「フィトケミカル」(ファイトケミカル)は植物に含まれる天然の化学物質の総称です。
ヒポクラテスが柳の葉を解熱などの治療に用いて効果を示し、これがその後にヤナギの葉から成分を精製してアスピリンの原料となり、世界で一番売れている薬になった例はあまりにも有名な話しです。
現在用いられている「フィトケミカル」と呼ばれる多くは、治療と言うよりも摂取すれば健康に良いと言われる成分を指します。
その多くはポリフェノールの一種で、フルーツ・豆類・ナッツ類・スパイス・野草(ハーブ)に多く見られます。
ただし、その成分の正確な根拠は未だに確立されてはいるわけではありません。
ただ、風の予防・癌予防・消炎・免疫力向上・視力向上など、実際にフィトケミカルがどのようなメカニズムによって効いているのかの確証はないのですが、効果としては認められているものも多く、今後更に研究が進む分野として注目されている事は確かなところです。
現在、分類されているフィトケミカルは以下のようなものがあります。
・フラボノイド
・アントシアニン
・イソフラボン
・セサミノール
・クルクミン
・イソチオシアネート類
・スルフォラファン
・メチルシステインスルホキシド
・アリシン(アリイン)
・カロチノイド類
・ルテイン
・リコピン
・リモネン
・フィトステロール(フィトステロイド)
・サポニン
・ β-グルカン
・カプサイシン
・ジンゲロール
など。
皆さんもはサプリメントなどによって、多分聞いた事のある成分かと思います。
これらは、何も特殊な植物ではなく、ブルーベリーなどのベリー類やトマト、ゴマにショウガやトウガラシなど、極普通に食べられているものに含まれています。
もの凄く大局的な話をすると、色の濃い野菜やフルーツ、キノコ類、苦みや辛みの強いスパイスやハーブ、油成分が多いナッツやゴマなどの種には、少なからずフィトケミカルが含まれていると思って間違いないでしょう。
健康維持を考えた場合、これらを意識して毎日食事に数種類を取り入れてみるのも方法の一つかと思います。
塩は、人間が生きていくために欠かせないものであることは説明するまでもないでしょう。
さて、現在人が口にしている塩(食塩)には以下の3種類があります。
・天然塩
海塩、岩塩、湖塩など天然に採取できる塩。
・再生塩
岩塩などを洗浄後にミネラル分を添加した天然塩に成分が近い塩。
・精製塩
人工的に海水などから作られた塩。
人間にとって必須成分である塩の歴史は、常に政治や経済の道具にされ明治には配給制となり戦後もしばらく続きました。
戦後の成長期には工業用塩が多量に不足したため、日本はそれまでの海水から作られてきた塩製法を「イオン交換膜製塩法」に切り替えました。
この結果、非常に塩が安価に製造できるようになり、更にこの塩を食塩として販売できるようにしたため現在の食塩のほとんどがこの精製塩になったという歴史があります。
さて精製塩はイオン交換膜製造工程で塩素とナトリウム以外のミネラル成分が落ち、確かに海水から作られた塩なのですが成分的には天然の塩とは別物であり、我々が口にしている多くの塩は人工的に作られた「塩化ナトリウム」ということになります。
再生塩も洗浄とその後のミネラル添加工程で天然塩とは若干異なる成分の塩となります。
地球生命体は海で生まれました、したがって人間にも海水と同じ各種ミネラルが必要としています。
海水の成分は。
水 96.6%
塩化ナトリウム 2.64%
塩化マグネシウム 0.33%
硫酸マグネシウム 0.21%
硫酸カルシウム 0.14%
塩化カリウム 0.07%
その他ミネラル分
つまり、塩から得られるはずの多くの微量ミネラルは不足してきます、これが高血圧やその他の疾病を促していると言われてきました。
更に近年には、塩そのものが悪者かのような減塩ブームで、塩分を減らしても美味しく感じるようにと多くの化学調味料や腐敗防止の目的で防腐剤が大量に加工食品に含まれるようになってしまいました。
前述のように、塩は人間にとって必要不可欠な成分です、ただミネラル分の除かれた「塩化ナトリウム」の過剰摂取が問題なだけなのです。
塩に関しては、健康を意識するなら多少高くても天然のものを使いたいですね。
価格的には、精製塩が1とするなら再生塩が2~3、天然塩が10程度、それでも並みの天然塩で1Kgで2000円程度です、これで健康になるなら安い物だと思います。
ちなみに、人間も含めた脊椎動物の塩分濃度は0.8%~0.9%です。
これは、生命が生まれた時の地球の海水の塩分濃度だと推測されています、つまり現在の海水を4倍に薄めたくらいの塩分濃度の食品は美味しく感じるのです。
ある種のビタミンサプリメントは、健康を促し寿命を延ばすどころか寿命を縮める危険性があることをコペンハーゲン大学研究院から研究報告がなされました。
この研究報告は、サプリメントを愛用している約23万人からデータを集め、67項目に渡る研究結果を示しました。
この中で注目すべきは死亡リスクの上昇という項目で、何とビタミンAで16%、ベータカロチンで7%、ビタミンEで4%の死亡リスクが上昇するというものでした。
尚、ビタミンCや他のビタミン類ではこの傾向は無いとされています。
ビタミンAやベータカロチン、またビタミンEに共通する効果として「抗酸化」とうたわれる活性酸素を体内から除去する物質であり、その他さまざまな病気の予防に繋がると長い間言われ続けてきました。
この結果から推測されているのは本来の人間に備わっている防御力が弱まるためではないかということで、まだ仮説の領域ですが23万人の統計という根拠は看過することはできません。
ビタミンAやベータカロチン、これらは人間にとって必要な栄養素でり無くてはならない成分です。
しかしこれらは、一般的な生活を行う人であれば日常の食事から充分な量を摂取できている成分だと結論付けされています。
これを更にサプリメントにより摂取することは過剰摂取に繋がり、この過剰摂取により本来の期待する効果が逆に身体に負担をかけている、そんな警告にも似た今回の報告は流石に私も驚きを隠せません。
これらの報告を読んで、ビタミンやミネラルは人工的に生成されたものではなく自然から摂取すべきと考えさせられます。
自然の食品からであれば、過剰摂取しても必要量以外は吸収されずに排出されるだけですから害を及ぼす可能性は極めて少なくなります。
この論文の検証はこれから行われていくでしょう、したがって今の段階で結論付けすることはできません。
ただ抗酸化サプリメント業界に、研究機関から「物言い」が付いた事だけは確かな事実なのです。
「肉はダイエット食品です」、と言われるとほぼすべての人は耳を疑います。
それもそのはずです、何故なら肉に含まれる重要な成分であるLカルニチンの研究成果が発表されたのはつい最近のことなのですから。
さて、この肉に含まれているLカルニチンは、アミノ酸の一種で必須アミノ酸のリジンとメチオニンが肝臓で合成されタンパク質には変化せず、体内を動き回る遊離アミノ酸として存在しています。
このLカルニンチンは肉に多量に含まれており、脂肪代謝に大きく関与しLカルニチンを多く摂取すれば食事の脂肪分は勿論、体内に蓄えられた内臓脂肪などもエネルギーに変えダイエットに繋がります。
Lカルニチンが多く含まれる食品は先述のとおり肉で、1Kg辺り最も多いのが羊肉で2100mg、ついで牛肉が700mg、豚肉300mgとなっています。
ちなみにキャベツやタマネギなどの野菜には全く含まれていません、ナス類には若干含まれていますが中でもトマトが30mgで最大という程度です。
羊肉料理はカロリーが半端なく高いのですが、それ以上にLカロニチンで脂肪代謝を促し太るということはあまり考えられません、最近「羊肉は健康と美容によい」と言われるのも頷けます。
ここで追記ですが、ダイエットに最も危険なのが「カロリー計算」による安心感です。
太ることとカロリーは一致しません、カロリーが高くてもダイエットに繋がる食品は多数あります、要はダイエットはカロリーではなく何を食べるかなのです。
肉が主食の欧米人、太っている人が多いという印象ですがスマートな体系の人も多いでしょう。
つまり太る理由は脂肪ではなく炭水化物と糖分の過剰摂取によるものなのです、糖は最終的に脂肪となり体内に蓄積されます。
肉はつい最近まで「健康に悪い」という偏見が根付いてしまったのですが、正確な情報で本当の健康を手に入れてほしいものです。
20種のアミノ酸、これは身体の細胞を作るための材料です、このうち9種は必須アミノ酸と呼ばれ体内では生成されず肉でしか得られません。
肉類を食べない人は自分自身の内臓や組織を削って新しい細胞を作ります、したがって肉を食べないと内出血・肌荒れ・脱毛や爪の変形・内臓に穴が空いてしまった例なども報告されています。
ただ、何度も言いますが肉だけでは身体は作られても健康を維持できません、野菜からのビタミン類やミネラル、これも人間にとっては重要な栄養素なのです。
バランスのとれた食事は健康と長寿の薬、これからもどんどん正確な情報をお届けして行きます。
前回、体温を上げる方法として脂肪燃焼を行う筋肉を付ける重要性をお話ししました、そして今回は身体を温める食品や食事についてお話しいたします。
体温を高める食品は多数ありますが、皮膚疾患との兼ね合いも考えないといけません、そういう意味ではお奨めする一つは「ショウガ」です。
ショウガは、身体を温めるだけではなく強い殺菌効果や消炎効果のある成分である、ジンゲロール、ジンゲロン、ショウガオールなどのショウガを由来とした薬効成分が多量に含まれています。
この発見は、16世紀に起きたイギリスでのペストの大流行でロンドン市民の30%の人々が命を落としました、このときにショウガを食べている人はペストから免れたという報告から研究されたものです。
特に冬には、韓国ではショウガ茶が好まれて飲まれています、ショウガのスライスをハチミツに漬けたものをお湯に溶かして飲みます、就寝前に飲むと身体が温まるばかりか精神安定の働きもあり熟睡できるそうです。
また、風邪の予防にもなるということで、最近では手軽に飲めるインスタントも売られています。
「たんぽぽ普及協会」では、身体を温める効果のある「タンポポ茶」を研究しています。
タンポポの根は「蒲公英」という漢方薬で、妊産婦の身体の冷え防止薬として昔から処方されているほどです、もっと身近に「タンポポ茶」を普及させたいと思います。
この他にも、ニンニクやタマネギなどネギ類も身体を温め、更には抗酸化作用で免疫力が増強し、皮膚疾患には有効な食品です。
皮膚疾患の人は、野菜を好んで食べる菜食主義の人が多く見受けられますが、生野菜は酵素を得る意味では重要ですが、特にグリーンサラダなど葉野菜の生は身体を冷やすので注意が必要です。
サラダであれば、軽く茹でたブロッコリを中心にした温野菜サラダがお奨めです。
ブロッコリは、スプラウトと共にビタミンAとビタミンCが多量に含まれ、皮膚や粘膜の抵抗力増強になるばかりかキャベツから改良された野菜だけに、ビタミンUも含まれ胃腸壁の修復など消化器官に優しい大変優れた食材です。
最後に、肉は身体を作り温める重要な食材です。
アトピーなどで抵抗がある人は、じっくり煮込んだカレーやシチューがお奨めです。
煮込みながら余計な脂肪分を取り除き、箸で割れるくらいまで煮込めば消化を助け身体にもそれほど負担がないでしょう。
それ以上に、羊肉や牛肉などは身体に溜まった脂肪酸を分解燃焼させ熱に換えるLカルニチンを多量に含みます、この効果に期待して肉を上手く摂る方法を試してみてほしいと思います。