2025年9月15日 10:00
ICO2.0は詐欺・未達・情報不足という2017年時代のICOの課題を踏まえ、最初から規制準拠×透明性×公正配分を組み込む資金調達の考え方です。
EUのMiCA(Markets in Crypto-Assets)は暗号資産の包括規制で、発行体にホワイトペーパー(投資家向け説明書)の作成と公開を義務づけ、取引所や資産の保管・管理を受託して行うカストディ等のCASP(暗号資産サービス提供者)にライセンスや行為規制を課します。 広告表示のルールも整い、投資家が比較・判断しやすくなりました。
法定通貨連動の暗号資産であるステーブルコインは、1:1準備(現金・短期国債等)や月次開示・監査を前提に決済・国際送金の"インフラ"として活用が進む見込みです。 ICO2.0では、調達資金の管理や配当・還元をステーブルコインで行い、ブロックチェーン上で可視化され資金移動の監査証跡を残す設計が主流になりつつあります。
日本では、一般向け公募はIEO(取引所主導の公開販売)が中心です。 業界自主規制団体のJVCEAの審査とKYC/AML(本人確認・マネロン対策)、ロックアップ(売却制限)を前提に、需要に見合ったトークノミクス(供給量、FDV=Fully Diluted Valuation=完全希薄化時の企業価値、ベスティング=段階的付与)を設計します。 さらに、マイルストーン連動の資金解放や、コミュニティ投票による意思決定をスマートコントラクトで自動化するのがICO2.0の勘所です。
実務の要点は、
①十分な開示(資金使途・リスク・配分・ベスティング)
②公正な割当(ボット対策・貢献度/評判ベースの枠)
③地域別ジオブロックと証券/資金決済ルールの順守
④オンチェーン監査可能性(トレジャリー可視化・監査証憑)
です。 加えて、株式・債券・不動産など現実資産をトークン化するRWA(Real-World Assets)や、証券規制に基づくSTO(Security Token Offering)とも親和性が高く、投機から実用・持続可能性へ舵を切るための土台になります。
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