生成AIがビジネスにどう影響を与えているのか。 いま起きているのは限られた人が使う便利ツールが増えたという話ではありません。 文章・資料・開発といった日常業務の中に生成AIを使うことが前提になってきたという変化です。 下書きや整理をAIに渡す人が増えた結果、アウトプットの速さと品質の基準が少しずつ上がっているのを感じます。
たとえば汎用AIの代表がChatGPTとGeminiです。 どちらも相談相手として優秀ですが、本質は「考える時間を短縮する道具」になった点にあります。 ゼロから文章を書くのではなく、目的、読者、要点を渡して骨子を作らせ、叩き台を先に出す。 メール、提案書、議事録、社内共有文書など、初速が上がるだけで仕事の効率は良くなります。 人間がやるべきことは、内容の正しさと優先度を判断し、最終責任を持つことになっています。
プレゼンや説明資料の領域でも同じことが起きています。 NotebookLMのように資料やURLを与えると、内容を読み取り、要点を整理し、説明の順番や台本の叩き台まで作れます。 動画編集のスキル以前に、「何をどう説明するか」を整える工程が一番重要で、そして重い。 その前工程が短くなることで、説明資料や動画は作れる人だけの仕事ではなくなってきました。
開発の現場ではCodexの価値が分かりやすいです。 単にコード生成が速いだけではありません。 既存コードベースを前提に「どのファイルを触るか」「影響範囲はどこか」を洗い出し、APIのI/Fやデータ構造、バリデーション、例外系まで含めて実装の骨格を組み立てる。 さらに、変更内容に沿ったテストの雛形や確認観点を用意し、差分としてまとめるところまで進められます。 そのぶん人間は設計判断と差分レビューに集中でき、結果として手戻りが減ります。
ただし注意点もあります。 生成AIは万能ではなく誤りも混ざります。 その領域の基礎知識がないまま使うと、出力を評価できず間違いを見逃します。 だからこそ今後の差は「生成できるか」ではなく「判断できるか」に移ってくるでしょう。
では、出力を判断できる人になるには何を身につければいいのか。 結局のところ答えはシンプルで基礎知識です。 生成AIが当たり前になるほど、学ばなくていい時代になるのではなく、学び続ける人がさらに差を広げる時代になっていきます。
2025年ももう暮れですが、今年は AI が当たり前になった年として記憶に残りそうです。
生成AIの世界では、OpenAIがGPT-4.1に続いてGPT-5、さらにGPT-5.1を投入し、チャットボットを越えて仕事や学習のインフラのような存在へと押し上げました。 GPT-5は高い性能を持つ一方で、「会話が少し冷たくなった」と感じるユーザーの声も多く旧モデルに戻す動きもありました。 それを受けて登場したGPT-5.1では指示への従順さだけでなく話していて心地よいことも重視した改良が加えられています。
OpenAIだけでなくGoogleもGemini2.0からGemini3へと世代交代を進めました。 Geminiは検索やGoogle Workspace、そしてNotebookLMと組み合わされ、はじめから日常の仕事の中に溶け込む形で展開されています。 一方で、中国発のDeepSeekは、高性能なモデルをオープンウェイトかつ低コストで提供した点が大きな衝撃でした。 その台頭は性能面だけでなくどの国の事業者にどこまでデータを預けてよいのかという情報管理の問題を企業や政府に強く意識させるきっかけにもなりました。
便利さが増した一方で、チャットボットに悩み相談や日々の意思決定を大きく依存してしまうAI依存の懸念も、はっきりと語られるようになりました。AIとどう距離を取るかどこまで任せるかという付き合い方は、2026年以降の重要なテーマになってきそうです。
一方で2025年は生成AIだけでなく、物理世界で動くフィジカルAIが一気に存在感を増した年でもあります。 もともとデジタルツインの概念自体は2000年代からありますが、工場や倉庫を精密に仮想空間に再現し、その中でロボットを学習させてから現実のラインに展開するという流れがいよいよ本格的な実証・導入フェーズに入ってきました。
各国では、押されても自らバランスを取り戻し、人と同じ空間で作業できるヒューマノイドロボットの開発競争が激しくなっています。 中国勢の勢いが目立つ一方で、日本でも産業用ロボットのファナックがNVIDIAと組み、フィジカルAI/デジタルツインの取り組みを打ち出しました。 安川電機もNVIDIAのプラットフォームを活用しながらソフトバンクと連携し、オフィス向けのPhysical AIロボットの実証を始めるなど、日本発のフィジカルAIも動き出しています。
こうした動きが進めばGPTやGeminiのような生成AIが「頭脳」として、フィジカルAIやヒューマノイドが「身体」として結びついていくのは時間の問題です。 自律的に会話し、状況に応じて判断しながら動き回るロボットが工場やオフィスそしていずれは家庭にも入ってくるでしょう。
もちろん実際の普及には、安全性、法規制、倫理、雇用への影響など、まだまだ乗り越えるべき課題が山積しています。それでもまずは一部の工場や実証現場から、ヒューマノイドやフィジカルAIの導入が着実に進んでいきそうです。私たち一人ひとりも、AIを特別なものとして恐れるのではなく、どのように付き合い、どこまで任せるのかを考える段階に入ってきたのだと感じます。
高市政権の政策の一つとして、日本成長戦略本部が掲げる17の戦略分野への重点投資があります。 その分野は、AI・半導体、造船、量子、バイオ、航空・宇宙、デジタル・サイバーセキュリティ、コンテンツ、フードテック、資源エネルギーGX、防災・国土強靱化、創薬・先端医療、核融合、重要鉱物、港湾ロジスティクス、防衛、情報通信、海洋です。
いずれも重要な分野ですが、この中でも特にAI・半導体、デジタル・サイバーセキュリティ、情報通信は、インフラとして非常に重要な役割を担います。
AI・半導体分野は、いわば経済全体の「脳」に相当するインフラです。今ではあらゆる産業において、AIの推論と、その計算資源となる半導体は欠かせない存在となっています。
情報通信分野は、神経ネットワークにあたるインフラといえます。 高速通信を実現し、リアルタイムでデータを収集・伝達するための重要な基盤となります。
デジタル・サイバーセキュリティ分野は、その脳と神経を守る「防衛線」となるインフラです。 人間の体でいえば、頭部や脊椎を保護する骨格や、外敵から身を守る免疫システムにあたります。 サイバー攻撃が常態化した現在、この分野への投資が滞れば、社会全体がたちまち機能不全に陥りかねません。
これらの分野に継続的に投資し、成長させていくことが、他の分野の発展をも牽引していきます。 そして、まさにこの領域にこそ、ベンチャーが生きる道、成長していく未来が見えていると言えるでしょう。
2022年11月に公開されるや5日間で200万人を超えるユーザーを獲得した対話形式のAIであるチャットGPT(chatGPT)ですが、試してみるとその文章能力や回答が完璧過ぎて驚くばかりです。
極ローカルな情報に関してもどこから探してくるのか完璧に回答します、おそらく関連するホームページやブログまで事細かに検索して情報を得ていることが解ります。
そしてこのAPIが2023年3月1日に公開されました、APIとは独自のシステムからチャットGPTと連動させるプログラマブルインターフェースでチャットGPT同様に全てがオープンとなっています。
今ではチャットGPTの週間ユーザーが8億人を超え、APIでは毎分60億トークンも使用されています。(2025年10月6日発表)
ITの世界でいうオープンとは無料で公開するシステムなどを指しており、誰もが自由に使うことができるものです。
私は本ブログにおいても5年以上前からAIライターの出現に触れてきましたが、このチャットGPTの回答はプロライターの能力をはるかに越えていると言っても過言ではありません。
文章の正確性だけではなく質問形式を変えていくと別の視点で観た回答を出してきます、音声合成システムと組み合わせるとどんな質問にも正確に答えることができる家庭教師やセミナー講師にもなるでしょう。
オープンAPIが公開され、今ではありとあらゆるアプリケーションに組み込まれていきます、そしてどんどん人間の仕事を奪っていくことが予想されます。
奇しくも某大学の外国人卒業生が日本語による答辞をチャットGPTを使って2分で作成したというニュースが流れました、自身で作成したら数日かかる内容だといいます。
また以前のアンケートでは、まだ日本人の70%以上が知らないというチャットGPTですが、2024年9月時点では72.2%がチャットGPTを認知しており、男性中年層(40代、50代)および女性若年層(20代、30代)の利用率が大きく伸びているようです、おそらく1年後には誰もが知らないうちに利用している存在になることは間違いないでしょう。
この大きな流れに乗って自身の利益に繋げられるかどうか、これも一つの勝敗を分ける試金石となることは容易に想像できます。
近年、Web3の進化とともに注目を集めている「DePIN(Decentralized Physical Infrastructure Networks)」は、ブロックチェーンを活用し現実世界のインフラを中央集権に頼らず構築・運用しようとする新しいアプローチです。これまではHeliumのような通信ネットワークに焦点が当てられてきましたが、2025年現在DePINは通信のみならずAIコンピューティングやエネルギー取引、ストレージ、モビリティといった分野にも広がりを見せています。
分散型AIコンピューティング
DePINの中でも特に注目を集めているのがAI分野との連携です。たとえば「Bittensor(TAO)」は参加者が機械学習モデルの訓練に貢献することで報酬を得られるネットワークを構築しています。AIの民主化を掲げ中央集権的なビッグテックによる独占に対抗する構造を実現しています。
また、「io.net」は分散型のGPUレンダリングネットワークを提供しており、AIスタートアップや研究者が低コストで計算資源にアクセスできる環境を整えています。AI開発とDePINの融合は今後ますます加速していくことが予想されています。
分散型ストレージとデータ共有
インフラの基本要素として欠かせない「保存領域」もDePINによって変革が進んでいます。代表例は「Filecoin(FIL)」で世界中の個人が自宅PCの空き容量を提供し、報酬を得ることで巨大な分散型ストレージネットワークを形成しています。
さらに「Arweave(AR)」は、データを一度書き込めば永久に保存され続ける"パーマネント・ウェブ"を掲げたプロジェクト。政府記録・研究データ・アート作品の保存など、価値の高い長期アーカイブ用途に最適とされており、公共インフラとしての側面も帯びつつあります。
通信・映像インフラの分散化
通信分野では依然として「Helium」が存在感を放っています。個人がLoRaWAN対応ホットスポットを設置しIoTデバイスの通信を担う仕組みは、特に都市部以外のネットワークカバレッジ向上に効果を発揮しています。
また「Theta Network」はP2Pによる動画配信ネットワークを実現し、帯域を提供したユーザーに報酬を支払う仕組みを導入しています。ストリーミング業界においても分散型モデルの可能性が模索されています。
エネルギー分野:電力のP2P取引
「Power Ledger」は、太陽光発電などによって生成された再生可能エネルギーを個人間で直接売買できるプラットフォームです。送電網を介さず発電者と消費者を直接マッチングさせることで、余剰電力の有効活用と電力料金の低減を実現します。エネルギーの地産地消という観点からも注目を集めておりDePINによる脱炭素社会の加速が期待されています。
モビリティとリアルタイムセンサーデータ
自動車やEVなどの移動体から取得できるセンサーデータもDePINの領域です。プロジェクト「DIMO」はユーザーの車両から位置情報・エンジン状態・走行距離などのデータを収集し、それを分散的に共有・活用するネットワークを構築しています。スマートシティや自動運転などのインフラにも応用が期待されており「動くIoT」としてのDePIN実装が進んでいます。
DePINは新たな社会インフラとなるか
2025年時点でDePIN関連プロジェクトは1,500以上存在し時価総額は300億ドルを超えるとも言われています。AIの普及によって需要が急増する計算資源とそれを支える分散型インフラは切っても切れない関係にあります。つまりDePINは単なるブロックチェーンの応用にとどまらず、「次世代インフラ」の中核技術として今後の社会を支える可能性を秘めているのです。