2024年10月14日 10:00
「あ、それ同じことを考えていた!」、「先にやっていれば良かった!」、これまでに無いIT商品やサービスが誕生すると多くの人はこんな言葉を発します。
でもよく考えてほしいのです、アイデアなど誰でもすぐに考えつくのです、珍しいことでもなんでもありません。
特にIT商品やITサービスは特許などの知財が有るなら別にして、アイデアそのものには正直な話をすれば価値などゼロです。
アイデアを基に技術的に可能とする具体的な方法を考え未来に発生するであろう障害を未然に防ぐ解決策を見出して予め施す、これらを通して実際に商品やサービスを創出することにIT事業の価値の全てがあるのです。
それを創出するまでに係る膨大な先行コストに開発コスト、そして多くの期間をかける技術者の労力、これらが揃って始めて実現するのです。
資金力も技術力も無ければ新たなIT事業を興すことは不可能です、どんなIT事業でもアイデアだけでは実現することなど皆無です、膨大なお金と優れた技術力を以って創出した人だけが最終的に評価の対象となるのです。
つまりはアイデアだけであれば評価どころか相手にもされません、それがITビジネスという極めてシビアで現実的な世界なのです。
更に決定打として創出できたとして本当に利益が出せるかという最大の障壁が最後に立ちはだかります、こんなスーパーハイリスキーな事業は他にはありません、下手すれば一夜にして山のように膨れ上がった借金だけを残して終わるのです。
IT事業を資金調達して優秀な技術者を集めて実現させる、そしてそれで利益を齎すマーケティング活動を展開する、このマーケティング活動にも更なる膨大な資金と優れた人材とノウハウが必要です。
どうですか、普通の人がこんな恐ろしく無謀な事業にチャレンジして実際にそれを実現させられるでしょうか?
だからアイデアに価値など皆無だというのです、IT事業は実際に実現させることができなければ絵に描いた餅であり利益を生むことすらできません。
世の中のITベンチャー企業の多くは優秀な技術者がいても資金が無くてアイデアを実現させることすらできません、更にどうにか資金を得て実現させたとしても売るためのノウハウがありません。
だから悲しきかな99、9%のITベンチャー企業は、優れた技術者を抱えていながら受注開発や技術者派遣に甘んじているのです。
アイデアを実現させ収益事業を構築することがどれほど厳しく大変な事か、それを真に理解してほしいのです、本当に理解できている人は冒頭の軽い言葉など出るはずもないのです。
最後に一言、IT事業を興し1度でも成功させた人は一瞬にして優れた経営能力を体得してしまうでしょう、おそらくどんな業種に従事しても手堅い経営手腕を発揮できるようになります。
IT事業を通して生きた経営の肌感覚を身につければ、何事にも恐ろしく的を得た判断と行動が瞬間的にできるようになります、そこには多くの経営課題が濃縮しているからに他なりません。
事業計画・資金調達・事業構築・知財戦略・ブランディング・工程管理・最適な人材登用と配置・収益計画とその実行・リスクマネジメントにリスクヘッジ・正確な現状把握と未来予測・リアル&デジタルマーケティング・ライバル対策と、まさに経営者に必要な全てが身を以って短期間に身につきます。
したがって経営コンサルティングや再生コンサルティングも何の憂いも無く行うことが可能となります、頭で覚えた経営学など生きた現場には何一つ通用するものはありません、本物の経営学とはスーパーハイリスク事業下での生きた現場でしか磨くことはできないのです。