2025年9月 8日 10:00
エヌビディアは2025年7月に時価総額4兆ドルへ到達しました。 AI時代の"象徴的な節目"ととらえられています。
この背景には、過去最高水準の決算と新世代チップBlackwell(GB200)の登場があります。 Blackwellは多数のGPUをまとめて"1台の巨大GPU"のように扱える設計が特長で、前世代より学習・推論の効率を大きく引き上げると言われています。 各社クラウドやサーバーメーカーが対応製品を出し始め、供給面の足取りも前よりしっかりしてきました。
しかし現実的な課題もあります。 電力・冷却・データセンター用地といったインフラ制約、HBMメモリなど部材の供給、そして地政学や輸出規制の不確実性は成長スピードに影響し得ます。株価の上下もこの"期待と制約"の綱引きの結果といえます。
世界を見ると、各国はAIを産業競争力の中心に据え、医療・製造・金融・防衛まで適用が広がっています。 同時に安全性・透明性のルール作りも進行中です。 日本においても液冷対応データセンターや再エネの拡充、AI人材の確保がホットトピックです。
これから注目したいのは、計算資源の使い方をどこまで賢くできるか(効率化・最適化)、モデルとデータの品質管理(評価、ガバナンス)、現場での実装スピードです。 エヌビディアの「史上最高額」はAIが一過性のブームではなく産業の土台に入りつつあるサインだと捉える必要があります。
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