経営状況は決算書に見事に反映されます、そしてその人の思考が見事に経営に反映されます、つまり経営者の思考がそのままその会社の数字として表れるのです。
利益とは売り上げから全経費を差し引いた残りであり、赤字になるのは経費が多いからではなく売り上げが少ないからに他なりません、経費とは売り上げを上げるための必要コストであり売り上げ原資(原価)でもあるのです。
経営計画とは家計簿とはまったく逆の別の次元に存在しています、これが多くの経営者が混同し正確に理解していないのには驚かされます。
家計とは一定の入金を前提にして何に幾ら使えるかという減算方式によるものです、経営とは計画の売り上げを上げるためには幾らの原資が必要になるかという加算方式による計画が肝要なのです。
「売り上げがないから経費を抑える」、このような主婦感覚での後ろ向き思考は更に経営を悪化させます。
ただし、売り上げを上げる為の積極的な施策をしながらのコスト削減を思考する経営改善計画にはこれは該当しません、意味の無い無駄な経費を抑えることは経営上極めて重要な事項です。
先の家計簿感覚では、売り上げるための必要原資を抑えるのですから売り上げ増なども期待できるはずもないという極めて単純な発想から起こる思考です。
前向きな人は積極的に売り上げを上げるための雇用増強や投資を行います、つまり瞬間的には大赤字になるのは当たり前なのです。
結果的に一時的な経費は増えても有効な施策を打ち出せ、あっという間に利益体質を作り上げていきます。
当社には昔から何人もの顧問がいます、そして何も利益に繋がらなくても報酬を払います、その理由は顧問はいざという時の保険であり取引先と良好なる信頼関係を維持するためと思考しているからです。
何もない平和なときは1年以上相談することもありません、でも有事のときには何でも相談できる頼りになる存在であればそれでよいのです、この存在が有るからこそ思い切った経営活動を安心して行えるのです。
その安心感によって年間1000万円の利益が生まれれば決して高い投資ではないと思います、「信頼と安心には惜しまずお金を使うこと」を明確に理解でき行動できる経営者が本物の経営者だと思います。
必要経費さえも惜しんで、結果不安を抱えながらの経営では誰が考えてもその会社の未来は既に見えています。
世の中には物事の本質を知らないが為に起こる「偏見」というものがあります、自分が経営をしているせいか特に事業家や経営者に対する偏見には見過ごせないものも多々あります。
中でも気になるのが、社員として雇われている人に多い「社長は怒られたことがないから怒られる人の気持ちが解らない」、「社長は他者の意見を聞かない」というものです、世の経営者を代弁すればこれらは「大いなる偏見」です。
まず「怒られたことがない」ですが実際は毎日何度となく怒られっぱなしです、特に第3者から出資を得ている企業の経営者は出資者などからホームページの内容に始まり当然のように営業成績や社員の行動に関することまで電話やメールで厳しい意見が寄せられます。
また、取引先からも同様にクレームがきます、担当者レベルでは納得がいかない場合には最終的に「社長に代われ」ということになります。
自社の社長が怒られたところを見たことがない社員は勘違いしているかもしれませんが、見えないところで社長は毎日怒られているのです。
また「人の意見を聞かない」というのは経営防衛上のことです、先述の様に出資者・銀行・取引先・社員とそれぞれの立場によるそれぞれの意見を全部聞いて実践していたら企業が持ちません、経営など全くできなくなります。
基本方針に合うのか、今計画中の事業に合うのか、会社の実態と計画に照らし合わせて意見を精査する必要があります。
「せっかく良い意見を言っているのに・・・」と言う人に言わせていただきます、それは「あなたにとって都合の良い意見」もしくは「あたなにとって理想とする意見」なのではないでしょうか?
もしも、それでも黙って採用してくれるとしたら今度はあなたがその意見を実践した結果に対してしっかりと責任を取らなければなりません、常識のある人なら当然判りますよね?
その意見を取り入れる為に相応の経済対価(開発費・人件費・時間)が使われるのです、それがどんな意見であってもです。
偏見があるのは致し方ないです、それは立場が違うが為の本質を知らないということですから、そしてそれは物事にはそれなりの理由があって今が存在しているということを理解できていないという証でもあるのです。
視野が狭いと見えているものだけに捉われます、世の中見えているものだけが全てではありません、見えないところに焦点を合わせられる人が次代を創造していくのです。
経営者は社員の意見や姿勢から逆に社員の人となりを冷静に観察しなければなりません、どんな社員が企業を成長させ安定経営を齎すのか、経営者の最大の業務は人事なのです。
誰にでもライバルの1人や2人はいると思います、そこでライバルにどうしても勝てないと思うとき原因が何処にあるのかを見極めなくてはいけません。
その理由の多くは、相手のフィールドもしくは相手の戦法で戦っているからではないでしょうか?
相手と同様の客層を狙っていませんか?
相手と同様の方法をとっていませんか?
どんな事でも自分の持ち味は自分が一番知っています、ただライバルに勝ちたいという一心で視野が狭くなってしまっているのです。
そして結果的に相手のフィールドや戦法で勝負をしてしまうのではないでしょうか?
自分の得意とする戦法であれば勝利し、相手の得意な戦法では負けてしまう、これは当然の結果です。
自分の最も得意とするフィールドと戦法で再度勝負をしてみましょう、成功している人は他者事などまったく視界にも入れず、自分のペースと勝利パターンをしっかり持ち常にぶれることなく粛々と実績を上げることができる人なのです。
こんな当たり前の事が経験が少ないと見えてこないものです、百戦錬磨の経験者は最大のライバルは自分自身であることを知っています。
経営者が考えなくてはいけない事項は「ライバルは作っても決して争うな」ということです、まさに「争いは百害有って一利無し」なのです。
真のライバルとは本来的には仲が良いものです、互いに切磋琢磨し自身を磨くための目標となるのですから。
どんな業界もライバル同士の競争美学によって業界全体が成長し繁栄してきたのです、経営者はこれを真に理解しなくてはいけません。
何事にも兆候というものがあります、長年経営を行っていると危ない会社の兆候が解るようになります。
危ない会社の兆候を幾つか上げてみましょう。
1.経営者と連絡が取れなくなる。
何度留守電を入れてもメールしても返事は一切なし、緊急の資金調達やら取引先への対応でてんてこ舞いなのでしょうか?
2.社員が次々と退社する。
正常な退社なら取引先などに挨拶するはずですが突如として行方知らずになる、多くは給与未払いや経営陣との関係悪化によるものと推測できます。
3.付き合いが悪くなる。
以前は食事や飲みに快く応じていた人が突然付き合いが悪くなったら要注意です、外部の人に会いたくないという理由は明確です。
以上はほんの基本的な事項ですが、これらのうち1つでも該当すれば充分に危機的状況にあると見ても間違いはないでしょう。
同時多発的に発祥する悪い噂や社長の付き合う人脈がコロコロ変わるなど、大小の変化は必ずその裏に何か根本的な問題があります。
平穏で上手くいっているときは企業も人もステイディ(安定)なのです、企業や経営者に変化が起きているということは急成長段階か危機的状況かの陰陽何れかなのです。
状態は陰陽異なりますが、短時間に仕組みや人が変わればそこには多くの将来への時限爆弾が知らないうちに生まれているのです。
この時限爆弾を早期に発見して排除できるか否か、どのような状況下でも経営者の危機察知能力と決断力は事業と社員を守る為には必須な能力と言えるでしょう。
「経営はテクニック99%+アイデア1%でありパッションなどは一切不要」などと事有るごとに話しをしています、これは正直な話しが極論を言っているに過ぎずその辺も含めて意味は都度説明しています。
テクニック99%とは、どんな良いアイデアでも事業化するためには資金調達から事業計画と行動計画という結果に結びつく具体的な戦略戦術そのものが重要だという意味で、B2Bビジネスを意図していることは想像に易しいと思います。
対してB2Cビジネスであればパッション100%でも食うだけの稼ぎは可能だとは思います、ただ私はB2Cビジネスを行う人とはビジネス上極力関わらない方針にしています。
B2Cの典型である協会ビジネスも、私の場合はB2Cというよりも組織を活用するB2B2Cビジネススキームを採用します。
法人格ではなく代表者が個人プレイで行うB2Cビジネスは法人ビジネスのスタイルとは言えず、私のような事業構築と事業推進を基本としたB2Bビジネス主体の事業家の守備範囲ではありません。
事業家の本来の取引先は最低でも年商1億円企業です、その顧客層であってはじめてB2Bビジネスとして双方の持てる能力を本領発揮できるというものです。
さてB2BビジネスでもB2Cビジネスでも経営者に不可欠と思える事項があります、それは経営者のメンタルの強さです。
メンタルが弱い人は何をやってもストレスを感じると「逃げ」てしまい、事業を成すなど夢のまた夢に終わってしまいます。
状況により明らかに表情が変わり周囲に自身の置かれた状況や会社の経営状況が丸見えになってしまいます、これでは上手くいくはずもありません。
考えてみても解ります、上手くいってないように見える人とどうして一緒にビジネスをやろうという気持ちになるでしょうか、ほとんどの人は運気が下がったような人には近づきたくもないというのが本音です。
メンタル面の耐性はとにかく厳しい状況の経験を積むしかありません、一度経験したことは必ず耐性ができます、これは人間の脳の特性でもあるからです。
幼少のころから嫌な事や辛い思いを耐え抜いてきた人は社会人になるや否やメンタルの強さが支えになります、対して幼少のころから常に嫌な事から逃げてきた人や逆に何の苦労もせずのほほんと過ごしてきた人は大した事でなくても逃避するか大きく落ち込み動けなくなってしまいます。
今では休眠している経営者成功道場の達人門下生には結果を保証するという誓約を以って愛弟子にしています、そして相手から離れていく以外は継続的に経済活動を支援しています。
門下生には覚悟とメンタル面を約半年間かけて確認します、その触りの確認だけでメンタル面の弱さを一瞬にして露見させてしまう人もいます、メンタルが弱いとまともなビジネスを行うこと自体が難しいからです。
時にメンタルが弱い人を誤って愛弟子にしてしまうこともあります、その時は私の責任において徹底してメンタル耐性作りから行うのですが結果はやはり時既に遅しの感があります。
ついて来れる人はほんのわずかで多くの人が自ら去っていきます、でも結果において本人も私にとってもそれが最も幸福なことであるのかもしれません。