
今回の改修建物は2世帯住宅でキッチンが2つあったので、キッチンの給湯用のガス配管も2つあります。
なぜか母屋側はガスメーターが外されておりませんでした。
母屋の方で給湯はしないのでメーターも配管も不要です。
これは誰が撤去するのか棟梁と水道屋さんに確認したところ、
「○○商店に、使わなくなったので撤去してくれ」
と電話すればすぐ撤去してくれるとのこと。
メーターに電話番号も貼ってあるので、すぐTEL。
翌日には撤去していただくことに。
細かい不要物も徐々に無くなっていき、工事も円滑に進められます。

前に住まわれていた方は、母屋も別館も、キッチンはプロパンガス、風呂は石油給湯器を利用していました。
昔は石油が安かったので田舎ではよくある設備の選択です。
キッチンのプロパンガスはレンタル契約ですでにガスボンベは撤去されていますので、着火するか確認はできないのですが、別館の石油タンクには少し石油が残っていて、配線もつながっていたので現在でも使えるか確認してみます。
水道の元栓が止水されているので、まず開栓!
「あれ???」
変なところから水が噴き出てきます・・・。
あとで前の住人の方に確認したところ、
石油給湯器は壊れているかもしれないとのこと。
どうも水道管を凍結させてしまい、中の管が破裂したようです。
・・・。
代表から石油はNGと指示を受けていたので、今回の改修工事では、風呂の給湯器はガスに、キッチンはIHで進めます。
代表が押入れを見ています。
打合せの時は、
「襖撤去でオープンにしたい」
だけでした。
天袋の襖も撤去なのか?
そんな軽微な話ではないと思われます。

代表:「ここは撤去できるのか?」
どうも、押入れの棚である中段が代表の完成イメージからは邪魔なようです。
私:「はい。できますが、隣の押入れとの壁も取れてしまうかもしれません。」
代表:「じゃあ、その壁も取る、ついでに床と壁も張り替えたい!」
私:「天袋はいかがいたしますか?」
代表:「取れるるなら取りたい。」
・・・。
壁を撤去すると天袋にも影響します。この際なので、低く奥行きのある使いにくい天袋まで撤去した方が一体的な空間となり、きれいに仕上がります。
ただ、前回の記事のような欄間の簡単な撤去と違い、床が絡みます。
先に部屋側の床を張ってしまったので、連続した床板にはならず、押入れの敷居で縁を切った仕上げとなることを代表にご了承いただきます。
あと、押入れと押入れの間の柱、押入れと天袋の間の梁及び長押(なげし)が残ることもご了承いただきます。
大工さんの腕の見せ所です。
棟梁と材料屋さんと私の3人で改修工事の途中状況を確認しています。
代表からは特に指示が無かったのですが、3人で気になるところが・・・。
棟梁:「大したもんじゃないから取っちゃえばいい」
材料屋さん:「なんか、違和感あるよね」
私:「代表は取るって言いますね」
ということで、代表に確認。

即答で 「うん。取って!!」
材料屋さんが
「承知いたしました!! あ~、よかった!」
と言い、欄間の撤去が決定いたしました。
この欄間が残ってしまうと、空間にモヤモヤ感が残ってしまいます。
材料屋さんも職人肌の方なので、いろいろなところに目配りをしていただき、気になるところは必ず確認してくださります。
大工さんと一緒に動いてくれているとりまとめ役の材料屋さんから電話があります。
「母屋のキッチンはすでにカバー工法で施工してあるよ。この床板剥がせそうだから剥がしていい?」

改修計画検討時は、既存のままでよいとか、やっぱり剥がして張り替えた方がよいとか、いろいろ検討いたしましたが、この床の上に新たにフローリング材を張る予定で落ち着きました。
ただ、この場合、敷居から床が12㎜ほど高くなるので、敷居との間に見切り板を付けるなど工夫が必要なうえ、最終的には段差ができてしまい、実は収まりがよくありません。
そんな状況のなか、母屋のキッチン設備を撤去すると一度床をカバー工法で回収している形跡がみられたのです。

↑ キッチンを撤去した右半分が竣工当時の床です。
竣工時は塩化ビニールシートの仕上げだったようです。
時が経つにつれ汚れてきたからか別館を増築したついでかはわかりませんが、カバー工法で床の改修工事をしたようです。
材料屋さんに詳しく聞くと、接着剤はそれほど強くなさそうなので手間もそれほどかからないし、新しく張ろうとしていた床材と同じ厚さだし、剥がして張った方がきれいに仕上がるから剥がそうと・・・。
反対する理由はありません。
代表も「そうしましょう」と即答です。
懸念していた一つの問題が解消され、ほっとしました。