2025年9月 1日 10:03
AIの判断を「説明できる」未来へ
近年、AIによる自動判断が社会のあらゆる場面に広がっていっている中、「なぜその判断に至ったか」を説明する責任が企業や開発者に求められるようになっています。
欧州のAI規制法(AI Act)や日本のAI事業者ガイドラインでも特に人の権利や生活に大きな影響を与える「高リスクAI」については、説明責任、追跡可能性、記録性が法的に義務づけられる流れになりつつあります。
これに対して有効な技術的解決策として注目されているのが説明可能なAI(XAI)とブロックチェーンの連携です。
XAIはAIがどのようにして判断を行ったのかを人間が理解できる形で可視化する技術です。例えば金融分野ではSHAPという手法を使って融資判断の際に「年収」「信用スコア」「雇用履歴」などがどれだけ影響したかを説明できます。医療分野ではX線画像のどの部分をAIが異常と判断したのかをマップで明示する取り組みも進んでいます。
しかしこうした説明が一時的なものであれば後から改ざんされるリスクがあります。そこでAIの出力とその説明情報をブロックチェーンに記録することで、誰が・いつ・どのモデルで・どんな判断をしたのかを永続的に追跡可能になります。
このやり方であればAIの社会的信頼性を高め、炎上や訴訟リスクを軽減し企業ブランドを保護することができます。今後AIを導入するあらゆる業界において「説明できること」とその非改ざん性が問われていくことになるでしょう。