ものづくり大国日本のビジネスの基本は「ものづくり」にあります、私もしばらく「ものづくり」事業から離れて少ない投資と少人数で行える経営コンサルティングを中心に行っていた時期がありましたが、本来の自分のフィールドである「ものづくり」事業を再び始動させました。
自身の中でも「ものづくり」事業こそが実業家と呼べると考えています、そんな「ものづくり」事業ですが、コンサルタント時代にも建築現場向け監視装置・ピザ生地製造装置・もつ鍋の顆粒スープ化などあらゆる業種からの相談がありました。
何処へ頼んだらよいのか、幾らの投資が必要なのか、販売価格は幾らが妥当なのかなど相談内容も多種多様です。
こういった相談に応えるのと合わせて、収支計画や資金調達も含めてワンストップでフルサポートする「ものづくり」事業支援のニーズは今後も絶えることがないと思うのです。
中小企業庁などでも昔から相談窓口はありますがアドバイスや紹介だけで具体的な施策は自身が行わなくてはなりません、そこが一番の課題なのです、事業経験の無い人のアドバイスほどいい加減なものはありません。
自身で事業経験をしていればステージごとに何が必要なのかは手に取るように解ります、だから曖昧なアドバイスではなく具体的な施策を示してあげられるのです。
「ものづくり」事業は製造だけではありません、商流や販促品・ポータルサイトに告知方法など、あらゆる事業推進に必要な事項が存在しています、これらを事前に指導し一緒に行動して早期に実現させることが肝要なのです。
自身が経験した成功事例を後継者に伝えていく、経営者として自身の使命をまっとうした後に考えてみるのもよいかもしれません、これも一つの成功経営者としての心得だと思うのです。
法人を設立すると、経営者はどこかのタイミングでグローバルビジネスの可能性を模索するようになるのが常識のように存在しています。
グローバルビジネスとは海外法人との取引や海外での事業活動による利益行為を指しています、したがってインバウンドビジネスは外国人相手ですが日本国内でのビジネスであるのでドメスティックビジネスであってグローバルビジネスではありません。
私も韓国法人を持っています、この法人は日本とアジア諸国間で特許や技術をトレーディングする事業の他に日本法人のグローバルビジネスの支援を行います。
例えば、ある外国企業と取引を行う目的や外国から商品を輸入する目的で海外現地法人やブランチオフィスの必要性に迫られる時があります。
当社も韓国法人を設立するまでは在韓国のブランチオフィスとして日本法人の韓国支店の名目で20年前に登記し現地スタッフを雇っていました、このブランチオフィスはその国の税法や商法上の問題もあり支店であっても登記しなくてはいけません、そして利益に応じた税金をその国に納めなくてはならないのです。
また登記していない場合は法人口座も持てません、したがってその国で営利活動を行うことがそもそもできません。
本格的な事業開始する準備期間などにおいて日本からの指示で情報収集や荷物の発送、また取引先との連絡や打ち合わせなどだけ行ってほしい人が現地にいると大いに助かるということがあります、この現地法人の役割を数社でシェアすることで1社当たりのコストを大幅に下げることが可能です。
どこかのタイミングで30数年間という期間に、中国・韓国・台湾をはじめとした多くの国々と多種多彩なビジネスを行ってきた経験やノウハウをグローバルビジネス支援という形で活かすことを考えています。
グローバルビジネスをもし考えるのであれば一気に行うのではなくまずは現地で動ける人を探すことにあります、現地にいる信頼できる日本人であれば言葉の問題も無く安心できます。
兵法三十六計の「遠交近攻(えんこうきんこう)」という計は「遠くの国と交流するには近くの国から攻めろ」という教えです、徐々に近いところから広げていくことが肝要でありグローバルビジネスを考える経営者に必要なのは知識でもノウハウでもなくグローバルビジネスを推進できる身近にいる人材ということなのです。
ビジネス百戦錬磨のベテランでも顧問などに相談やお願いをしなくてはいけないときは多々あります、その際に重要なのは話す内容を1つに絞るということです。
あれもこれもと相談しても相談者は内容を理解するまでに時間がかかってしまいます、何を望んでいるのか何が優先なのかが解らず相手も回答をズバリとできなくなります。
1度の面談では1つの話し、これが有益な回答を得る方法です、勿論メールでの相談も同様であることは言うまでもありません。
複数の相談が有るなら優先順位を付けて一つ一つ順次行っていくのが効果的です、また株主や金融機関などへの相談も同様に都度タイムリーに一つだけ行うことが肝要です、貯めておいて一度に行うのは相手の事情を全く考えない自己都合を優先する人だと烙印を押されてしまいます。
都度時間を取らせるのは失礼だと考えるのは自分擁護の自己都合丸出しの思い込みでしかありません、相手にとっては都度行う方が日々の流れの中で処理できるのでストレスは無いのです、小さい事もまとめられれば解決にまとまった時間を取られるために大きな負担と感じるのは必然のことです。
「処置を遅らせた時間は期限の損失」というビジネスで最も大きなマイナス事項を喜ぶ決裁者はどこを探しても皆無です、この遅らせた期間に事情が変わり小さな問題も大きな問題に発展している可能性は否定できません、判断を遅らせるほどビジネスで大きなリスクは他に無いのです。
「相談はタイミングよく」、「オファーは一つ」という約束は、ビジネス全般における基本中の基本事項であり社会人教育では最初に教えるルールです、経営者であれば当然のこと心得て実践していなければならない事項です、社員は経営者の背中を見て学んでいるのです。
日本で働く外国人労働者が急増しています、その背景には若い世代の日本人労働者の減少と税収の減少に歯止めをかける目的での長期就労ビザの緩和化政策があげられます。
特に人口増加で職につけない人が増加傾向にある東南アジアの国の人々が日本に職を求めて多数押し寄せています、そんな中で在日外国人との接点も多く日本にいながらたくさんの外国人の知人友人を得ています。
諸外国の国内事情や在日外国籍の人ならではのビジネスも多数存在することも解ってきました、世はボーダーレス時代であり経営のダイバーシティ政策も必然といえば必然なのかもしれません。
特に信頼や信用を重んじる東南アジアの人々、まして外国で就労する人にとっては能力や知識よりも人間性や信頼関係が肝要となります。
20代から50を越える多くの国でビジネスを行ってきましたが、こんなところで経験が活かされるとは思ってもみなかったというのが正直な話しです。
どんな経験も無いよりも有った方が良いのです、でもしなくても良い経験はしない方が良いのです、その経験の内容によっては妙な知恵や思考が根付いてしまい警戒心の塊のような人もいます。
日本人は相手の考えが解らなくても大人の対応で笑ってスルーしてくれますが外国人相手ではこんな手法は通用しません、本心なのか建前なのか、本気なのか愛想なのかをズバリ問われてしまいます、本心を隠して外国人とのビジネスなどまずできないと思った方がよいでしょう。
本心を隠して建前が通用するのは世界広しといえ日本国内だけです、つまり日本だけが例外的に曖昧さを美徳としている文化の国なのです
これから日本人も常に本心で他者と真摯に向き合わざるを得ない時代が到来することになります、ボーダーレス時代には能力や経験ではなく人間性や信頼関係が大いに問われる時代です、日本国内のビジネスの価値観が大きく変化し始めています。
こんな時代のビジネス戦士には、視野を広げどんな人種や文化でも受け入れられる柔軟な包容力と人間力が必須となります。
日本の企業も遅らばせながらも、ようやく異文化を取り入れたダイバーシティ企業を目指し始めています、経営のテクニックを学ぶのも良いのですが、その前に人として学ぶべきものがたくさんあるのではないでしょうか?
経営者も人の子、ならば何を以っても人間関係や信頼関係が最重要であり必須事項なのです、上手く人間関係や信頼関係を構築できない人がビジネスで成功することなど有り得ないのです。
休暇の取り方について経営者に是非意識して欲しいことがあります、それは「市井の人と同じことをしない」ということです。
世間が休んでいるときにやり残した業務を奇麗に片付け、日頃できないサイトのリニューアルや各種資料の整理などを行っておく、こういう経営者は何時でも天の時に瞬間的にスタートダッシュをかけられるのです。
例えば夏休みが終わって動きやすい秋に厄介な業務が残っていたらどうでしょうか、冬と夏はその後の動きやすい春と秋の準備に勤しむ、この陰陽バランス感覚でのビジネス行動が上手くいく人といかない人を明確に二極分化するのです。
多くの経営者はサラリーマン時代の癖が抜けずに起業後も同じように週末や長期休暇を過ごしてしまいます、この一瞬の気の緩みが後にボディブローのように確実に効いてくる大きなブレーキとなるのです。
3日も休めば1ヶ月の思考のブレーキとなります、では経営者はいつ休めばいいのでしょうか?
世間が慌ただしく動いている春や秋の週日、誰も居なくなった観光地でそれまでに稼いだお金で繁忙期の半額以下の費用でゆっくりするのです、しかも季節は最高のリフレッシュシーズンです。
これが自由にできるのが経営者の特権というものなのです、起業したのに何故いつまでもサラリーマン思考を続けているのでしょうか、市井の人と同じように過ごしたいなら潔く法人など解散登記してサラリーマンに戻ればいいのです。
経営者になったら経営者としての愉しみ方を身につけて、大いに優越感を満喫してほしいと思います。