2024年11月 5日 10:00
過日のみずほ銀行のシステム障害は、これから始まる日本でのシステム障害の一つの予兆であるかもしれません、そんな予感が当たったのか今度はグリコで自社管理ソフト障害で人気のプリンが一ヶ月以上出荷が停止しています、これによって該社は大幅な減益が予想されています。
ところで皆さんは「2025年の崖」という言葉をご存じでしょうか、現在この「2025年の崖」問題で多くの金融機関や自治体が頭を悩ませています。
「2025年の崖」という言葉は今から4年ほど前のこと、経済産業省が発した俗に言う「DXレポート」(DXレポート~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~)という調査研究レポートから誕生したものです。
ここでDXとはデジタルトランスフォーメーションの略称で、人からAIなどのITに業務の多くを行わせようとする企業内の取り組みを示す言葉です。
このDXレポートを要約すると、複雑化・老朽化・ブラックボックス化した既存システムが残存した場合に、想定される国際競争への遅れや日本の経済の停滞などを警鐘したもので、2025年までに想定される各種のリスクが盛り込まれています。
簡単に言うと、現在の金融機関や地方自治体の基幹システム(レガシーシステム)の多くは30年以上も前に構築されたシステムです、現在この頃の推進担当者や技術者の多くが定年退職しており、新たなニーズに応える為に手を加えるにも誰にも詳細は解らないという状況が生まれています。
今後、キャッシュレス化や新型コロナウイルスパンデミックによる社会構造の変化などにより基幹システムの多くは大幅な改良を行わなければなりません。
しかし前述したように当時の推進担当者も技術者も退職しており、これを実行するには多くの課題が蓄積されています、冒頭の2社もまさにこの問題での対処遅れが致命傷となっています。
これが放置されたまま数年も経てば日本はIT後進国となってしまうのです、そこで新たにDX化を推進しシステムを入れ替える必要があります、この構築費用は莫大なものとなり、これを推進できるだけの余裕は今の金融機関にも地方自治体にもありません。
さて世界から大きく後れを取るのではないかと予想される日本は今後どうなっていくのでしょうか、IT先進国と言われて久しい日本、今ではIT技術者不足に加えて基幹システムの再構築やDX対応とやらなくてはいけない課題が山積みです。
ただ私は「何事もなるようにしかならない」と静観しています、そして日本という国は戦後何度も訪れた経済危機を乗り越えてきました、「2025年の崖」問題も何かとんでもない特効薬を見つけ出して乗り越えるのだろうと予想しています。
例えばですが、当時の技術者がいなくてもプログラムの解析を自動で行うAIを作ったらどうでしょうか、プログラムのディスアセンブリならAIがいとも簡単にやってのけてしまうでしょう、企業が共同開発でそれを構築したら如何でしょうか?
その分析結果を元に新たなシステムを再構築すれば済む問題だと直感で考え付きます、1社当たりの予算も100社集めればどうってことないでしょう。
まあITシステムは多くの場合に技術者の哲学的なロジックを組みこんでいるので、そう簡単には行かないものですけれど。