当社の支援で法人化したクライアントさんからバッシングにより売り上げが大幅に減少して困っているという相談がありました、バッシングされているのは例の匿名で投稿できるBBS、確かにそのクライアントの個人名やビジネススキームの名称で検索するとトップに出てきます。
売り上げ推移表を見るとそのスレッドがローンチした時期と同期しており、申し込み者からの解約や振り込みしてこない人も多くなったと言います。
弁護士を通じて掲載の削除を求めたが応じてくれないということで、生活に支障が出るほど深刻な状況でした。
本人は投稿されている内容の事実無根を私に訴えますが、問題意識の方向が違うのではないかと思うのです。
対策手段は別としてバッシングされた人が最も考えなくてはいけないことがあります、それはバッシングされている内容が真実か否かということではありません、重要なのはバッシングされたという事実なのです。
つまり重要な真実は、バッシングされるような恨みを人に持たれてしまったということです。
まず深く反省し、そして犯人の目星がついているというのであれば早期に会って面と向かって真摯に話し合うべきです。
こういった人間関係の縺れに際して、自身は表面に出ず他者を介して解決しようとする行為もまた極めて感心できません、そういうところが更に恨みを増長させてしまうのです。
潔く、起きた事実を真摯に受け止め、自身の起こした問題であれば自身の手で解決させるという覚悟と姿勢と行動が重要なのです。
結局自身に不都合な事実が起きるのは全てが自身が行動してきた結果なのです、これを素直に認めることです。
バッシング問題の相談は少なくありません、SNS投稿を見て「事実を知って裏切られた」というような内容のメールが毎日のように届いて精神的に参っているという相談もありました。
そのメールを読ませてもらいましたが、確かに厳しい内容ですが実に冷静に書かれています、決して悪意があるような内容ではありません。
公開した記事は誰が見ているか解りません、責任ある表示や投稿に心がけることは経営者としての責務として当たり前のことなのです。
台風や暴風雨で海が大荒れでも、表面だけで実は水面から僅か10メートル以下のところでは平穏そのものです。
また逆に快晴で波も無く穏やかな海であっても、水面下では激しく海流がぶつかり合っている場合もあります。
人も会社も、実はこれに似た現象が多々あります。
勢いよく営業展開を行って経営陣も多忙を極めているが、その裏には多大な赤字脱出計画中で経営にまるで余裕ない状況であるかもしれません。
また表面上の動きが静かになった時は、水面下では余裕資金を使い成長路線に向けた大きな変化が起きているなんてことも珍しくはありません。
人も企業も、どんな現象においてもその表面と見えないところの実態とはイコールではないと思った方が無難です。
例えば支払いトラブルなどは被害者からクレームなどが出てきます、まだこの場合は相手の出方や動きが解るので実は怖くはないのです。
本当に怖いのは何度かのアクション後に動きが無くなったときです、確実にある策が水面下で動いていると思った方がよいでしょう。
人も企業も同じです、たとえクレームであっても言われているうちはまだ大丈夫なのです。
しかし、静かになった時は「諦めた」などと甘く見たら取り返しのつかないことになります。
相手はクレームの対処によって状況や態度を見極めています、言っても駄目なら言わなくても解決する方法を探ることになります。
クレームに対応するのが面倒だと逃げていたら本当に面倒なことになります、何事も逃げて解決することなんて有り得ないのです。
昔から「Noマンは会社を変える」などと言われています、企業発展には確かに無理なことは正直に「No」と言える社員は欠かせない存在です。
会議に関わらず社長や上司の方針に「Yes」ばかりでは企業は成長していきません、他者の考えに絶対や完璧というものはありません、欠点やおかしなところがあると思えるのであれば「No(異議)」を唱える事ができる人が企業を変えていくうえで重要な存在なのです。
また、その「No(異議)」を聞けない、聞こうとしない社長や上司では企業を正常に運営させ成長させることは難しいでしょう。
誰しも会社を良くしたいと願うのは当たり前なのです、その方法や施策に対してはそれぞれの考え方が異なるのもまた当然です、そこには新入社員も先輩も社長もありません。
つまり向上的に議論をする場合、「Yes」もあれば「No」もあって極自然なのです。
それぞれの考えや施策を討論することで、初期の発案が熟成され皆の協力を得られる皆のための施策となっていくのです。
したがって、この場合の「Yes」と「No」は同意語なのです。
ただし、発案に対して何の考えもなしに自分の都合悪い事などを理由にした反対意見、これは「No」ではありません、これは「No(異議)」でなく拒否である「Not」なのです。
「No」と「Not」は似て大いに異なるもの、また「Not」人間を放置している経営者は確実に組織を弱体化させます。
みんなで食事をするときに注文をなかなか決められない人がいます、プライベートであれば問題はないのですが、ビジネスでのパワーランチなどでは同席者を待たせることになります。
プライベートであれば食べたいものを注文するのは当たり前なのですが、ビジネスでは「食べたいもの」を優先させるのではなく、優先すべきは「人を待たせない」ということでありアレルギーなどで食べられないものがある場合を除き食事などどうでもよいくらいに考えなくてはなりません。
商談であれば完全にアウトです、ビジネスに自分の嗜好を優先し人を待たせる人間とこの先どのような有益なビジネスができようか、そう思われても仕方ありません。
ビジネスでの評価は自身の達成感や努力などは正直関係ありません、あくまでも相手に優先権があるのです、自分をどのように思われどのように価値判断されても全てが自身の行動という原因に起因するのです。
食事の場で注文するものがなかなか決まらない人が何故ビジネスで酷評されるかということですが、ビジネスとは全てがタイミングが最優先であるからです。
商談は価格よりも納期や期限が優先される場合が多いのです、期限通りに仕上がるなら高いお金を払ってもその業者にお願いすることなど珍しいことではありません。
安い方が良いという人はタイミング重視のビジネス最前線にいる人ではなく、正直個人事業主相手など小規模業務しかやってない人です。
ビジネスに決断の躊躇は致命傷です、やるかやらないかの判断が最優先であり詳細を決めるのはその後の話なのです。
それを詳細に確認してきて更に検討の時間を要求する、それを待っている間に他に頼むことになります、それがビジネスの世界なのです。
建築やIT業界などは特に納期遅れは致命傷です、返事を待っている間に当然他を当たられてしまいます。
ビジネスの世界で結論の先送りは100害有って1利無し、良く覚えておいていただきたい事項です。
芸術家やスポーツ選手など天才と言われるほどの人でもスランプという時期があります、そしてそれは経営者にも例外ではありません。
この時期は自分でも理解しがたいほど何をやっても上手くいかないのです、修正しようといろいろ試みるのですがどんどんひどくなる一方となります。
今までどおりの順調な時と同様のやり方で進めているのに相手の問題が突如として浮上してくる、またメイン銀行の方針が変わり期待していた融資が受けれなくなる、上手くいっていた取引先の担当者が変わり何かギクシャクしてきたなど、突如としてそれは表面化します。
理由を考えるものの最終的には「不運な時期」と思えるくらいしか何も無いのです、強いて理由を探すとすれば「変化の前兆を見逃していた」ということでしょうか。
さて、このような突如スランプに陥ったときにはどのように対処すべきなのでしょうか?
私が経験上アドバイスできることは「何もしないこと」です、つまり「どんな人にも必ずあるバイオリズムのようなもの」と腹を括ることが肝要です。
私も過去に自覚できるほどの大きなスランプは数回となく経験しています、そして数回目かのスランプで「何もしない」ことが最も早く無難にやり過ごせることが肌感覚として身についてきました。
それ以前は考えに考えあれこれと方針や手法を変えたり、とにかく自ら深みにはまっていったのをはっきりと記憶しています。
スランプを意識したら是非「抗わずに受け入れ決して何も変えない」戦法で受け流してください、必ずや自然消滅しますから。
じっと寒い冬を耐えれば春は必ず訪れます、何事も大自然の法則どおりなのです。
むしろスランプは成功者の証なのかもしれません、何故なら成功したことが無い人にはスランプという状況はありません、何故なら常に上手くいってないのですから。