2024年8月 7日 07:00
アクティブ型(アンプ内蔵)のサブウーハーにはデジタルアンプと重低音域だけを取り出すフィルターが内蔵されています、したがってアンプのプリアウト端子にサブウーハーを繋ぐと通常の音声情報のうち重低音域しか再生されません。
この特性を応用してダブルサブウーハー(ステレオサブウーハー)というテクニックがあります、本来はオーディオで小型スピーカーを使う場合の重低音域の補正を手軽に行える疑似マルチアンプ方式でのテクニックですが、これをホームシアターに応用してしまうというものです。
ミドルクラス以上のAVアンプの多くにはフロントプリアウトとセンタープリアウト、そしてサブウーハー用端子が付いています、そこでサブウーハー端子ではなくフロントプリアウトのLRにそれぞれ1つのサブウーハーを繋ぐのです。
つまり5.1Chでは5.2Chとなります、この場合のサブウーハーは前方に直接音を出すタイプのサブウーハーがお奨めです。
そしてフロントスピーカーに中型か小型のブックシェルフを使って、その下にサブウーハーをそれぞれ設置します。
こうするとフロントスピーカーチャンネルが重低音域まで出すような格好となり、本来のサブウーハーの代わりをします。
しかもステレオでの重低音は迫力があり、これにハマると1発使いのサブウーハーに戻せなくなるほどです。
ただライブ感を愉しむ場合は良いのですが、SF映画などでの下から湧き上がるような重低音の効果は期待できません。
私は一時的にこのダブルサブウーハーを愉しんでいた時期があるのですが、どうしてもSF映画などでのどこからともなく聞こえてくる地響きのような重低音が自分好みだと解ってシングルサブウーハーに戻した経験があります。
どんなジャンルでホームシアターを愉しむかで重低音域の出し方も変わってきます、ジャンル次第ではこのダブルサブウーハー方式は虜になってしまう人もいるでしょう。
スペースさえ確保できるなら、ダブルサブウーハー方式と間接的な重低音を再生するサブウーハーを使ったトリプルサブウーハーも面白いかもしれません、つまり5.1Chが5.3Chになるわけです。
ただし問題は重低音域の位相反転での空間合成で重低音域が相殺されマイナス効果と出る可能性があります、狭い部屋ではこのリスクの方が高いので置き方に充分な注意が必要です。
ダブルサブウーハーでさえ位相反転合成で重低音が消えてしまうという苦い経験を嫌と言うほど味わっている私は、そこまでリスクを冒してまでやってみたいとは思いません。
一本の間接型サブウーハーでさえ置き場所を間違えると後方に出た重低音が後方壁反射で相殺される事もあるのですから、そうとう設置場所と3つのサブウーハーの音量調整に苦労すると思うのです。