「タンポポは漢方薬」でも驚異の成分を含む事をお話ししましたが、今回は「タンポポの根」の部分の関して、よく知られているビタミンやミネラルなどは除いて特徴的な成分について更に詳しくまとめてみました。
改めて、その効能について詳しく調べてみると、「タンポポの根」が漢方薬として重宝されている理由が解ります。
・タラキサシン
ハーブ系苦味成分であり食欲増進、胃液や胆汁の分泌を促し消化機能を強化します、また肝臓強壮効果があります。
・トリテルペン
糖と結合するとサポニンとなります、消炎、解熱、鎮静、排膿などの効能があります。
・ステロ―ル(フィトステロール=植物性ステロール)
生物を構成する重要な成分で、細胞膜生成には欠かせません、皮膚疾患に特に効果が期待できます。
・イヌリン
炭水化物の一種です。
タンポポは、根に栄養源を貯蔵するための手段としてイヌリンを使用しています。
イヌリンは、腸に達するまで消化されずに腸内細菌によって分解され、腸内の有益細菌の繁殖に機能します。
効果としては、乳酸菌と同様ですが、乳酸菌は腸に達するまでにほとんどが消化されるのに対して、イヌリンは腸に確実に達して効果を発揮します。
・ペクチン
複合多糖類であり、消化酵素では分解されないので食物繊維として機能し、コレステロール低下やアレルギー緩和作用があります。
・コリン
神経伝達物質として重要な成分で、循環器系や脳には重要な物質です。
また細胞膜の構成と補修に不可欠な成分であり、健康と若さの維持には欠かせない極めて重要な成分の一つです。
・フェノール酸
フラボノイドと並ぶポリフェノールの一つです。
フラボノイドは色素ですが、それ以外をフェノール酸と呼んでいます。
フェノール酸の種類はリグナン、ジケトン、エラグ、クロロゲン酸、クマリンがあり、効能としては抗菌、エストロゲン様ホルモン作用、抗血液凝固などで、「血栓防止薬」として利用されています。
・アスパラギン酸
アミノ酸の一種で疲労回復や抵抗力強化などの効能があります。
栄養ドリンクにも含まれている成分としても知られています。
どうですか?
タンポポの成分は、まさに生薬そのものです、また皮膚につけても消炎効果が期待できます。
タンポポがヨーロッパで食用とされている理由、それはタンポポに含まれる薬効成分が理由の一つにあげられます。
タンポポの種類に関わらず、葉や花茎には、ルテイン、ビオラキサンチン、タラキサシン、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、カリウム、鉄などが主な成分として含まれています。
ここで、 タラキサシンは苦味成分であり食欲増進、胃液や胆汁の分泌を促し消化機能を強化する働きが有ります。
ビオラキサンチンは色素の一種でルテインと共に目の働きを良くします。
他の成分など総合的には利尿、食欲増進、目の病気予防治療、デトックスに有効な成分配合となっています。
更に、根は漢方薬「蒲公英根」(ほこうえいこん)として昔から愛用されているほどで、当然貴重な薬効成分が多く含まれています。
根には、タラキサシン、トリテルペン、ステロール(フィトステロール=植物性ステロール)、イヌリン、ペクチン、コリン、フェノール酸、アスパラギン酸、ビタミンA、ビタミンB群、カリウムなどが主な成分として含まれています。
ここで、ステロールはご存知皮膚疾患には重要な成分として知られているステロイドと同種の成分です、また漢方薬「蒲公英根」(ほこうえいこん)は妊産婦の薬で母乳の出を良くし身体を温める薬で有名です。
これらの成分を総合すると、利尿(利尿薬「フロセミド」に匹敵し、更に体内からのカリウム溶出が無い)、便秘(含デトックス効果)、肝臓障害、胆嚢障害(黄疸に効果)、リウマチ、皮膚疾患、ニキビ防止治療、血液浄化、細胞組織浄化、冷え防止、脂肪燃焼、だるさ解消など美容と健康にとって恐るべき薬効成分の宝庫だったのです。
事実、 漢方薬「蒲公英根」(ほこうえいこん)を煎じて飲むと身体がホカホカしてうっすら汗をかいてきます、この状態で床に入ると熟睡してしまいます。
私は、日に3回タンポポ茶を飲むようにしましたら、身体のだるさが解消され、熟睡できるせいかストレスをあまり感じられなくなりました。
これは是非、皆様にもお奨めします。
農家さんから3年目の秋タンポポを送っていただきました。
3年目ともなると苦いかな?
早々に3年目の秋タンポポの試食をしてみます!
秋タンポポは苦いので、薬膳料理を考案中でできたビーツの出汁で炒め煮にします!

タンポポ自体は加熱すると思いのほかほろ苦い程度で、とくに女性が好みそうな味に仕上がりました!
卵とビーツの出汁の甘みとタンポポの薬効成分のほろ苦さが合わさり美味しい!
食べるだけで健康になる。そんな料理が出るレストランがあると嬉しい!
最近は、そんなこと考えながらの試食の毎日です。

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こちらは、昨年食用たんぽぽで作った自家製味噌です。

この食用タンポポ味噌をそのまま様子を見ながら見守っていたのですが、先日いよいよ2年ぶりにみんなで試食をしてみました。
なんとこれほどの期間を経過してもまったく悪くならずに、さらに酵素分解されて美味しく変化していました!
見た目はこのような感じです。
作った時と色もだいぶ変化しています。
2年目を迎え進化した食用タンポポ味噌。

は、なんとも一言で表現できない複雑な味です、なにしろ人生で食べたことのない味なので!
上品な奈良漬のような漬物に、フルーツのような酸味甘みを感じるような・・??
最後に食用タンポポの苦みもしっかりきます。
なんとも言えない、深い味わいです!
とくにご飯と一緒に食べると驚異の美味しさです。
作った当初は、半年くらいはもつかなと考えていたのですが、こんなに期間を経ても熟成発酵をつづけているなんて、お味噌と食用タンポポの相性の凄さを知りました。
いつかご家庭の食卓に食用タンポポが身近な野菜のひとつとして並ぶ日が来ることを願って。
実験大成功です!
こちらは種を蒔いたばかりの1年目の秋タンポポの幼葉を使ったスープです。
2年目以降の食用タンポポは、茎の硬さが予想以上に硬く繊維質が気になり食用には適さないということが実験でわかりました。
しかし幼葉は、まったく別物!
2年目以降でも、ホウレンソウよりも柔らかく美味しく食べられます!
こちらは、食用タンポポの幼葉の栄養がすべて摂れるスープにしました。
ジャガイモやタマネギなどと一緒に煮て、コンソメスープで味付けしています。

生で食べてもルッコラのようにほろ苦くて美味しいです!
