先日自製した漢方薬「蒲公英根」(ほこうえいこん)を、いよいよ焙煎するのですが、これが今回一番難しいものでした!
「蒲公英根」の作り方は、ブログ内の【漢方薬「蒲公英根」(ほこうえいこん)を自製する】という記事でお伝えしています!

フライパンだと熱の通りが悪いので、ステンレスのボールで焙煎しましたが、「火加減は弱火でじっくり」がコツです。
ムラなく・・・、実に難しい。
細かく刻んで乾燥させたタンポポの根を焙煎します。
全体が黒くなればOK!

こちらが、焙煎後。

そこにお湯を適量入れて、煮ます!
ここで、成分をすべて摂取できるように、粉にしてドリップではなくてトルココーヒー風に煮詰める抽出方法を採用することにしました。
鍋で煮詰めること15分、色もまさにコーヒーのように!


さあ、ついに完成です!
鍋からソーサーに移してみんなで試飲、本記事トップ写真の根はおおよそ6~7株分、これでたったの3人分しかコーヒーが作れませんでした。
そして、焙煎機・・・焙煎の苦労を考えるといっそのこと買おうと思いました(笑


見た目はコーヒーですが、まったく別物です。
タンポポ茶といってお茶と位置付けている理由もうなずけます!
これまでに飲んだことのない味がするので最初は慣れないかもしれませんが、マイルドなので継続して飲むことのできる味だと思います!
タンポポコーヒーとタンポポ茶は同じものです。
原料は同じ漢方薬局にも売っている「蒲公英根(ほこうえいこん)」で、煎じて飲めば漢方薬の蒲公英根湯(ほこうえいこんたん)です。
この「蒲公英根」を、
焙煎して煮だせばタンポポコーヒー(もしくはタンポポ茶)、
粉にしてお湯で溶かせばタンポポ茶(もしくは粉にしてドリップしたものをタンポポコーヒー)、
・・といった具合に、タンポポコーヒーとタンポポ茶の厳密な区別はなく曖昧で、販売会社によってそれぞれ好きなように商品名がつけられているようです。
タンポポコーヒーは、香ばしい風味や色合いがにコーヒーに近いことから、愛称としてノンカフェイン&薬効成分は抜群なコーヒーとして親しまれています。
ノンカフェイン&薬効抜群という情報を得れば、研究班としては当然試しに飲んでみたくなります。
漢方薬「蒲公英根」は漢方薬局などで入手できますが結構なお値段がします。
とはいえ市販の「タンポポ茶」はタンポポ100%ではなく、ほうじ茶などとのブレンドのものもあるため、研究としては何が効いたのか特定できないのでちょっと使えません。
ということで「蒲公英根」を自分で作るのがもっとも信頼できるという結論に達しました。
今回は、全て実験として手作りしまして結果は良好でしたので、
ブログ内の【漢方薬「蒲公英根」(ほこうえいこん)を自製する】という記事でお伝えしています!
この記事の補足として、採取したタンポポの根の処理方法をご紹介します。
タンポポ根の採取は非常に大変です、3人がかりで1時間かけても採取できるのは10cm程のものが10本程度、かなり根が深く長い物を採取するのは意外や大変である事が身を以って経験いたしました。
持ちかえったら、直ぐに根を切り分け泥を落とします、歯ブラシを使うと簡単に細かい泥も良く落ちます。
採取した根 ↓
3人がかりで1時間かけてもこれだけ、大変な労働です!

そしてタンポポの採取についてですが、野原などで根ごと摘んできます、都内の道路脇にもタンポポは沢山自生していますが、これは止めておきましょう。
どんな状態で成長したのか解らず有害な物質が含まれている可能性が否定できないからです。
あまり人の目に触れない田畑のあぜ道や野原など安全な状態の物を選ぶとよいです。
特に無農薬ということであれば、やはり自然の野原で採取するのがベストでしょう。
根は以外に深く、引き抜いただけでは肝心な根は土の中に残ってしまいます。
ガーデニングに使う細めのハンドスコップを使って、丁寧に根を傷めないように周りの土を掘り起こして採取します。
勿論掘った後は奇麗に土を元の状態にならして置きましょう、研究には自然界に感謝を込めてこういうマナーも重要ですね。
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天然のタンポポの根を採取したので、漢方薬の「蒲公英根」(ほこうえいこん)を作ろうと思います。
おさらいをすると、先ずタンポポの根を付け根から切り落としで良く洗います、この時柔らかめの歯ブラシを使うと楽です。
見た目は木の根っこのよう、しかしここには栄養素がたっぷりと!

洗い終わったら、水気を取ってから、細かく刻みます。
断面はまるでゴボウのよう!

その次にレンジで3分加熱、余計な水分を飛ばします。
この処理で、かなり重量が減り5分の1になってしまいます。
この過熱によって、乾燥する前に殺菌されてカビを防止します。

次に、天日で数日かけて、完全に乾燥させます。
余計な水分をレンジで加熱して飛ばしているので、あっという間に漢方薬「蒲公英根」(ほこうえいこん)の出来上がり!

これが漢方薬局にも売っている「蒲公英根」(ほこうえいこん)だ! ↑
最初の生の根っこから重さは30分の1、
お茶で飲んだりコーヒーを作るのには相当の量のタンポポ根が必要だと解りました。
採るのにもの凄く苦労するのに、
純度100%のお茶やコーヒーにするなんて、何とも贅沢です。
これを、煎じて飲めば蒲公英根湯(ほこうえいこんたん)、
粉にしてお湯で溶かせば純度100%のタンポポ茶、
さらに焙煎して挽いてドリップすればタンポポコーヒーに!
カフェインゼロ、妊産婦さんにも優しいタンポポコーヒーです。
当協会は、純度100%のタンポポ加工品の商品化に向け研究と実験を続けます。
これまで2回に渡りタンポポの恐るべし生きるための知恵、戦略戦術について触れてきました。
2回目の最後の方に書きましたが、やはりこれらの生きるための知恵で、目の当たりにして驚かせれることは「タンポポの繁殖戦略は種そのものにも備わっている」という事実です。
同じ花から出来た種にも関わらず、それぞれの種そのものに時間差発芽のメカニズムが備わっているのです。
実際に種から育ててみてこの事実にはおどろきました。
蒔いた種の約半数は1週間ほどで芽を出しどんどん成長します、しかし残りの半数は夏の暑さを過ぎた半年後の秋になってから目を出し始めたのです。
この特性は、まだ仮説の域を出ていないようですが、たんぽぽの種は何かしらの方法で発芽時期をコントロールしていると思われます。
そしてそのメカニズムなどは、多くの情報を集めていますが、正確に論じているものは皆無です、ただどれもが発芽時期の時間差に関しては確認しているようです。
ここで仮説なのですが、「互いの成長を邪魔し合わないようにしている」ということと、「他の植物よりも先にその地を占領する先発部隊と他の植物が先に生えていた場合、秋になり枯れるのを待ってから発芽しその地を占領するという後方部隊が上手く役割分担している」ということが考えられます。
寒くなり、周囲の植物が全て枯れてしまった後にタンポポは芽を出し一気に成長します、枯れてしまった植物はタンポポの成長に邪魔にならないどころか、タンポポに有機物系の窒素などの栄養分を与えることになります。
更には、ちょうど枯れ草が毛布や絨毯代わりになりタンポポは自身の周りを囲うように風や雪から守っているように思えます。
これらがタンポポが意図して備えた知恵だとしたら、あまりにも完璧な戦略戦術であり、タンポポはどのようにこれらの知恵を身につけていったのか非常に不思議でなりません。
この光景は初冬の今頃あちらこちらで見ることができます、枯れ草を毛布や絨毯代わりに悠々と成長しているタンポポ、憎いほどに頭の良い植物です。
タンポポの驚異的な戦略戦術、あまりにも見事すぎて脱帽するしかありません。
タンポポが枯れ草を毛布や絨毯代わりに悠々と成長している様、実に賢い! ↓

タンポポは日本では何処でも見られる草花、しかしその生態を詳しく知っている人はほとんどいないと言っても過言ではありません。
タンポポの生態を改めて調べていくうちに、生命力や強靭さの秘密が解ってきておどろきの連続です。
タンポポは、極めて進化した植物の一つではないかと思うようになりました、そしてまさに繁殖力そのものに戦略を感じざるを得ませんでした。
タンポポは、自身の身を守り子孫を繁栄するために見事なまでに、実に考えられた特徴を多数持っていました。
まずは形状、同じキク科の植物はほとんど茎立ちしますが、タンポポは地面に這うように葉を伸ばし、唯一花を咲かせるときだけ花茎を伸ばします。
この根から直接葉を放射線状に地面を這うように葉を出す植物の形状は、「ロゼット型」と呼ばれています。
また、このような根から直接葉を出す生態は「根生葉」と呼ばれています。
このロゼット型植物の優位点は、冬の寒さや強風から身を守るのに適しています。
強風でも茎が無いので折れることはありません、また寒い冬には昼間温まった地面の余熱で葉を凍らせないようにしています。
それでも、冬の乾燥などで葉を傷めた場合は、自ら葉を全て枯らせて生命線である根の乾燥を防ぎ、根だけは生き残り養分を根に蓄え続けます、なんという生命力豊かなメカニズムなのでしょうか。
多年草であるタンポポの根は、長期間に養分をたっぷりと貯め込み、5年も経てばゴボウのように太く長くなります。
ロゼット型植物なので太陽が昇れば放射線状の葉全体で陽光を受けエネルギーに変え根にどんどん蓄積して行きます。
そして、春には他のどの植物よりも先に根に貯め込んだ養分をエネルギーとして、一気に葉と花茎を伸ばし一番に花を咲かせて種を作り撒き散らします。
他の植物がまだ芽を出す準備を行う前の地面に種をばら撒き、あっという間に芽を出し葉を広げて他の植物の発芽を阻止してしまいます。
タンポポの根からはアルカロイドがぶんぴつしており、他の植物が芽を出すのを阻止する能力も持ち合わせています。
これがタンポポの繁殖力の秘密であり、子孫繁栄の為の生きる知恵なのです。