2025年12月15日 10:00
生成AIがビジネスにどう影響を与えているのか。 いま起きているのは限られた人が使う便利ツールが増えたという話ではありません。 文章・資料・開発といった日常業務の中に生成AIを使うことが前提になってきたという変化です。 下書きや整理をAIに渡す人が増えた結果、アウトプットの速さと品質の基準が少しずつ上がっているのを感じます。
たとえば汎用AIの代表がChatGPTとGeminiです。 どちらも相談相手として優秀ですが、本質は「考える時間を短縮する道具」になった点にあります。 ゼロから文章を書くのではなく、目的、読者、要点を渡して骨子を作らせ、叩き台を先に出す。 メール、提案書、議事録、社内共有文書など、初速が上がるだけで仕事の効率は良くなります。 人間がやるべきことは、内容の正しさと優先度を判断し、最終責任を持つことになっています。
プレゼンや説明資料の領域でも同じことが起きています。 NotebookLMのように資料やURLを与えると、内容を読み取り、要点を整理し、説明の順番や台本の叩き台まで作れます。 動画編集のスキル以前に、「何をどう説明するか」を整える工程が一番重要で、そして重い。 その前工程が短くなることで、説明資料や動画は作れる人だけの仕事ではなくなってきました。
開発の現場ではCodexの価値が分かりやすいです。 単にコード生成が速いだけではありません。 既存コードベースを前提に「どのファイルを触るか」「影響範囲はどこか」を洗い出し、APIのI/Fやデータ構造、バリデーション、例外系まで含めて実装の骨格を組み立てる。 さらに、変更内容に沿ったテストの雛形や確認観点を用意し、差分としてまとめるところまで進められます。 そのぶん人間は設計判断と差分レビューに集中でき、結果として手戻りが減ります。
ただし注意点もあります。 生成AIは万能ではなく誤りも混ざります。 その領域の基礎知識がないまま使うと、出力を評価できず間違いを見逃します。 だからこそ今後の差は「生成できるか」ではなく「判断できるか」に移ってくるでしょう。
では、出力を判断できる人になるには何を身につければいいのか。 結局のところ答えはシンプルで基礎知識です。 生成AIが当たり前になるほど、学ばなくていい時代になるのではなく、学び続ける人がさらに差を広げる時代になっていきます。
