お金の話は聞く人によって、また状況によって様々で誤解を生むことが多々あります、その意味でお金に関する記事はできるだけ書かないようにしているのですが、どうしても伝えておきたいことがあります。
「お金で買えないものは沢山ある」、「世の中お金じゃない」と昔からよく言われます、私もそう思いますしけっして間違ってはいないと思います。
ただ、世の中奇麗事だけではやっていけないこともたくさんあることを理解してほしいのです。
例えば一念発起して起業したとします、そこで先ず躓くのが資金の問題です、事業資金が無ければやりたいことを我慢して最小限のできるところから始めるしかありません、資金の問題は思った以上に厳しいのです。
誰が言ったのかは思い出せませんが、「やりたいことが無いなら何をしてもお金を貯めることだ、やりたい事ができたときに何もできないから」というけだし名言があります、私も経験則から本当にその通りだと思います。
老後のことを考えずに貯蓄などの準備をしなかった自身が悪いのか、このところ生活苦から人知れず無縁死する老人が後を断ちません。
「金は天下の回りもの」とは言うものの、現代はそんな呑気に構えていられる時代ではないのです、少なくても私は「お金さえあれば良い人なのに」と思える人は何人も知っています。
「お金が全てじゃない」、されど何をするにも生きてくのさえお金が必要なのです、その現実問題から目をそらして偉そうなことを幾ら語っても、一時の慰めにはなっても生活の糧にはなりません。
経営者であるならお金の問題は避けては通れません、お金が無くては事業推進どころではなく目前の家賃や給与を支払うことすらできないのですから。
これまで各種の事業を興してきて一つだけ言えることがあります、それは事業の内容と成功するしないというのは一切関係ないということです。
上手く事業推進させればどんな業種でも儲かる事業を作り上げることは可能です、しかも誰がやってもです。
私はよく「経営は99%がテクニックで決まる」と言っています、事業を興すにアイデアも能力も全く関係ありません。
残念なことに上手くいかない人ほど経営テクニックを懐疑的に考えて学ぼうとしません、そして常に自分のやり方が正しいと頑なに変えようとしません、まずは意味の無いプライドを潔く捨てない限り経営テクニックを教えたとしても何の意味もないでしょう。
儲かる経営テクニックは難しいことではありません、ほんのちょっとした思考を変えるだけです。
ここで話せる範囲で重要なことは「経営はタイミングが最重要」ということです、儲かる経営テクニックを身体で記憶したうえで始動タイミングをじっと待てるかどうかで事業の成功が決まってしまいます。
多くの人は「思い立ったが吉日」ですぐ始めてしまいます、まずこの段階で将来は既に見えてしまっているのです。
そして撤退のタイミングは始動タイミングに比較して数段階も上のレベルにあります、自身で育てた事業を簡単に捨てられるものでないことは解ります、でも奇麗に終わらさせずに腐らせてしまったら一生後悔が残るというものです。
誰が何をビジネスにしようが儲かるビジネスは簡単に構築できます、幾つかの約束事を守りやるべきことをしっかりやって天の時をじっと待つだけでよいのです。
「若さ」を売りにする経営者がいますが、ズバリ若さは売りにはなりませんしマイナスに作用することを理解していただきたいと思います。
大きなビジネスや利益率が高いビジネスの多くは経験豊富な経営者が率いる企業が相手となります、ここで経験豊富な経営者は相手にも同等のビジネスマインドを求めてきます、その際に大きな要素が人生経験となることは至極当然のことです。
つまりは「若いな」と思われただけで機会損失となることなど世間一般的な常識です、これは業務もさることながら出資や提携などはもっとこの傾向が強くなります。
更には法人相手ではなく個人相手でも同じことです、航空会社や銀行などの世界のフラッグシップ企業(国を代表する企業)のCAやカスタマー担当を見てください、ファーストクラスや法人窓口には20年以上のベテランを揃えています。
若い方が得だと思うのはそれなりのステータスレベルの人しかビジネスの対象に考えていないという証拠です、世の多くの成功者や常識人は若さなどをビジネスやサービスに求めてはいません、それほど世の中甘くはないのです。
ビジネスに求められるのは信頼と経験からのノウハウです、そして年齢に相応しい「品格」が備わっているかです。
若さやパフォーマンスを売りにしている人には、それに飛びつく本物とは何かを知らないレベルの人しか寄ってきません、つまり若さやパフォーマンスを良しとするような人達による成功者とは程遠い怪しい謎の集団ができあがるだけです。
結論を言えば、まともなビジネスを本気で行いたいのであれば「若さ」を売りにしている時点で成功からどんどん離れていくと思った方がよいです。
「若さ」など武器でもなんでもなく、せいぜい失敗した時の「若気の至り」という言いわけにできるだけというのが関の山です。
そもそも若さを売りにしている人は他に武器がないからに他なりません、自身のささやかな誇りなどビジネスの世界には一切通用しないことを肝に銘じることです。
新規事が動き出すと必ず出てくるのが障壁と難題と伏兵という3つの試練です、これは長いビジネス経験上で言えば「極めて順調」な証です。
新しき事が動きだした直後に多くの障壁や難題が出る方がその後は順調に進展するものです、事業が完成し推進に移行した後に障壁と難題が押し寄せると事業が止まってしまう可能性もあります。
だから本格稼働が始まる前の障壁と難題はむしろ大歓迎なのです、ここで新規事を始めると障壁と難題が何故起きるかという法則を理解することが重要です。
そこには入念な調査と分析が行われているという証なのです、事前に調査を行う過程において障害や難題が当然のことのように起きてくるのです。
そもそもビジネスに計画通りということなど皆無です、逆に何も問題が発生していないということは何も進んでいないという裏返しでもあるのです。
物事の全てが陰陽表裏一体です、必ず善い事の裏には悪い事が隠れており、悪い事の裏には善い事が隠れているのです、そこをどう見極めどう思考するかが重要なポイントなのです。
最後に伏兵という怖い存在があります、伏兵とは新規事に災いをもたらす人材や身内のフリをして突然手のひらを返して競合他社に寝返るような人をいいます。
伏兵を出さないことが新規事の重要不可欠な要素です、パートナーを選択する際に充分な信頼関係が結ばれているのかを慎重に見極めることが肝要です。
自己利益を優先する人ほど初期の頃には身内のフリをします、しっかりと本質を見極めてから新規事業に参加させる必要があります。
ものづくり大国日本のビジネスの基本は「ものづくり」にあります、私もしばらく「ものづくり」事業から離れて少ない投資と少人数で行える経営コンサルティングを中心に行っていた時期がありましたが、本来の自分のフィールドである「ものづくり」事業を再び始動させました。
自身の中でも「ものづくり」事業こそが実業家と呼べると考えています、そんな「ものづくり」事業ですが、コンサルタント時代にも建築現場向け監視装置・ピザ生地製造装置・もつ鍋の顆粒スープ化などあらゆる業種からの相談がありました。
何処へ頼んだらよいのか、幾らの投資が必要なのか、販売価格は幾らが妥当なのかなど相談内容も多種多様です。
こういった相談に応えるのと合わせて、収支計画や資金調達も含めてワンストップでフルサポートする「ものづくり」事業支援のニーズは今後も絶えることがないと思うのです。
中小企業庁などでも昔から相談窓口はありますがアドバイスや紹介だけで具体的な施策は自身が行わなくてはなりません、そこが一番の課題なのです、事業経験の無い人のアドバイスほどいい加減なものはありません。
自身で事業経験をしていればステージごとに何が必要なのかは手に取るように解ります、だから曖昧なアドバイスではなく具体的な施策を示してあげられるのです。
「ものづくり」事業は製造だけではありません、商流や販促品・ポータルサイトに告知方法など、あらゆる事業推進に必要な事項が存在しています、これらを事前に指導し一緒に行動して早期に実現させることが肝要なのです。
自身が経験した成功事例を後継者に伝えていく、経営者として自身の使命をまっとうした後に考えてみるのもよいかもしれません、これも一つの成功経営者としての心得だと思うのです。