内閣府が進めるムーンショット目標に織り込まれているサイバネティックアバター、つまり人間の代わりをするロボットですが、ついに現実のものとなって社会に進出してきています。
その第一弾がコンビニエンスストアのファミリーマートです、ファミリーマートでは既に試験を開始しており将来的には全店舗に導入し無人店舗化を目標としています。
このアバターは遠隔操作で人間の代わりを行い商品の陳列などを行うロボットです、これによって大幅な人件費などのコスト削減が可能となるとしています。
ムーンショット目標とは、2050年までに「人間から身体・脳・時間・空間の制約を取り除こう」とする計画で、AIとロボット工学を駆使して人間の代わりをするロボットを社会に定着させようとする国を挙げての計画です。
AIとIoT、これに伝送とデータセキュリティを保障するブロックチェーンが結びついていく世界、この先どんな社会になっていくのか楽しみでもあり怖いような気もします。
金融庁は仮想通貨交換業者を規制する法律を現在の改正資金決済法から金融商品取引業法に移行しました、この意味はとても大きいもので仮想通貨は株や先物取引同様に自己責任で売買する金融商品ということになります。
これによってブロックチェーンによる取引の意味合いも微妙に変化することになってきます、まさしくDAO(自立分散組織)の時代がそこまで迫ってきています。
世の流れというのは、過去の経緯やその対象サービスの個性を正確に分析することで確実な未来予測ができるのです。
例えばブロックチェーンを使って取引を行う際の決済方法の一つに仮想通貨がありますが、その他の媒体であっても金融商品として扱われるようになると予測できます。
これに関してはその性格上それほど難しい予測ではありません、そして仮想通貨が金融商品ともなれば電子商品券や引換券は今後どういう方向で扱っていけば良いのでしょうか?
その答えは言うまでもありません、そしてそれを予測して手を打っておくことは同じことをやろうとする企業に対して大きなアドバンテージが生まれることになります。
仮想通貨は金融商品という枠組みに入り、その時点で金融商品取引業者でないと扱えなくなります。
ITを駆使したサービスとは何時の時代もインフラ整備と法律によって大きく舵を切らざるを得なくなります、ITによって世の中の仕組みそのものが変わってしまうことは40年以上も前から同じようなことが繰り返されています。
過去の流れを知って未来を予測する、これができて初めてAIやブロックチェーンを始めとするITビジネスの世界で成功するのだと思います。
生成AIの台頭をきっかけに情弱性に関して日米韓共同の調査が行われました、その結果で明らかになったことは日本人は比類の情弱性比率が他の国に比べて高かったのです、情弱性とは情報弱者ということで情報に対する免疫力のような思考ができない人を指して言います。
偽りの情報に関する設問ではアメリカ人の約50%の人が偽りを見抜けましたが日本人はその半分の27%の人しか見抜けませんでした、多くの日本人は偽り情報を鵜呑みにしてしまう思考であることが解りました、また情報の発信元を探ろうとする人も日本人が最も少なくアメリカ人の70%に対して日本人では40%という数値になりました。
3ヶ国の調査で共通して解ったことで興味深い結果があります、それは情弱性が高い人はSNSを日常的に行う人だったということです、つまり流れてくる情報を無意識に真実だとして鵜呑みにしてしまい疑うことも無く信じてしまうのです、そしてその偽り情報により翻弄されてしまっていることも明らかになりました。
偽り情報を見抜けた人の多くの情報源は、テレビのニュースと新聞や書籍でありSNSをやっていない人が多いのも面白い事実としてはじめて解明されたのは興味深いと思います。
ここでSNSが悪いとまでは言いません、ただし流れてくる情報を鵜呑みにするのではなく自身で正確に分析できるまでの根拠となる理論や知識を得て欲しいと思います、びっくりするような嘘を平気で流している専門家もいます、教授だとか医者だとか肩書きがあってもそれ自体が本当であるかも解らないのがネットの世界なのです。
似非情報に踊らされているうちは目的を達成することは難しいと思います、自身の五感で真実を得られるように物事の原理原則を正しく身につけることが重要だと思います、情報を得るならまずは一次情報を探り、その一次情報は誰が発信しているのかくらいは最低でも突き止めることが肝要かと思います。
ビジネスで使われる言葉に「B2B」や「B2C」というのがありますが、それぞれ「Business to Business」と「Business to Customer」を指し「企業対企業」と「企業対個人」を表すビジネススタイルです。
例えば、金融や保険業界は法人向けの商品は「B2B商材」、個人向けは「B2C商材」などと呼ばれることがあります。
また、代理店を展開して個人客は代理店に任せるという、ちょっと上級なビジネス展開を「B2B2C」などという複合用語も生まれています。
これと同様の用語で、今後ブームになるのではないかと思われるビジネス展開上の言葉があります。
それは、「O2O」というもので数年前からITやコンサルティング業界でよく使われています、そして私もこれを受けて「Webとリアルの融合」というキャッチフレーズを企画書などで多用してきました。
「O2O」とは「Online to Offline」、つまりインターネット上の情報配信とリアルな対応をビジネス化したものです。
例えば、デパートではサイト上で商品説明と同時に購入を受付け、直接担当者が家庭を訪問して手渡ししてくれるというサービスや、スーパーではサイトで購入した商品を2時間以内に家庭に届けるなどのサービスを展開しています。
これを商品ではなく、今後は目に見えない付加価値やコミュニティなどにも広く展開される時代が必ずや台頭してくると予測しています。
そして、その中心になってくるオンラインツールがデジタルマーケティングツールであるオウンドメディアであると断言できます。
見える価値観だけで判断するのではなく、見えない価値観に照準を絞って思考することが今後求められてくるのです。
スチーブ・ジョブズは、ipadの完成時に「テクノロジーとリベラル・アーツの結晶がipadを生み出した」という言葉を残しました。
さて、この「リベラル・アーツ」という言葉ですが、ここ最近各種の業界で突然のように使われ出しました、特にAIでは成し得ない教養としてIT業界でもトレンド用語になりつつあります。
「リベラル・アーツ」とは「人間を自由に導く技」と解釈されていますが、具体的には何を指して言うのか表現が非常に難しい言葉でもあるのです。
簡単な解釈では「やりたいことが自由にやれるツールや手法」と考えればよく、具体的には「AIができない人間らしさ」を指しています。
「リベラル・アーツとAIとの共存によって人間は人間らしく存在できる」、という思想と考えるのがIT業界に限って言えば正しい概念なのかもしれません。
これからのIT産業はこういった思想や哲学などの概念に基づいたシステムロジックが重要となり、どれほどのテクニックを駆使しているかという要素は正直何の価値も意味も存在しないようになってくると思います。
ブロックチェーンに代表される取引システムやIoTの最先端を行こうとしているベンチャー企業も無視できない思想になってきます。
当然のこと、人間に変わりITでマーケティングを行おうとするデジタルマーケティングには更に必須の思考となります。
「リベラル・アーツ」は教えて身につく教養ではなく自ら学んで身につける教養です、そして覚えるのではなく自ら答えを導くことによって磨かれる教養でもあります。
少なくても世に溢れている情報を鵜呑みにしている感情の他者移譲性の人には、この「リベラル・アーツ」という思想は身につくことはありません、「覚える」から「自ら考え出す」という脳のロジックそのものが重要になります。
目に見えているものを疑うこと、そして見えない物事の本質を捉えられる洞察力が肝要なのです。
その意味でも、「リバラル・アーツ」を身につけるのは簡単なことではありません。
しかし、この思想を身につけられた者こそがAI時代に勝ち残れる人材ということになり、AI全盛期に活躍できる人でもあります。
ブロックチェーン・IoT・ロボット工学、近未来のIT産業は間違いなくAIと密接に結びついていきます。
その時代にどこまで「リベラルアーツ」を取り込んだシステム設計をしているか否か、この差は雲泥の差となり表面化すると思います。