日も私のビジネスブログの愛読者だという人からメールがきました、「読んでもらえるか解りませんが・・・」と冒頭で述べており文面から紳士な人であることが伺えます。
私が返事をすると、さらに「まさか返事までもらえるとは」とそこで初めて相談内容を伝えてきました、まさに私が理想とするデジタルマーケティングの姿がここにあります。
私の本業は最先端IT及びM&A・上場支援・再生を最大の売りにした経営コンサルティングです、したがって顧客は法人、しかもそれなりの規模で社歴の長い法人をターゲットとしたB2Bビジネスとなります。
100人に1つの商品を買ってもらうB2Cビジネスではなく年にたった1社でも契約してもらえれば充分に経営が成り立つビジネスです、これがデジタルマーケティングはB2Bビジネスにおいて有効だという証明です。
「見せる、集める、売る」B2Cビジネスに対して、「見せない、集めない、売らない」B2Bビジネスは不要な出会いを求めたりお付き合いもする必要もなくマイペースにビジネスが行えます。
そして契約いただいたクライアント様に充分な時間を割き誠意を持って丁寧に業務を遂行できます、だから長期間継続してもらえるし新たな顧客探しを積極的にする必要もないのです。
静かなるデジタルマーケティングの実践、一度でも体験してみればその有益さを理解できるでしょう、もっともその前に有益なB2Bビジネスを確立するという課題をクリアしないといけません。
デジタルマーケティングの要であるITは全てが目に見えないテクノロジーで構成されています、したがってテクノロジーを人間が目で見て手足を使ってコントロール可能にするのがUI(ユーザーインターフェース)という人間とITとの仲介役です、つまりUIの善し悪しがデジタルマーケティングでも極めて重要な項目の一つになります。
ITと人間との仲介役であるUIの善し悪しは、例えどのような優れた技術によってそのシステムが作られていようが人間が直接感じることはできません、つまりUIによって優れたテクノロジーも埋もれてしまうこともあるのです。
これらから昔からIT業界ではITビジネスは核心的なコア技術よりも、それを表現するUIが優れていなければ買ってもらえないと言われています、UIとはITサービスやプロダクツにとってそれほど重要な存在だということです。
IT企業の技術者の多くはこれにまったく気付いていません、コア技術だけで評価してもらえると大きな勘違いをしているのです、だからせっかくの革新技術も評価されずに放置されてしまうのです、では優れたUIを構築するにはどのように考えるべきなのでしょうか?
その答えはずばり「そのアプリケーションを使うのは誰ですか?」です、優れた技術も使うのはあくまでも人間です、人間はどのような行動をとり何を気になるのかをじっくりあらゆる機械の操作を観察することです。
そして利用者に機械であることを意識させてはダメです、画面の向こうに人間がいて操作をみてくれているという安心感や人間の温もりを感じさせる必要があるのです。
投稿@伊東久雄