ようやく実用化されつつある産業用ブロックチェーン技術ですが、この産業用ブロックチェーンによって新たなる経済秩序が齎されようとしています。
例えばP2P取引は新たなる経済秩序を生む媒体という存在になる可能性が極めて高いです、P2P取引とは個人と個人が仲介者を介さずに相対(あいたい)取引を行い得たいものを得ていくという取引です。
つまり有益な能力や価値の在るものを持つ人は労働しなくても大きな利益を生んでいく可能性があるのです、オーバーな話しではなく1件の特許実施権と1棟のマンションの交換といったことが現実に起こり得てくるのです。
地球上にお金という媒体の誕生により労働生産性という秩序が生まれました、労働生産性とは一人の人間がその業務に従事したとして幾らの利益が生まれるかという概念です。
統計では農業や漁業の生産性は低く、金融やITといった付加価値サービス業がどの国でも高いものとなっています、しかし産業用ブロックチェーンによるP2P取引の誕生によってこれまでの過去の統計は全て意味の無いものとなります。
更には「労働」そのものの意味や「労働生産性」という価値そのものが成り立たなくなる可能性もあるのです、それは産業用ブロックチェーンによる経済秩序そのものが利益を生む媒体になるからです、つまりお金や時間を使わずに利益を生むという新たな秩序が生まれてくるのです。
人間はお金の無い時代にどのようにして欲しい物を得てきたのでしょうか、これが最大のヒントです、近未来にはお金で物を買うという秩序そのものが崩壊する可能性があります。
お金という物を買う媒体は持つ者と持たざる者を大きく差別化してきました、ではお金そのものが必要としない時代にはどんな人が飛躍するのでしょうか。
人間はお金という媒体を考えたことによって本来の平等な関係を崩壊させました、それはお金を使ってお金を生むという秩序が成り立つようになってしまったからです。
したがって現在の強弱の関係は持つお金の量によって齎されていると言っても過言ではありません、これが今後はお金という価値概念を問われる時代になってくると思うのです、それが産業用ブロックチェーンによるP2P取引が齎す新たな経済秩序です。
この新たなるお金の量ではなく価値の量による経済秩序、これをどのように捉えてどのように利用していくかでこの先の強弱関係が明確になって現れてくると予測しています。
「生まれ変わって頑張ります!」という人がいますが、その多くの人がその場だけの言葉で何も変わっていきません。
「生まれ変わる」とは簡単なことではありません、今まで得てきた物を全て投げ出してゼロからやるということなのですから。
人間は簡単に得た物を捨てることはできません、気持ちを切り変えたいという意味で言いたいのであれば「心機一転させて頑張ります!」程度が好ましいと思います。
自身にも大きなプレッシャーがかかることもないし、周囲にも妙な期待感を抱かせることもありません。
「心機一転」と言えば年始や月変わりはそのきっかけに都合のよいタイミングです、また契約締結など何かの節目を基点に行うことは私もよく使う手です。
重要なのは気持ちの問題ではなくて姿勢の表示とそれを継続させることです、これが自他共に「変わった」と認められる根拠となるのです。
何かを変えたら継続、何が起きても我慢、そして結果が出るのをじっと待つことです。
上手くビジネスを構築できるか、この大きなポイントは「儲かる仕組み」を構築できるか否かにかかってきます。
「儲かる仕組み」とは、自身の活動をどのようにしてお金に換えるかというマネタイズ手法でありビジネススキームそのものです。
ビジネススキームをまとめた事業計画書とは「どのような事業を行うか」というドキュメントではありません、「どのような事業を行いどのようにして利益を生み出していくか」という時系列的な行動計画とそれに伴うキャッシュフロー上の収支計画が織り込まれている必要があります。
起業家が直面する起業後の多くの課題はビジネススキームであり、その基にある「儲かる仕組み」の構築にあります。
「儲かる仕組み」を考える際に「何をもって」と考えると難しく考えてしまいがちです、「儲かる仕組み」作りの発想のヒントは自分の人脈です、どのような人が周囲にいるかを正確に把握することが重要です。
これは自身の周囲の人が自身の事業とどう関われるかという発想の最低限のベースとなります、不要な人などこの世にはいません、どんな人にも必ずその価値を見出すことで有益に自身のビジネスに関わってもらえるようになります。
もう一つは生まれてこれまで無事に生きてきたという実績そのものです、どんな人も失敗やトラブルや上手くいった喜びなどを経験しています、これらは学校の教育や資格なども含めてすべてが学んできたことです。
この自分がこれまで生きてきて学んできたことに価値を見出すことです、これが「自分ができることは何だろう?」という発想を生み出す最低限のベースとなります。
少なくてもビジネスは結果においての利益が重要です、「起業しておきながら利益がなくてもやりたいことができる」という発想は自身のビジネスに自信がない言い訳でしかありません。
そして「利益の出ないやりたいこと」とはビジネスではなくて趣味や道楽です、それであれば起業する目的をどこにも見出すことはできません。
「儲かる仕組み」、それは人脈と自身の経験をお金に換える方法を見つけだすことにあります、自分ではなかなかこれが難しいのです、どんな人も自分を客観的に見ることができないのですから。
まずは素直にそれを行うことができる人にお願いして期間をかけて経験を通して学ぶことです、これしか実績の無い人がビジネスで成功する方法はないのです、できない事をいくら頑張っても何も生むものはありません。
昔からの友人で過去30冊以上も著書を出しテレビや雑誌にもちょくちょく顔を出す国際問題を扱う評論家がいます、その活躍ぶりをテレビや雑誌で見ると年収は高くて海外での華麗な生活をイメージさせます。
でも実際は大きく異なり、海外での活動資金過多により常に借金返済に追われ普段の生活は困窮を極めています。
SNSなどでも同様に地方テレビに出演し雑誌に取り上げられ出版したなどと大いにPRをしている人を見るたびにその人の実態が垣間見えてしまいます、ハッキリ言ってテレビ出演や雑誌掲載に出版などというのは現代においては何も特別なことではありません。
地方テレビも含めれば数百人という一般人が毎日のように出演し、出版も統計では1日に700冊以上も出版されているのです。
現代は国民総タレント・国民総カリスマ・国民総有名人の時代です、そんな時代の成功者とは逆に顔は一切出さずに水面下で密かに儲けている人なのです。
海外旅行解禁当時のパイロットや国際線CAは旅費も高額だったせいか憧れの花形職業でした、しかし現在では管理職程度の収入であり小学生の「なりたい職業ランキング」でも下降の一途です。
メディアに出るのは今ではセールスポイントでもなんでもなく、むしろ知られたくない事実も暴かれ逆効果になる可能性が高いのです。
メディアに出ることが憧れであった遠い昔の幻を今もなお追っかけているのは経営者として感心しません、経営者の成功とは有名になることではありません、事業活動を通じて収益を上げることに尽きるのです。
見せる価値創造は遠い昔の話しです、これからはポストコロナの時代となり見せない価値創造が重要になっていくのです。
創業以来決算申告が完了する翌月の6月は大きな節目の月であり、起業40年の私にとっては正月よりも重要なビジネス初動の月になっています。
物理的には、梅雨の時期は大嫌いですが精神的には前向きにビジネスを考えられる大事な時期です。
面白いもので、この時期に起こる事がその後の流れを決めてしまうような前兆の時期でもあります、経営を長くやっているとリズムとか流れという感覚が肌で解るようになります、これはどんな理屈も通用しない最優先すべき事項であり他者には理解できない事項でもあるのです。
会社や人には特有のリズムがあります、こういった節目のときには「誰と何をしたか」、「どんな流れが起きたか」、「どんな問題が発生したか」ということがその後に大きな意味を持ってくることがあるのです、逆にこの時期に何も無かったときには1年間ほぼ何も起きずにステイディな1年となるのです。
私の場合は過去多くの事業提携をはじめとした各種の契約や特許出願などが何故かこの時期に集中しているのです、実績は一つの大きな根拠です、無意識の思考や流れというリズムを自覚することは不可能なことです、これは自分の顔を直接肉眼で見ることができないのと同じです。
しかし実績というエビデンスを見れば、自身の思考や流れというリズムを間接的に把握することが可能になります、これは自分自身と真摯に向き合い客観視できているということにもなります。
自分を正確に知ることは経営上極めて重要な事項だということだけではなく、人間関係を含めて人生を豊かなものにするために必須な事項だということを頭に入れておいていただきたいと思います。