キュレーションサイトとは特定のカテゴリに絞った情報を提供するオウンドメディアを言い、今ではデジタルマーケティングの看板的サイトの一つです。
キュレーションサイトと言えば、数年前に大手上場企業の医療情報サイトなど10個のキュレーションサイトが不正確で権利侵害など悪質な違法情報発信を放置していたと摘発され、業務停止のうえ閉鎖に追い込まれた事件がありました。
特に医療や健康、そして環境に関しての情報発信は身体に影響を及ぼす可能性が極めて高く専門家による確実な根拠を示した情報発信が必須となります。
摘発されたキュレーションサイトでは、数多くの新着情報を得る目的で情報提供者として100人を超える主婦ライターを中心としたセミプロライターに委託し質よりも量を優先していました、これらのセミプロライターの収益は低い人では1記事50円という人までいたそうです。
価格の安さから多くの記事を出す必要があり、ネットに流れている情報からそのまま転用する著作権侵害は当たり前で、他者のブログからも常にネタを拾っては自身の記事として投稿するモラルハザードが日常化していました。
このセミプロライターたちは内容がどんなものかも吟味できず、意味も理解しないままに自己の収益だけを考えて投稿していたのです。
この事件は、世の中に存在するライターの著作権などを無視した悪質なモラルハザードと、ライター業界全体の年収の低さが暴露されてしまった形ともなりましたが自ら自分たちの首を絞める行為を自己利益優先で行っていたのですから自業自得の結果とも言えます。
逆に常に自身の経験や自身で調べたオリジナルの記事が書け、転用やパクリなど一切しない知的で社会的良識のある有能なプロライターが求められる時代が到来しています。
どんなビジネスも報酬は高額であっても安心して依頼できるパートナーが必須です、プロライターにも同じことが言えます。
世に数多く蔓延しているライター養成ビジネス、このビジネスを行う人に対して注文をつけるとしたら指導内容です、ライター予備軍の人達に必須な指導は書くコツや稼ぐ方法ではありません、ましては自分を売り出すためのパフォーマンスでもありません。
著作権保護という法的な専門知識と人間として当たり前のモラルとビジネスルール、そしてビジネスマインドの教育です、それを行わなければ業界そのものが先の例ではありませんが市民権を失う事になっていきます。
私の知りえる限りでは、教える側が日常的な著作権やモラルという意識すら無い社会通念に疎い人が多いのも事実であり今後の業界そのものに危機感を感じ始めています。
この状況を打破する目的で将来優良講師を招いて無料のライター養成講座でも全国区で大々的に行うことも視野に入れています、優秀なライターが育てば出口は既に用意してありサービスを展開する企業にとっても有益だと思うのです。
ライターにはどんどん有益なオリジナル情報を発信して稼いで頂きたい、そしてそれを全国で同様の養成講座を開催していただきたいと考えています。
私が注力しているキュレーションサイトは弁護士会や税理士法人会などが運営しているキュレーションサイトにヒントを見出しています、これらのキュレーションサイトはマネタイズ方法が広告や閲覧料ではないことがすぐにも解ります。
投稿数も2~3日で1記事程度で当然その道のプロが書く記事なので堅くて難しい内容です、誰もが見て楽しめるサイトではありません。
それでも、必要に迫られた人には「こんなありがたい情報はない」と思えるような読む人を絞り込んでは魅了させているのも特徴です。
本来のキュレーションサイトは出口がしっかり用意された上でサイトでの収益を考えるのではなく、あくまでもB2Bビジネスでの本業への入口戦略の一つとして存在していなければならないと思うのです。
その意味で今後キュレーションサイトはB2Bビジネスのデジタルマーケティングの要となると考えています、B2C思考でキュレーションサイトを思考するから記事数だの記事による集客だのと間違った方向へ行くのです。
デジタルマーケティングでは量より質、アクセス数より存在価値、パフォーマンスより根拠、動的なプッシュ型集客より高性能なSEOによる静的なプル型集客が根幹になります。
キュレーションサイトとオウンドメディアが連動するオウンドメディア型キュレーションサイトであれば、デジタルマーケティングシステムはあっという間に実現します。
私が興したオウンドメディア事業の前身はコミュニティサイトでした、当時カテゴリ別に実に38個というコミュティサイトを抱えていました。
この当時のコミュニティサイトこそ今盛んに各社が乗り出したキュレーションサイトそのものなのです、「やっと時代が私の思考に追い付いてきた」、本当に最近実感するところです。
専門家による確かな有益なる情報サイト、似非情報やモラルハザーダーが氾濫する時代だからこそ正確で限定的なニーズが高まっている、そんな気がしてなりません。
「100人に1本ずつのバラは売らない、1人に1億本のバラを売る」、ITビジネスでも私のビジネスポリシーは一環としています。