2023年8月23日 09:00
最近は如何なる業種であっても「コンサルタント」と名乗る人が大手を振るようになり、コンサルタントの価値そのものが薄れてきたように思います。
そもそもコンサルタントとは企業における顧問を指します、コンサルティング企業の定義は企業の経営業務における問題の発見・課題の解決(ソリューション)・経営戦略の策定提案などを主な業務としクライアントである企業の業務効率化と営業拡大化を図ることを生業としている企業 のことを指します。
アメリカからコンサルティングというサービススキームが導入された時点では、公認会計士や中小企業診断士、また法務という専門分野では弁護士がその役割を果たしてきました。
しかしバブル崩壊後は通常の企業経営や法務の経験だけでは対応しきれない様々な課題が発生するようになり、経営・会計・法務などを統括してサポートできるコンサルティングが望まれるようになり、そういったニーズに呼応してコンサルティング企業が生まれました。
その意味では、コンサルティング企業には少なくても公認会計士と弁護士が在籍しているか嘱託として契約していなくてはなりません、加えて現代においては知財を扱える弁理士とデジタル化を促進するIT技術者が必須です。
コンサルティング企業に望まれる業務とはM&Aや権利問題などの外的要因への対応、新技術や新分野での最新の情報提供、経営者の意思決定の補助など経営者が誰にも相談できないことを経営者と一体となって経営課題を解決していくものです。
ここで法的にコンサルタントやコンサルティングと名乗ることはできない職種があります、それはクライアントが個人の場合と他の商品や商材を売るための相談業務を行う場合です。
例えば保険や不動産、旅行や健康食品など、相談や提案を無料とする代わりに本来のサービスや商品を売ることが最終目的である場合は営業行為そのものであり、それをコンサルティングと名乗ることは消費者に混乱を与え不利益な取引行為であり不法行為となる可能性があります。
また個人相手(代表者一人の法人や個人事業主も同様)のサービスの場合はそもそもコンサルティングの定義から外れていますので名乗ること自体が大変問題です、個人相手やサービスや商品を売るのが生業の人はアドバイザーに留めておくのが無難だということです。
何でも「**コンサルタント」という表示はそろそろ手を打たないととんでもないことになりそうです、本来の法人向けの経営向上を保証するコンサルティング企業は一般社団法人を設立し「コンサルティング」の定義化を行い似非コンサルタントへの警告や「コンサルタント」の使用禁止を訴えるべく連携を固めつつあります。
コンサルタントと名乗る人に各種業務を依頼しようと考えている場合は、これらのことを念頭に置いて相手をよく調査してから決定するようにしたいものです。