経営者はみな個性的です、そんな個性というのか何というのか私が最も注意深く観察しているのは存在感というオーラにも似たエネルギー感です。
その空間に入ったとたんに強いオーラを感じる人がいます、しかしその人はただ座っているだけです、その人はそこに居るだけで存在感を強く出しているのです。
だいたいそんな人は話し方も穏やかで淡々と話しをします、しかし顔力というか押し出すような威圧パワーは凄いものを感じます。
私の経験上で言えるのは独特な存在感を放つ人は大きな成功を経験している人です、つまり存在感は自信と気持の余裕から生まれているように感じます。
いろんな経営者を観てきてはっきり言えることは、無理して自分の存在を表示している間は未熟さや稚拙さを周知させているということ、そしてそういう人がビジネスで成功した例は皆無だということです。
大きな成果を上げても常に謙虚な姿勢にその人の底知れないパワーを感じます、逆にちょっとでも有益な話しがきただけで結果を余所に周囲にアピールし大騒ぎする人にパワーを感じることはありません。
成功している人はどんなに有益な状況も結果が出るまでは冷静です、クロージングしてしっかりと利益が出ても常に謙虚で次の課題に既に思考が向いています。
類は友を呼ぶと言うように、成功した人は謙虚で飾らない人に対してビジネス嗅覚が刺激されます、なぜならそういう人が成功する可能性が高いと解っているからです、少なくても存在表示意識の強い人に嫌悪感を感じても魅力を感じることは一切ありません。
存在感を示す人から一目置かれるようになることです、こういう人が未来において成功するのです、そういう人からの見えない陰の存在感を後ろ盾にして。
私はプライベートのみならずビジネスにも情の部分を多々出してきました、やはりパートナーやクライアントが困った時にはルールや契約を曲げても最優先で助けてきました。
その結果において悪い方向へ行くこともありました、私の情のせいで社員やパートナーにも迷惑をかけたこともありました。
そんな自分に言い聞かすようにビジネスはある意味において非情を通すことを心がけています、自分の行いで自分がどんな目に遇おうが構いません、しかし社員やパートナーに迷惑がかかるのはやはり甘えとしか言いようがないと思うのです。
逆にビジネスを離れたところでは情を優先して人間くさく生きてバランスを取っています、自身が犠牲になっても一時的にも他者が救われるなら善いことだと思うようにしています。
周囲の人は、「本当にそれがその人の為になるかは別問題、またそれを善しとするのは偽善者だ」とも言います。
今の私はこれまでの多くの人の恩によって成り立っています、生まれた時はみんな裸です、何も持っては生まれてはきません。
人間とは成長するにつれ多くの人の縁や支援でいろいろな思考を身につけていきます、あの世に逝く時は何も持って逝けないのです、それであれば築き上げてきたものを他者に有効に使ってもらおう、そんな考えが私の中にあるのかもしれません。
最近は如何なる業種であっても「コンサルタント」と名乗る人が大手を振るようになり、コンサルタントの価値そのものが薄れてきたように思います。
そもそもコンサルタントとは企業における顧問を指します、コンサルティング企業の定義は企業の経営業務における問題の発見・課題の解決(ソリューション)・経営戦略の策定提案などを主な業務としクライアントである企業の業務効率化と営業拡大化を図ることを生業としている企業 のことを指します。
アメリカからコンサルティングというサービススキームが導入された時点では、公認会計士や中小企業診断士、また法務という専門分野では弁護士がその役割を果たしてきました。
しかしバブル崩壊後は通常の企業経営や法務の経験だけでは対応しきれない様々な課題が発生するようになり、経営・会計・法務などを統括してサポートできるコンサルティングが望まれるようになり、そういったニーズに呼応してコンサルティング企業が生まれました。
その意味では、コンサルティング企業には少なくても公認会計士と弁護士が在籍しているか嘱託として契約していなくてはなりません、加えて現代においては知財を扱える弁理士とデジタル化を促進するIT技術者が必須です。
コンサルティング企業に望まれる業務とはM&Aや権利問題などの外的要因への対応、新技術や新分野での最新の情報提供、経営者の意思決定の補助など経営者が誰にも相談できないことを経営者と一体となって経営課題を解決していくものです。
ここで法的にコンサルタントやコンサルティングと名乗ることはできない職種があります、それはクライアントが個人の場合と他の商品や商材を売るための相談業務を行う場合です。
例えば保険や不動産、旅行や健康食品など、相談や提案を無料とする代わりに本来のサービスや商品を売ることが最終目的である場合は営業行為そのものであり、それをコンサルティングと名乗ることは消費者に混乱を与え不利益な取引行為であり不法行為となる可能性があります。
また個人相手(代表者一人の法人や個人事業主も同様)のサービスの場合はそもそもコンサルティングの定義から外れていますので名乗ること自体が大変問題です、個人相手やサービスや商品を売るのが生業の人はアドバイザーに留めておくのが無難だということです。
何でも「**コンサルタント」という表示はそろそろ手を打たないととんでもないことになりそうです、本来の法人向けの経営向上を保証するコンサルティング企業は一般社団法人を設立し「コンサルティング」の定義化を行い似非コンサルタントへの警告や「コンサルタント」の使用禁止を訴えるべく連携を固めつつあります。
コンサルタントと名乗る人に各種業務を依頼しようと考えている場合は、これらのことを念頭に置いて相手をよく調査してから決定するようにしたいものです。
10年ほど前に地方拠点化を推し進める計画があり面白い調査をしました、それは全国の同業者と自治体や地方銀行などの中小企業支援団体とのコンタクトで、一つの地区で大小の企業や団体5~8社ほどと接触しました。
その調査方法は「もし当社がこの地で営業活動しようとしたら協業できますか?」と言う質問で、その反応が見事に面白い結果となりました。
同業他社が多種多様に犇めく地域と、ほとんど同業他社がいない地域は「大歓迎」ムードで協力的です。
そこそこの数の同業他社が存在する地域は露骨に難しい回答になります、更には10社以上に申し込んで1社も面談さえ受けてもらえない地域もありました。
少ないサンプルから結論は出しづらいのですが、ビジネスが絡むと上手く人間関係が構築できないこともあります。
ただ本気でその地にビジネスを生み出し貢献したいと思っています、その意味では歓迎されないところでビジネスをしたいとは思わないです。
もう一つ発見したことがあります、全国を飛び跳ねていて解ったことに地図の距離と移動時間はイコールではないということです。
飛行機で行けるところ、新幹線が通っているところ、双方無いところでは距離感と時間感覚がおかしくなるほど合わないです。
関東エリアの某地域へ行くのと、九州や北海道の中心的都市へ行くのと同じ時間で行けるというのを実際に経験してみると当たり前のことなのですが改めて交通インフラとは重要だと思った次第です。
地方拠点化や地方への転出の際には、その地を充分に調査することを念頭に置く必要がありそうです。
「高き志と覚悟を決めての起業」だと起業する際には皆さん熱い思いがあったに違いありません、ただ残念なことに起業する意味を勘違いしている人がいる現実があります。
「起業は夢実現のゴールではなくスタートである」、夢の実現を考えると起業はゴールではなくスタートに過ぎません、起業してからが本当の起業の意味と覚悟が問われることになるのです。
起業してからは本当の夢実現に向け粛々と各種の準備と有効な活動をしていかなくてはなりません、そしてその結果において自身のやりたいことで事業推進し利益を生んでいかなくてはならないのです。
起業することが目的ではありません、起業は目的達成の為の一つの入口に過ぎません。
起業して社長と呼ばれ、それだけで成功したと思い込み起業する前と同じ生活習慣と行動パターンに始終する人もいます。
それは本物の経営者マインドではありません、運が良くて一時のパフォーマーで終わります、起業したら本物の経営者を目指してほしいものです。
経営者とは資本家です、事務所を構え人を雇い経済循環を興し納税して社会に貢献すること、それが数年間もできないのであれば法人化する意味も必要もないと思います、事務所も構えず一人で稼ぐだけなら実質的にはフリーターと何も変わりません。
起業は人生のお飾りではありません、パフォーマンスに明け暮れ人気者になりたいだけの人や起業事実を別の意味での利益目的に利用している人がいる事実には悲しくなります。
名だけの起業家は、真面目に事業推進し社会に貢献しようとする資本家予備軍の人にとって害になっても利益にならない存在です。