2024年7月15日 10:00
過去私が特許出願した電子バウチャーに係るメインクレーム(特許要求項)は、電子バウチャーによる資金調達にあります。
しかし収益事業として考えた場合は、これは表向きの電子バウチャーの利用法を解りやすく提案しているに過ぎません。
勿論、現時点で実際に事業化する際には関連した第二種金融事業者の免許が必須となります。
実は、本当に収益になる電子バウチャーの収益モデルはまったく別の見えないところに存在しています。
話しは変わりますが、現在全世界で銀行口座を持てない人がどのくらい存在しているかをご存知でしょうか?
調査ではこの10年で大幅に改善したとはいえ、いまだに約40%の人が銀行口座を持てない状況にあります、「ほとんどの国民が持っていない」という国さえも事実として存在するのです。
日本人は想像もできないと思いますが、発展途上国の多くでは一定の資産が有るか社会的信用性の有る職業に就いていないと銀行口座すら持てないのです。
持つ必要のない生活をしている人を除き、持てないことにより大きな障害が発生しています。
それは、海外での出稼ぎなどで稼いだお金の家族への送金です、自分は何とか持てても現地の家族に持っている人がいないのです。
海外は勿論の事、国内でもこの送金手段が限られていることは持てない人にとっては死活問題にもなるのです。
多くの人は銀行口座を持っている人に送金し、手数料を引かれて家族に渡してもらっているようですが、約束以上の手数料を取られたり渡してもらえないなどのトラブルも多発しています。
そこで海外で出稼ぎしている彼らが一斉に飛びついたのが、仮想通貨による送金手段だったのです。
これによって、仮想通貨のウォレット数が短期間に急増しました。
しかしここでも大きな問題が発生してきます、それは仮想通貨の価格が変動するということです。
送金するために仮想通貨を購入し転送、受け取った人が現金化するために限られた都市にしかない交換所に行くのが遅れた場合、この間に価格が暴落したら価値が減少することになります。
そうです、受け取る側に銀行口座が無いというのは、例え仮想通貨を利用しても換金は容易なことではないのです。
こうして換金に時間を取られている間に価格が上昇した場合は得することにもなりますが、現在では極めて稀な話です。
転換期には何が起きるか解りません、乱高下は当たり前で大暴落によって多くの人達が犠牲になりました。
対して電子バウチャーは国際基軸通貨と連動しています、したがって購入価格も換金価格も常に国際基軸通貨に対して一定です、これが仮想通貨と異なる極めて重要で特徴的な事項なのです。
為替の問題もありますが仮想通貨ほどの上下幅はありません、数ヶ月であればほぼ大きく変動することもありません。
世の中のニーズが生まれれば必ずそれを利益にしようとする企業が現れるものです、でもここに気が付くのは日本企業ではなく国際基軸通貨を持たない海外の企業なのです。
国際基軸通貨である安定した日本円を扱え、全ての送金が口座間で問題なくできる日本人には、こういった特殊要素は実体験が無いので想像もつきませんし疑問にも感じません。
しかし世界に目を配れば想像を絶する状況は数多く存在しているのです、そこに思考視野を広げ更に思考を練り上げることができるかどうかが重要です。
IT分野で成功するには、見える範囲の常識だけで考えている合理主義の人には収益事業の発想すら思いつきません、これまでの常識に疑問を持つことにより大きな収益事業が生まれるのです。
また、これまでできなかった世の中の金融システムを変えることができるのはITを駆使した電子媒体だけです、そしてそれを実現させた者が混沌とした黎明期に先駆者利得を得るだけの話です。