2024年8月 3日 08:00
よく聞く「完熟野菜」、しかし本当に完熟した野菜は葉ものは硬くて実ものはスカスカで種が気になり、とても食べられるようなものではありません。
トウモロコシなどは石のように実が硬くなります、つまり種そのものです。
ということで、市場に出回る野菜の全てが未熟なもので日持ちを重要視されている感が強いのは否めません。
しかし、完熟とは行かないまでも食べられる範囲での熟した野菜は本当に美味しいのです。
日本の野菜の多くは未熟野菜です、この理由は生産者の都合ということも忘れてはなりません。
例えば、ピーマンには抗酸化作用が有ると認められるビタミンＡ、ビタミンＣ、ビタミンＥが豊富であり、加熱処理してもこれらの物質が失われにくいという特徴があります。
これは青いピーマンよりも、熟成して赤く色付いたピーマンの方が３～４倍に跳ね上がります。
つまり、熟したピーマン１個で青い未熟なピーマンを３～４個食べたのと同じ効果が期待できると言う事になります。
更には熟したピーマンにはあの独特の青臭さやエグ味がなく甘く食べやすいのです、子供でも嫌いにならない味をしています。
またキャベツや白菜なども少し熟したものは多少硬いのですが甘くて美味しいのです、栄養価も同様に花の咲く直前には最も豊富になります。
これほど熟した野菜の良さが解っているにも関わらず、市場には一切出回らず生産者だけの特権になっているのです。
理由の一つには生産量があげられます。
熟成させるには倍の時間がかかり栄養素も一つの実に奪われるため量も採れません、したがって青いうちにどんどん収穫して栄養が回るようにして生産量全体を押し上げているのです
もう一つには、元来日本では「若い＝新鮮」という食文化が有るように思えます。
世界に出れば解る事ですが、野菜はキュウリなどのウリ科、トマトやナスなどのナス科など、多くの野菜が黄色や赤に色着いた熟したものが好まれています。
栄養価が高く美味しく育った野菜、手軽に食卓で食べられるようにしたいと強く思うのです。
私は信州で育ち、野菜と言えば近所の農家の人が取れ過ぎたり熟しすぎて出荷できないものを家の前に置いて行ってくれました。
ですから、子供のころから野菜は全て熟したものを食べていました。
キュウリにトマト、ナスにカボチャ、正直味も食感も現在売られているものとは別次元のものです。
多少は高価ても良い、美味しい栄養価の高い熟した野菜を日本で普通に食べられる日が来る事を祈るばかりです。
