知らないうちに自分のパソコンを使われている、そんな事件が近年多発しています、その正体は計算能力の乗っ取りを仕組んだWebサイトです。
このサイトで記事や動画などのコンテンツを閲覧しようとアクセスすると知らないうちにパソコンのCPUやメモリがこのサイトに仕組まれたシステムの配下に置かれ勝手に使われてしまいます。
その主な用途の一つは暗号通貨によるマイニングです、マイニングとは暗号通貨を発掘する行為で多くは自身の用意したコンピュータにスマートマイニングなどのマイニングソフトをインストールして実現されます。
このオートマイニングWebサイトは他人のコンピューターを勝手に自身のマイニングの為に使ってしまおうという何とも身勝手なことをやっているのです、警視庁はこういった被害が続出しているとしてサイバー防犯プロジェクトによって摘発を進めています。
この行為は他者の資産を無料で使用するという行為であり犯罪行為です、コンピューターもさることながら電気代を相手に負担させているのですから、こういったサイトから守る手はないのでしょうか。
実は簡単に見破れるのです、そのサイトでコンテンツを開こうとした際に突然CPU負荷率が重くなりなかなかコンテンツが開いてくれないことで解ります。
多くは画面が固まり数分間待っても何も変化がありません、この間にCPUとメモリが使われてしまっているのです。
またコンテンツなどは何もなく、ただのテキストバナーに過ぎないという悪質なケースもあります、「有名なサイトでPR広告を出しているから安全」などという保障はどこにもありません、もしこのようにコンテンツが開かない場合はすぐ閉じるようにすればよいのです。
中には完全にCPUが乗っ取られて閉じることもできない場合もあります、こういった場合は強制的にリセットするしかないでしょう、そして二度とこのサイトには行かないようにすることです。
BCG(ボストン・コンサルティング・グループ)は毎年のように未来に起こる経済や社会現象を予測しレポートを発表しています、近年では毎年のように「デジタルトランスフォーメーション元年となる」という事項がありますが既に本格化する兆候が見られます。
さてデジタルトランスフォーメーションとは何かというと、これまでの企業における業務フローの多くをデジタル化(IT化)しようとする企業内改革を指しています、これまでIT化には疎遠だった介護や訪問販売といった業種も早急にIT化に取り組まざるを得ないといった話しも聞かれるようになりました。
これからの経営コンサルタントはこれまでのアナログからデジタルへの移行、つまりIT化コンサルティングが主流となります、つまり経営コンサルティングのサービス自体がITコンサルティングに移行していくのです、これは世界中の経営コンサルタントはITスキルを身につけなくては生きていけないことを意味しています。
アメリカでは既に大手企業の多くは、これまでの経営・財務コンサルタントに加えCDO(チーフ・デジタル・オフィサー:最高デジタル責任者)を顧問として迎える現象が起こっています。
さてデジタルトランスフォーメーションには、大きく4つのカテゴリが存在しています。
一つは「顧客体験の進化」、これは簡単に言うとオウンドメディアなどを使った企業と顧客の価値観の共有を図ろうというものでVRなどを駆使した仮想体験などもこれに含まれると考えています。
次に「革新的商品・サービスの展開」でデジタルを駆使したこれまでに無かった商品やサービスを展開するというものです、例えば24時間何時でも受け付ける銀行や役所業務など人間からデジタルに置き換わることでこれまでで実現できなかったことが実現可能になってきます。
次が「ビジネスプロセスの革新」で流通や販売などにおいての入口業務から出口業務までをデジタル化しようというものです、企業内業務フローはこれによって一変し人間が行っていたことが自動化され事務職社員は大幅に減りオフィスは限りなくコンパクトになってきます。
最後に「デジタル変革・実行力の獲得」で、これはこれまでの3つのカテゴリについて実際に実現可能にする計画や取り組みをいいます。
さてここでデジタルトランフォーメーションと一方で独自の成長を遂げているブロックチェーンの関係とは如何なるものになるのでしょうか、包括的に言えばブロックチェーン技術はデジタルトランスフォーメーションの一部の分野であり、金融業や不動産業などに関してはデジタルトランスフォーメーションに組み込まざるを得ない取り組みになります。
大手4銀行は今後2年間で社員数を半減させるという人員計画を発表しました、この裏に有るのがデジタルトランスフォーメーションの実現であることに他なりません。
今後多くの仕組みがデジタル化されています、その破壊力と新たな秩序の快進撃は企業を二極分化するでしょう。
つまりデジタル社会に適応し生き残る企業と古い体質のまま淘汰されていく企業とに別れることになります、これは予測などではありません、すぐそこに迫っている未来における現実なのです。
経済学や経営学において時々「イノベーションジレンマ」という言葉が登場します、このイノベーションジレンマとは改革をしなくてはいけないと解っていてもできない状況を指します、多くは大企業がその状況に陥ります、そしてその明確な理由も存在しています。
一つは組織が大きすぎて末端まで浸透させるのに多くの時間とコストがかかってしまうからです、この予算をどうやってひねり出すか、余裕の無い中では経営者が解っていてもなかなか実行できない理由がここにあります。
もう一つは既存のサービスや業務フローが確立されており、これを壊すという行為が精神的に大きなストレスを生みます。
コンサルティングで多い質問が「既存のシステムと連動できるか?」、「既存のシステムからどうやって移行するのか?」が大半を占めます。
私は秩序が変わるとき一旦は生まれ変わる必要があると考える派です、「しばらく併用させ来たる時期に完全移行する」、これが最良の方法だと思います。
古い体質にしがみついていては新しいものが誕生し成長することは無いでしょう、よく例えられるのが「恐竜の絶滅」です。
地球環境に大変動が起きたとき恐竜は対応できずに絶滅しました、方や小動物は新たな環境に適応するように進化を遂げて生き延びました。
現在あらゆる業界で新たなる秩序が生まれようとしています、それがブロックチェーンやデジタルトランスフォーメーションであり、これらの先に在るAIと結びついた未来形のIT技術です。
これらの技術革命はこれまでにない大きな地殻変動となります、アナログから完全デジタル時代への移行、どの業界もこの地殻変動に進化を遂げなければ生きてはいけません。
今後あらゆる業界で新たなる秩序が生まれます、そしてその中で淘汰されていく企業が後を絶たないでしょう変化するときに変化する、これができなかった企業は当然のこと淘汰されていくのです。
そして台頭するのが新たなる勢力です、この数年間で全ての業界MAPが大きく塗り替わろうとしています。