以前、タンポポの花茎の奇形についてお話ししました、そしてその情報を得てからというもののずっとこの奇形を見たくてしかたなかったのです。
そして、今年の春先に探しに行こうと思っていた矢先、それは偶然に我々にもたらされたのです。
千葉のランチ会に出席するために、スタッフ3人と歩いていたら、歩道のある街路樹の根元にタンポポの花が群生しているのを見つけました。
こんな狭い場所にすごい数の花・・・、「何これ!?」。
太い1本の花径に幾つもの花が数珠つなぎに咲いているではないか、これが噂の奇形だとすぐに解りました。
発見したものは直径が10mm程で花は8つがくっついていました。


しかし、これ本当に奇形なのだろうか?
私はこれを眺めるうちに賢いタンポポの生命力による1度に多くの種をばら蒔く戦術ではないかと思えてきたのです。
何れにしても、タンポポの研究は限界がありません。
まだまだ、我々に多くの謎を投げかけてきます。
冬の寒さにも負けずに葉を伸ばしていたタンポポですが、実は花を咲かせた後に冬眠することが解りました。
実験栽培中のタンポポは、花を咲かせる時期には40Cm弱と大きな葉を1ヶ月で1株から10枚以上出していましたが、花を咲かせ種を飛ばした後は一気に葉が枯れて新しい葉を出さなくなりました。
そういえば昨年5月に実験を開始した際も花を咲かせた後、なかなか新しい葉を出さないので枯れてしまったかと思ったくらいです。
推測ですが、夏から冬にかけてじっくりと養分を根に貯め込んで春先に一気に葉を出し花を咲かせるのではないでしょうか?
そしてその後はしばらく休息期間を置いてまた秋ごろに元気に葉を出すのでしょう。
街中のタンポポも梅雨から秋まではなかなか発見できません、おそらくこの推測は間違いないと思います。
つまりタンポポの冬眠期は梅雨だったのですね、これも全て実験栽培で解ったことです。
これは、食用タンポポの供給に関して大きな収穫でした。
花を咲かせる頃のタンポポ、大きな青々とした葉を何枚も伸ばしています(4月上旬)。

種を飛ばした後のタンポポ、葉がほとんど枯れて、新しい葉も萎れたような小さいものばかり。

協会のベランダで実験栽培中の西洋タンポポが最も寒い時期を頑張って越冬中。
先日の降雪で雪をかぶりペチャンコに、それでも葉を地面を這わせるように広げて冷たい風を凌いでいます。
できるだけ自然に近い形を再現して観測するために、あえて枯れた葉はそのままにしています。
葉が折り重なるように密集していますが、さてどのように春に葉を広げ花を咲かせるのか、楽しみでなりません。
共存共栄のタンポポですから、折り重なる葉をよけて新葉や花茎を伸ばす作戦を持っているのでしょう。
それをじっくりと観察していきます。
もう少しでタンポポの季節です、各種事業も花を咲かせます!

農家さんから3年目の秋タンポポを送っていただきました。
3年目ともなると苦いかな?
早々に3年目の秋タンポポの試食をしてみます!
秋タンポポは苦いので、薬膳料理を考案中でできたビーツの出汁で炒め煮にします!

タンポポ自体は加熱すると思いのほかほろ苦い程度で、とくに女性が好みそうな味に仕上がりました!
卵とビーツの出汁の甘みとタンポポの薬効成分のほろ苦さが合わさり美味しい!
食べるだけで健康になる。そんな料理が出るレストランがあると嬉しい!
最近は、そんなこと考えながらの試食の毎日です。

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こちらは、昨年食用たんぽぽで作った自家製味噌です。

この食用タンポポ味噌をそのまま様子を見ながら見守っていたのですが、先日いよいよ2年ぶりにみんなで試食をしてみました。
なんとこれほどの期間を経過してもまったく悪くならずに、さらに酵素分解されて美味しく変化していました!
見た目はこのような感じです。
作った時と色もだいぶ変化しています。
2年目を迎え進化した食用タンポポ味噌。

は、なんとも一言で表現できない複雑な味です、なにしろ人生で食べたことのない味なので!
上品な奈良漬のような漬物に、フルーツのような酸味甘みを感じるような・・??
最後に食用タンポポの苦みもしっかりきます。
なんとも言えない、深い味わいです!
とくにご飯と一緒に食べると驚異の美味しさです。
作った当初は、半年くらいはもつかなと考えていたのですが、こんなに期間を経ても熟成発酵をつづけているなんて、お味噌と食用タンポポの相性の凄さを知りました。
いつかご家庭の食卓に食用タンポポが身近な野菜のひとつとして並ぶ日が来ることを願って。
実験大成功です!