MICRO(マイクロ)は、マイクロ精機のオーディオブランドである。
1961年、長岡精機宝石工業(のちのナガオカ)に勤めていた小宮康策がマイクロ精機を設立する。
1968年、レコードプレーヤーと関連製品の生産に特化し、レコードプレーヤー部門で月産1万3000台という世界一位の金字塔を立てる。
特に、海外では知らない人はいないほどのブランドを確立し、ヨーロッパでは超高級レコードプレーヤーメーカーとしてブランドを確立する。
1976年、70年前の蓄音機を復元した「フォノグラフ」を発売し、古い蓄音機の修理を引き受けると発表し話題を集めたこともある。
1990年ごろからレコードプレーヤーの需要が減り、経営は破たんしていき2015年にみなし解散によってオーディオ界からブランドが消えた。
現在、アナログブームの復活で再び中古市場におおくのMICROブランドのプレーヤーが並ぶようになった。
MASSIVE(マッシブ)は、オースミ電機株式会社のオーディオブランドである。
1974年、スピーカー等のオーディオ製品と家電製品の製造業として創業。
オーディオ製品は主に店舗向けの業務用製品であり、小型の業務用スピーカーや業務用アンプを継続的に手掛けている。
あまり知られていないブランドであるが、飲食店舗の天井埋め込み型スピーカーなど目に見えないところで活躍している製品が多い。
小型業務用アンプはモノラル仕様などもあり、オーディオマニアやホームシアターマニアがホームユースとして遊び半分で中古を購入して各種実験に使用されていたりする。
音質は業務用だけあってナローバンドのカマボコ型で、中音域の張り出しを欲しい場合には使える製品も多い。
FUNAI(フナイ)は、かつての船井電機株式会社のオーディオブランドである。
1951年、創業と同時にミシンの卸業を行っていたが1959年に船井軽機株式会社に社名変更しトランジスタラジオの製造をおこなうようになり、これが事実上のFUNAIの創業でもある。
1961年、船井軽機株式会社の電機事業を独立させ、現在の船井電機株式会社となる。
1980年、それまでのOEM製造からFUNAIブランドを確立し、自社商品の製造を開始する。
大量生産による安価で良い商品を世に送り出す事をモットーにしており、各種の家電に加えてラジカセなどのオーディオ製品やテレビなどの映像機器も多数生みだされた。
80年代には、エントリークラスのオーディオ製品としてAIWAと共にシェアを二分割する程のブランド力があった時期もある。
2006年、ヤマダ電機と業務提携しヤマダ電機の独占販売での液晶テレビを製造するなどしていたが、再びOEM製造に徹するようになる。
尚、2000年に東証一部に上場を果たし、量産型家電OEMメーカーとしての地位を固めている。
STAX(スタックス)は、有限会社スタックスのオーディオブランドである。
1938年、昭和光音工業株式会社として創業し、放送局用のコンデンサマイクなどを製造しコンデンサ方式(静電方式)で名を馳せる。
創業当初からそれまでの電磁であるマグネット方式ではなく静電であるコンデンサ方式の高音質に拘り、研究・製品化を行い高度な技術を世界に認められた。
1963年、スタックス株式会社に社名変更し、同時にSTAXブランドが誕生する。
その後、高級コンデンサ方式のヘッドフォンで世界的なブランドに躍り出る。
現在でも、ヘッドフォンやヘッドフォンアンプで安定したブランド力を発揮している。
プロは勿論のこと、オーディオマニアの間でも音質確認にはSTAXのヘッドフォンを使うのが常識化しているほどである。
電磁方式では得られない、極めて繊細な高音質を得られるコンデンサ方式のヘッドフォンをオーディオ界に齎した功績は極めて大きなものがある。
SAEC(サエク)は、サエクコマース株式会社のオーディオブランドである。
1974年に創業し、レコードプレーヤーに使うトーンアームでは世界的な高級ブランドとして名を馳せる。
CDにメディアが移行した後ではケーブル類などにシフトしながらも細々と製造を続け、現在またレコードブームにより注目されるようになったブランドである。
70年代~80年代のオーディオファンには知らない人はいないほど知られた日本のブランドですが、最近のオーディオファンには海外の高級オーディオブランドと思われている人も多い。
70年代~80年代のオーディオマニアは、トーンアームをSAECに変えるというのが常識化しており、そのうちレコードプレーヤーメーカーは最初からトーンアームを付けないハイエンド商品を出すようになったほどである。
そういった、一つのオーディオ文化を創出したSAECの功績は極めて大きい。