上手くビジネスを構築できるか、この大きなポイントは「儲かる仕組み」を構築できるか否かにかかってきます。
「儲かる仕組み」とは、自身の活動をどのようにしてお金に換えるかというマネタイズ手法でありビジネススキームそのものです。
ビジネススキームをまとめた事業計画書とは「どのような事業を行うか」というドキュメントではありません、「どのような事業を行いどのようにして利益を生み出していくか」という時系列的な行動計画とそれに伴うキャッシュフロー上の収支計画が織り込まれている必要があります。
起業家が直面する起業後の多くの課題はビジネススキームであり、その基にある「儲かる仕組み」の構築にあります。
「儲かる仕組み」を考える際に「何をもって」と考えると難しく考えてしまいがちです、「儲かる仕組み」作りの発想のヒントは自分の人脈です、どのような人が周囲にいるかを正確に把握することが重要です。
これは自身の周囲の人が自身の事業とどう関われるかという発想の最低限のベースとなります、不要な人などこの世にはいません、どんな人にも必ずその価値を見出すことで有益に自身のビジネスに関わってもらえるようになります。
もう一つは生まれてこれまで無事に生きてきたという実績そのものです、どんな人も失敗やトラブルや上手くいった喜びなどを経験しています、これらは学校の教育や資格なども含めてすべてが学んできたことです。
この自分がこれまで生きてきて学んできたことに価値を見出すことです、これが「自分ができることは何だろう?」という発想を生み出す最低限のベースとなります。
少なくてもビジネスは結果においての利益が重要です、「起業しておきながら利益がなくてもやりたいことができる」という発想は自身のビジネスに自信がない言い訳でしかありません。
そして「利益の出ないやりたいこと」とはビジネスではなくて趣味や道楽です、それであれば起業する目的をどこにも見出すことはできません。
「儲かる仕組み」、それは人脈と自身の経験をお金に換える方法を見つけだすことにあります、自分ではなかなかこれが難しいのです、どんな人も自分を客観的に見ることができないのですから。
まずは素直にそれを行うことができる人にお願いして期間をかけて経験を通して学ぶことです、これしか実績の無い人がビジネスで成功する方法はないのです、できない事をいくら頑張っても何も生むものはありません。
昔からの友人で過去30冊以上も著書を出しテレビや雑誌にもちょくちょく顔を出す国際問題を扱う評論家がいます、その活躍ぶりをテレビや雑誌で見ると年収は高くて海外での華麗な生活をイメージさせます。
でも実際は大きく異なり、海外での活動資金過多により常に借金返済に追われ普段の生活は困窮を極めています。
SNSなどでも同様に地方テレビに出演し雑誌に取り上げられ出版したなどと大いにPRをしている人を見るたびにその人の実態が垣間見えてしまいます、ハッキリ言ってテレビ出演や雑誌掲載に出版などというのは現代においては何も特別なことではありません。
地方テレビも含めれば数百人という一般人が毎日のように出演し、出版も統計では1日に700冊以上も出版されているのです。
現代は国民総タレント・国民総カリスマ・国民総有名人の時代です、そんな時代の成功者とは逆に顔は一切出さずに水面下で密かに儲けている人なのです。
海外旅行解禁当時のパイロットや国際線CAは旅費も高額だったせいか憧れの花形職業でした、しかし現在では管理職程度の収入であり小学生の「なりたい職業ランキング」でも下降の一途です。
メディアに出るのは今ではセールスポイントでもなんでもなく、むしろ知られたくない事実も暴かれ逆効果になる可能性が高いのです。
メディアに出ることが憧れであった遠い昔の幻を今もなお追っかけているのは経営者として感心しません、経営者の成功とは有名になることではありません、事業活動を通じて収益を上げることに尽きるのです。
見せる価値創造は遠い昔の話しです、これからはポストコロナの時代となり見せない価値創造が重要になっていくのです。
創業以来決算申告が完了する翌月の6月は大きな節目の月であり、起業40年の私にとっては正月よりも重要なビジネス初動の月になっています。
物理的には、梅雨の時期は大嫌いですが精神的には前向きにビジネスを考えられる大事な時期です。
面白いもので、この時期に起こる事がその後の流れを決めてしまうような前兆の時期でもあります、経営を長くやっているとリズムとか流れという感覚が肌で解るようになります、これはどんな理屈も通用しない最優先すべき事項であり他者には理解できない事項でもあるのです。
会社や人には特有のリズムがあります、こういった節目のときには「誰と何をしたか」、「どんな流れが起きたか」、「どんな問題が発生したか」ということがその後に大きな意味を持ってくることがあるのです、逆にこの時期に何も無かったときには1年間ほぼ何も起きずにステイディな1年となるのです。
私の場合は過去多くの事業提携をはじめとした各種の契約や特許出願などが何故かこの時期に集中しているのです、実績は一つの大きな根拠です、無意識の思考や流れというリズムを自覚することは不可能なことです、これは自分の顔を直接肉眼で見ることができないのと同じです。
しかし実績というエビデンスを見れば、自身の思考や流れというリズムを間接的に把握することが可能になります、これは自分自身と真摯に向き合い客観視できているということにもなります。
自分を正確に知ることは経営上極めて重要な事項だということだけではなく、人間関係を含めて人生を豊かなものにするために必須な事項だということを頭に入れておいていただきたいと思います。
多くの経営者は売り上げや利益に関して、また債権と債務とのバランスに関しては理解を示し対策方法にも関心を寄せます。
対して資産構築という観点で話をした途端に理解できないという顔をします、ましてその上をいく資産運用はもう雲の上の話のようです。
解りやすい資産といえば不動産や商品在庫なのですが資産とは目に見えるものばかりではありません、誰も気が付かないところをキャッシュポイントとして気付く人が本物の経営者だと思います。
これまで経費で落としていた社内で使用するためのマネジメントシステムや在庫管理システムは全て実は資産です、開発完了と同時に資産計上し減価償却しながら毎月60分の1ずつ5年間に渡り経費計上できるのですが、この理屈が理解できない人が実に多いです。
この方法を使うか使わないかで会計上の財務諸表がガラリと変わり、これまで貸し渋りをしていた銀行も融資が通るようになったりするのです。
また社内でサイトなどを作成した場合は見合う人件費をソフトウェア資産として資産計上できます、つまり経営はテクニックというのもこの辺りも含めてのことです。
税理士の中には進んでこういう提案をする人もいるでしょう、しかし面倒がって提案すらしない税理士さんは実際に多いと思います。
更には目に見えない換金性のある資産も存在します、特許や商標といった知財もその一つです。
ほとんどの法人は財産価値の有るものを持っていると思いますが、それを意識する経営者はほぼ皆無とだけ申し上げておきます。
経営をしていて何か「無駄に忙しい」と感じるときがあります、この「無駄に忙しい」の意味は直接的な利益活動ではなく事前調査や事業計画、また大きな契約に向けての活動などが目白押しの状態を指しています。
更には事業推進上必要な事前準備でありサイト構築やHPの修正なども含まれます、つまり将来の利益を見込んだ先行投資というべき事項です。
これが将来確実に利益を生むと解っているのでしたら本当は無駄ではないのですが、新規事業は特に闇の中を手さぐりで進んでいるようなもので何ともじれったいと感じます。
こんな状況は過去何度も経験していますが、明るい未来が待っていると信じられるようになれば逆に心地良い忙しさとさえ感じてくるものです。
それと重要なのは経済基盤です、まず経済基盤が盤石だと焦る気持も芽生えません、子供の頃に山の中に入ったり工場の倉庫などで探検ごっこをやったものですが、その感覚に似たワクワクしたものを感じます。
愉しんで無駄に忙しくしていると朗報は必ず齎されます、閃いたら先ずは動いてみることです、動けば景色が変わり見えなかったものが見えるようになるものです、ただし宝物を見つけようとするワクワクする気持ちを継続させることと諦めさえしなければの話しです。
最後にもう一つ、生活する為の手段による忙しさに日々追われている状況は一つのルーティング状況であり、その中から未来に向けた有益な発想は何一つ生まれてきません。
追われるような忙しさから解放される方法は自身の発想と行動一つです、何故忙しさに追われるのか、それは今日やるべきことを明日に伸ばしているからに他なりません。
やるべきことが渋滞し更にやるべき新事が発生していては愉しい未来を思考することはどんな経験者でも無理というものです、「無駄に忙しい」と「無駄な忙しさ」は意味も状況もまったく異なる別次元の状態だということを知ることです。