古い話しになりますが、2017年11月に日本の近未来社会を予見する出来事が起こりました。
それは、日本で初めて完全キャッシュレスのファミリーレストランがオープンしたのです。
その先陣を切ったのがロイヤルホストで、クレジットカードか電子マネー(各種交通カードやEdyなどプリペイド型電子マネー)でしか支払いを受け付けないという支払いシステムを採用しました。
この背景には会計に係る時間を短縮しお釣りを用意したり、現金を銀行に預けるなどの煩雑な現金に纏わる処理を一気に解消しようとするものです。
勿論、クレジット決済ではお店側は手数料を負担することになりますが、それ以上のコストダウンに繋がるという目論見があってのことです。
ちなみに、会計処理が短縮することで1店舗当たりの人件費が30%以上削減できるということです。
これを受け日本のキャッシュレス化が急速に広がってきたことは否めません、ただこれは世界的に見て日本はだいぶ遅れている現象なのです。
他の国では口座と直結しているデポジットカード(別名、プラスチックマネー)を使うのが一般的で、むしろ日本は現金主義大国だっただけなのです。
北欧は10年以上も前からキャッシュレス化が浸透しており、また近年ではアジアの多くの国もキャッシュレス化に向けた施策を行っています。
現在、世界的にキャッシュレス化の波が押し寄せていますが完全なキャッシュレス社会は本当に訪れるのでしょうか?
こういう時の思考のヒントは、「現金での支払いで不便なこと」を考えては正解は出ません。
では、どういう思考をするのが良いかというと、「現金でないとできないことは何か?」というように考える必要があるのです。
例えば慶弔見舞金や供養代(花代なども含む)などがあります、また文化的な習慣では「お年玉」や「謝礼金(お車代)」などもあります。
新しい文化を受け入れつつ、古き良き習慣や文化は大切に残していかなくてはなりません。
したがって急転直下でキャッシュレス時代になるとは思いませんが、多くのシーンでキャッシュレス時代が到来することは間違いないと思います。
世界的なキャッシュレスの裏事情としては造幣に係る処理の短縮やコスト減、そして民間企業は冒頭のように現金を扱うことによる煩雑さからの解放が目論まれていることは否めません。
時代が変われば人の価値観は大きく変わります、キャッシュレス時代にはキャッシュレス時代に求められる企業や人材の価値もまた変わっていきます。
キャッシュレス時代をどのように取り入れて社会に貢献できるのか、他社にはできないことをいち早く世界に提案していくことが重要になってきます。
そして、それができる企業がキャッシュレス社会で活躍できる企業ということになるのです。
まずは、自からキャッシュレスに対応した生活を長期間行ってみる事が肝要です。
私はこれにチャレンジしてみたところ1ヶ月以上もキャッシュを使わずに生活できました、支払いは全てクレジットカードかSuicaです、Suicaを口座から自動チャージすればもっと長期間できたでしょう。
意外ややろうと思えば現在の日本でもキャッシュレス生活は可能です、その実体験を通してキャッシュレス時代に活躍できる思考が生まれてくるのです。
そしてキャッシュレス時代をどう生き抜くか、その実体験を通した思考とノウハウは極めて貴重なものとなるでしょう。