母屋も別館もおもしろい部分がいくつかあります。

この写真では理由がわかりませんが右上の小窓が・・・。
開け閉めできません!!
なぜか?
床から5mのところに設置されているからです。
下を見るとこんな感じ。

どのような打合せでこのような仕様になったのだろう・・・。
階段の上り口から手を伸ばしても届かない。
棒を使ったとしてもクレセントの鍵が開けられない。
もちろん、掃除もできない。
外に5尺(約1.5m)の脚立や9尺(約2.7m)の園芸用脚立がありますが、それらを利用できるわけでもない。
ん~。
全日本の男子のバレーボール選手でもジャンプした最高到達点が3.5mほど。
なぜそんなところに開閉できる窓を設置したのか・・・。
この別館を増築した時の打合せに同席してみたいと思いました。
勝手な想像ですが、
工務店:階段は暗くなるので明り取りが必要ですよ、正面にガラスブロックを設置しますね。
施主 :でも、上の方は暗くならないですか?
工務店:では、上部にも設置しましょう。
施主 :開け閉めできた方が空気がこもらないのでは?
工務店:そうですね、引違のサッシにしましょう。
完成後・・・。
謎は深まるばかりですが、
正面にあるガラスブロックの明り取りをもう少し高くすることでよかったのかもしれません。
似たような面白事例はよく聞くので、とても勉強になります。

あれ? 敷地からはみ出ている・・・
設置した足場をよく見ると隣の畑に越境しています。
普通は問題になるので、すぐに棟梁に確認。
この畑は共同利用していることと棟梁が事前に近隣の方々に周知していただいていたので、何も問題なし。
近所の方々は興味津々ということや職人さんの多くも知り合いで持ちつ持たれつ、現場にいるとあいさつしていただいたり、近くまできて「昔はこうだったあーだった」と声をかけていただきます。
安堵とおおらかな田舎の雰囲気とともに工事は進みます。

玄関の安全性を検討していくと、勝手口のドアもどうしたらよいかとなります。
現状は一般的な外側が鍵で内側にサムターンの仕様です。
代表から
「いい方法はないのか?」
と問われます。
代表の考えている「建物への出入りが玄関の1ヶ所から」と「勝手口は畑への行き来で必要」ということを踏まえ
「鍵は内側のサムターンのみにできますがドアごと交換になります」
と伝えると
「それでいい!」
とのこと。
サッシ屋さんも
「なるほど!」
ということで、ドアは既製品があるのですぐ交換できるとのこと。
「足場があるけど作業はできますか?」
と聞くと、
「全く問題なし。」
とのことです。
既存ドアを撤去し、ドア枠を再利用し外側から枠をカバーして新しいドアを設置する改修工事の現在主流の工法です。
近年、改修工事は非常に多く、作業も手馴れているようで簡単に工事できるようです。
サッシ屋さんは繁忙の谷間のようで、製品が入り次第すぐに交換となりました。
前回の記事にあるようにプロパンガスの通路の問題は解決しました。
残置されたプロパンガスの配管を改めてよく観ます。
ガスを使うキッチンに一番近い位置にボンベを置くような思想の設計だったようです。
これだとガスボンベが窓より高くなって、すっきりしないデザインだったんだなぁと思いつつ、今回のキッチンのコンロは代表の安全安心思想の火を使わないIHにし、ガスは風呂のみの利用ということで当時の考えは不要です。
アイデアを住宅設備に熟知している水道屋さんに相談。

「このボンベの位置は変更しても問題ないですか?」
「大丈夫だよ!」
と、いうことで、階段下の寸法を確認し階段下にボンベを置くように変更。

ボンベ通行の問題から派生して、別の問題も解決しそうです。

別館の玄関を塞ぐとなると、その前の道路と敷地との境界も塞ぐ計画で進めます。
ここで、代表が気にされたのが、
「プロパンガスの通り道が確保できないかもしれない、通路幅は確保できるか?」
代表は基本的に厳しいのですが、時折意外なところでやさしさを垣間見せてくださいます。
パッと見た感じでは問題なく、業者さんは多少の障害物があっても納品してくれます。

代表はそんなところを気にされているのかと思いつつ、プロパンガス運搬用の一輪車の寸法を調べ、通路幅を確認します。
十分通行可能なことを報告すると、
「了解!」
ということで、別の検討に移ります。