自分が目標を作り進めてきたものが計画通りに実現すること、所謂これが「達成」というものです、しかし「達成」の本質を理解していないと思わぬ事態に翻弄させられてしまいます。
「達成」とは、「一つの自身の能力や選択の正誤が試されるきっかけに過ぎない」という意識が肝要です。
例えば進学・就職・結婚など人生において多くのイベントとその時点での選択があります、そして自分が望む学校に入学できた、望む会社に就職できた、望む人と結婚できた、これらも自分が望んだ通りになったという一つの「達成」です。
しかし「達成」した喜びは次の瞬間に自分の置かれた現実を目の当たりにして大きく変貌します、「達成」によって得られた結果とは自分にとってその目標が良かったのか悪かったのかがはっきり表面化してしまうことを意味します。
つまり「達成」とは、それまでの一連の行動の一つのゴールでもあり同時に一つの試練へのスタートに過ぎないのです。
解りやすく言うと「達成」とは相撲の力士が土俵に上がることだと思うのです、上がってしまったら引き下がる訳には行きません、引き下がるということは敵前逃亡という卑怯者のレッテルを貼られます、したがって勝つか負けるかの勝負を必然的に行わなければならないのです。
勝った場合は「達成」が「満足」に変わり本当の喜びとなり、負けた場合は「後悔」に変わり自分の無力・無能・未熟さに失望します。
「達成」とは実のところ、超現実的な結果が嫌がおうにも現れる一つの試練の幕開けに過ぎないとはこういうことです。
計画や目標の「達成」にわく喜び、それは決して悪いことではありません、大いに喜び祝うが良いでしょう、しかしそれはその一瞬だけに留めるべきなのです。
自分との戦いの幕は達成と同時に上がっているのです、土俵の上はごまかしが一切効きません、真の実力が表面化する場でもあるのです。
事業提携や業務提携などの契約締結、契約してからが本当の試練が始まるのだと強く意識することが肝要です。
上手くいかない人は契約達成で安心し本来すべき債務の履行を怠るのです、だから契約した時点よりも状況が悪化してしまうのです。
「何事も祭りの後には儲かるビジネスが待っている」、これは40年に渡る経営経験上確かに言えることです。
私が特許を武器にした事業戦略を繰り出したのが20年ほど前の話し、来るべく時代を先取りするように誰よりも早く特許を出願し事業に着手していました、その数90件以上で特許化したのが12件ありました。
しかし、結果的には一次的なブームは巻き起こるものの利益にはほとんど成らなかったという苦い経験を多数してきました。
その時に学んだのが「時期尚早」という事です、いち早く事業化するのは話題性もあってか業界ニュースなどにも取り上げられ時の人にはなります、しかし実際に儲かるのはそのブームが去った後に世のニーズに合わせて後から参入した大手企業なのです。
当然、特許抵触の問題も起きますが資金力にモノを言わせて特許権付きでの事業買収や特許の無効審判などを起こされてしまいました、多くの苦い経験を積んできた最近の私は次のブームを検知したら先ずは特許出願をする、これは以前と変わりませんがその後にちょっと工夫を凝らすようにしたのです。
特許出願と同時に自身で事業を起こすのではなく、組める相手を探して事業主体を大手企業に行わせるようにしたのです、大手企業は当然のこと組織で動きます、マーケティングリサーチから営業推進方法まで、そしてヒット戦略を充分に煮詰めてからブームを作り上げて行きます。
そのブームの作り方がもどかしいほどにじっくり慎重に、また充分なスケジュール感を持って行われます。
まずはブームを作り上げる、しかしこれは一過性のトライアル程度に考えているのです、そのトライアルを通して本格的な事業推進を組織力で進めていくのです。
当然、ブームを起こすとあらゆる企業が参入してきます、しかしこれは既に織り込み済みでむしろ無料の広告だと歓迎すらしています。
多くの企業が参入すれば必ず勝ち組と負け組が出てきます、その状況を冷静に見極めてから勝ち組の数社と事業提携し、そして一気に業界を形成していくのです。
上手くいかない人の多くはこのブーム(祭り)に踊らされる人、上手くいく人はブームの後を参入タイミングとして予め準備を行っている人ということになります。
SNSも同じこと、皆がブームに乗ってやっている間は静観するのが良いのかもしれません、ビジネスには程遠いブームに乗るだけの人が多数いますから。
そしてブームが去った後に残る人、これが本気でSNSを有効にビジネスに使える人なのです、だからその時に本格的に有効利用する人は勝ち組と自然に出会うことができるのです。
ブームに乗るは普通の人、儲ける人はブームの去った後をじっくり見極めてから参入する人ということです、しかも単独では行わずに組織力を持って行う、これは極めて重要な事項なのです。
どの業界にも何でも器用にこなす人がいます、いろんな事ができるしいろんな事を知っています、だから周囲にも一目置かれます。
ビジネスでは企画や営業もコンサルティングやマネジメントも、それなりの評価で結果もそれなりに出します、こういう人をマルチプレーヤーと呼びます。
でもいざという時に頼りにされるのはその分野の専門家であって、決してマルチプレーヤーではありません。
その専門家は職人的な技と肌感覚を持っています、その分野の経験は人一倍持っており誰も入り込む隙も無いというような人です、こういう人をスペシャリストと呼びます。
通常マルチプレーヤーは平和な時であればスターです、しかしいざという時には何でも器用にこなすマルチプレーヤーではなくその業界に絶対的且つ圧倒的な力を持つスペシャリストが不可欠です。
何れにしても企業にはこの双方がいれば安泰です、それぞれの特徴に応じて適材適所が図れる企業は本当に強いです。
ただ世の中には複数のカテゴリにおいてスペシャリストと呼べる人がいます、つまりマルチスペシャリストです、こういう人は決して人の下では上手くいきません、独立するのがよろしいかと思います。
何をやっても上手くいく人は「もう無理」と思った瞬間に更に自分に鞭を入れて頑張れる人です、仕事で疲れて酒を飲んで帰り今にも寝堕ちそうな時でもPCの前に座りその日気になったことを検索して学びます。
このたったの数分間が、5年10年と年月を重ねることで極めて大きな差となって表れるのです。
ビジネスを上手く回している人は決して運が良いのではありません、見えないところでの努力の積み重ねによる結果なのです、上手くいかない人に限って自分に厳しいことを一切行わないし自分を甘やかしては学びもせず現状に流されているのです。
現状に満足するのは自分に厳しくしている人の行動を肯定した瞬間に自身の甘さを認めざるを得なくなります、だから自分に厳しくする人を認めようとしないのです。
もう何人見てきたことでしょうか、こういう人は数回会えば解ります、その人の将来がどうなるかも手に取るように解ります、「頑張らなくていいよ」とか「今のままでいいよ」という慰めは決して他者に向けられたものではなく自分自身に対してです。
今は何の実績も無くても、何事にも自身を追い込んでストイックに頑張れる人は本当に最後に笑える人です、これもまた例外はありません。
普通の人の感覚で普通の人と同じことをやってるから、いつまで経っても普通の人であって成功とは無縁の中で普通の人で終わるのです。
いきなりの結論ですが、難しい商談はできるだけ午後1時から3時ごろまでに行うようにすると効果があります。
もしくは、お昼や夕食時間帯にレストランや懐石料理店で食事しながらの商談でも効果が期待できます。
人間に限らず動物であれば腹が減っていると意味も無くイライラするものです、したがって特に難しい商談の場合は昼食後、もしくは食事しながらが最適なのです。
普段不機嫌な人も「まあ、やってみるか」と前進する可能性が極めて高くなります、更に互いに良く知った仲なら、落ち着いたお店でゆったりと昼食や夕食をしながらの商談や契約ごとを行うと不思議に良い方向へ進んでいきます。
レストランでは体裁を考え大きな声も上げられないし、高級店であればあるほど程良い緊張度も高まり真剣に論議ができます。
またそういう高級感ある雰囲気の中では、人は気持ちも一回り大きくなるようで多少の無理も聞いてもらえる可能性が高くなります。
ただし食後は逆に胃に血液が回って頭の回転が悪くなるようですから、技術的な課題や詳細な設計などの会議には向きません、技術系の細かな打ち合わせなら腹が減っている状況の方が白熱した会議となることでしょう。
会議の内容で時間や方法を変えてみると、今まで上手くいかなかったビジネスも意外と上手く運ぶことに繋がるのです。
多くの成功者はこういった肌感覚がしっかりと身についているものです、これも経験からくる貴重なノウハウの一つです。