CORAL(コーラル)は、かつて存在していたコーラル音響株式会社のオーディオブランドである。
70年代、80年台を通しフォステクス、テクニクスと共にDIYスピーカーユニットを供給した3大スピーカーユニットメーカーの一つ。
初期の頃はアンプや一体型ステレオなども手掛けていたが、徐々にスピーカーユニットやスピーカーシステムに注力するようになる。
音に対する技術力を高く評価されたが、経営戦略が後手に回り倒産の道を辿ることになる。
いまだにスピーカーシステム等が中古市場に出るとあっという間に売れてしまうほど、絶大なコーラルファンが存在する。
Sharp(シャープ)は、シャープ株式会社のオーディオブランドで、現在は台湾の鴻海精密工業の資本傘下にある。
1912年に創業し、初商品はベルトのバックルであった、その後世界初のシャープペンシルの特許を出願し製造を開始、アメリカで大ヒット商品となり、その後の社名の由来となる。
1925年、電気を使わない鉱石ラジオを発売し、電気製品の製造を開始する。
1962年には世界初の電子レンジを発売し、家電メーカーとしての地位を確立する。
1964年には、電子式の計算機を発売しカシオと世界のシェアを二分する「シャープカシオ電卓戦争」を繰り広げる。
1973年に初の液晶電卓を発表し、液晶のシャープと呼ばれるようになる。
その後、家電以外のパソコン、オーディオ等の商品を出すもパーソナル仕様の製品が多く特段大きな功績は出していない。
やはり液晶テレビ関係が強く、オーディオ分野よりもホームシアター向けの製品が中心で、テレビに繋げてサラウンドを実現できるサウンドバーをはじめ、プロジェクター・液晶モニター・ビデオテープデッキ・DVD/ブルーレイプレーヤー等の商品群がある。
プロジェクターと液晶大型テレビでは、一時期独占的な確固たる地位を固めていた強い時期もある。
ALPINE(アルパイン)は、東京及び福島県に本社を置くアルパイン株式会社のオーディオブランドである。
アルパイン株式会社は、通信機器や情報機器を手掛けるアルプス・アルパイングループのカーオーディオ事業を営むメーカーで、カーオーディオ分野に置いてはパイオニアと業界を二分するほどの超大手企業である。
世界中の有名メーカーの乗用車にカーオーディオを収めており、アフター型機器も含めてカーオーディオ部門では名前を知らない人はいないほどである。
誕生は1967年に通信機器のアルプス電気と米モトローラ社との合弁によってアルプスモトローラが設立され、当時のカーオーディオの主力製品である8トラックカセットデッキなどを生産する。
1978年に社名をアルパインに変更し、1981年には老舗オーディオメーカーであるラックスマンを傘下に収め1985年から6年ほどALPINE/LUXMAN(アルパイン/ラックスマン)ブランドでホームオーディオ部門での製品も出した。
その後は、本業のカーオーディオやカーナビに注力し車載カメラ等の製品も出している。
OTTO(オットー)は、現パナソニックグループの三洋電機がかつて用いていたオーディオ事業のブランドである。
1966年、初めてのオーディオ製品であるアンプとレコードプレーヤーが一体となったモジュラーステレオに付いた製品名がOTTO(オットー)であり、以後オーディオブランドとして用いられるようになった。
その後、70年代にはプリメインアンプやカセットレコーダー、スピーカーシステムなどを発表するも、Lo-D同様にオーディオ専業メーカーの勢いに押されブランドが定着することがなかった。
80年代後半、僅か二十数年で早々にオーディオ界からブランドが消えていくことになる。
私の記憶に残る製品は、80年代後半に発表されたスピーカーシステムのSX-Z3000で32Cm口径のウーハーのフラットコーンの前後にドライバーを付けたツインドライブ方式というものである。
OTTO独自のツインドライブ方式の図解
アンプによるBTLドライブをスピーカーでやってしまうという発想でしたが、発想ほど評価されなかった記憶がある。
何せ、当時はスピーカー598戦争の真っただ中です、セットで12万円が勝負という時代にセットで33万円をぶつけるのには相当の内容でないと難しいという時代だったのである。
Aurex(オーレックス)は、東芝のオーディオブランドであり、現在東芝グループである東芝ライフスタイル子会社の更に子会社である東芝エルイートレーディング(TLET)が、白物家電に用いていた「TOSHIBA」とは別に、オーディオ製品に用いられているオーディオブランドである。
Aurexというロゴは、「Audio界のrex(ラテン語のキング)」と言う意味で、1969年に初めて冠商品が発売される。
70年代に入り、オーディオ業界は老舗の大手家電メーカーに加えて新規参入の専業メーカーとが入り乱れてのメーカー乱立時代、いわゆるオーディオ黎明期だったのである。
そんな黎明期にあって、Aurexも先進的な製品を多数出すもどれもこれといった特徴もなく、早くも85年にはハイファイコンポーネントオーディオから撤退し、ミニコンポシステムなどのパーソナルオーディオに移行するも90年代初頭には一旦オーディオ事業から撤退する。
2002年、東芝エルイートレーディング(TLET)が設立され、パーソナルオーディオとしてのCDラジカセなどで再びブランドが復活する。
2018年には、業界初のCDラジカセでハイレゾ音源対応商品を出すなど、ハイファイオーディオ復活の予兆を感じさせる商品も出し始めている。