Pioneer(パイオニア)は、1938年、東京で創業の福音商会電機製作所のオーディオブランドである。
創業直後に「A-8」というスピーカーユニットを創出し、以後も社名に恥じないスピーカーユニットを作り続けた。
1961年に福音電機株式会社に社名変更し、一体型ステレオなどスピーカーユニットに加えてオーディオ機器に参戦する。
1974年に本社を目黒の自社ビルに移し、翌1975年から本格的なコンポーネントオーディオ製品を多数創出する。
70年代後半~80年代にかけて、サンスイとトリオを合わせて「サントリパイ」と言わるオーディオ御三家としてオーディオ界に君臨した。
1970年後半から一環として、超高級ハイエンドセパレートアンプや、日本初のマルチアンプシステムを可能とするチャンネルデバイダーの投入など、先進的なシステムを数多く創出してはオーディオマニアを喜ばせた。
1983年には、独自のレーザーディスク(LD)製品を世界で初めて創出し世界中を驚かせた。
LDは30Cmという大きなディスクで、プレーヤは回転の振動が肌で解る程「ブンブン」と音を立てて再生していた記憶が鮮明に残っている。
その後、CDやDVDの誕生と共に数年でレーザーディスクは衰退する、私も数多くレーザーディスクを所有しているが再生するハードウェアが中古でも手に入らず宝の持ち腐れとなっている。
1987年には、カーオーディオへ進出し、この部門では今やアルパイン(日本企業)と並ぶ世界ブランドを確立するに至っている。
1992年、世界初の96MHz/16bitで書き込みする高サンプリングデジタル録音を製品化し、LDで培った技術力を存分に製品に投入した。(LDの失敗は無駄ではなかったわけです)
その後も192MHz/24bitDAC搭載CDプレーヤーなど、常に先行した技術力でデジタルオーディオの名ブランドとして、DVD、ブルーレイ、SACDなどのメディアプレーヤーにおいてブランド力を決定的にしている。
尚、元々の事業であるスピーカーユニットでも名作が多く、ユニット事業から撤退後もOEM供給などを行っており、近年小型ユニットを製品化しユニット事業も復活する可能性が極めて高い。
数々のスピーカーを始め高級ハイエンド製品での名作も多い。
ハイエンド製品の多くはEXCLUSIVE(エクスクルーシブ)ブランドで出すようになり、後に分社化し株式会社エクスクルーシブに高級ハイエンド製品は引き継がれた。
経営環境としての会社は、2000年以降毎年のように事業分割による分社、オンキョーや他のメーカーとの事業合併など複雑な経過をたどり、発売会社がコロコロと変わり混乱を招いている一面もある。
正直、現在パイオニアが資本や事業で関係している会社は山ほどあり、どの会社が何を引き継いだのか、どこと合併したのかを明確に理解できる人は皆無と言ってもよいほどである。
現時点では、オーディオ、ホームシアター、モバイルオーディオ、カーオーディオなど、ブランドは同じ「Pioneer」であっても、製造販売は別会社と言う混乱ぶりとなっている。
尚、普及タイプのオーディオ&ホームシアター製品は今現在オンキョーとの合弁会社であるオンキョー&パイオニア株式会社が製造販売を行っている。
また超高級ハイエンドオーディオ部門は株式会社テクニカルオーディオデバイセズラボラトリーズを新設し、TADブランドを立ち上げている。
今後もしばらく混乱が続く可能性が極めて高く、マニアは一旦落ち着くまで様子見している感が強い。
私は、ホームシアター向けのブルーレイプレーヤーだけは常に最新のパイオニア製品を購入しては使い続けています。