2023年7月 4日 09:00
2008年に会社法改正に合わせ社団法も改正され、「一般社団法人」という業態企業が誰にでも手軽に設立できるようになりました。
そして改正から5年後の2013年辺りから、世の中に「協会ビジネス」という言葉が発祥しこれで利益を上げようとする社団法人が続々と誕生してきました。
一般社団法人は、その性格上会員組織の運営が主な業務であるはずなのですが、社団法改正により株式会社や合同会社のように収益事業100%でも認められるという点に注目し一般社団法人を興す人が多数現れました。
でもやはり、社団法人は営利企業ではなく営利以外の目的によって組織される団体と見なされる傾向があります。
例えば特定のテーマの調査研究を目的とした組織、ある種の学問の研究や普及活動を行う組織、一般消費者に有益な情報や環境を齎すことを目的とした組織、ディプロマ(認定)を発行する信用母体としての組織、地域の活性化を支援する組織、特定の職業の人を支援する組織など、収益活動よりもボランティアに近い活動を行う目的で設立されるべきだと思います。
この意味からも、私個人的には「協会ビジネス」という言葉に非常に大きな違和感を感じざるを得ません。
しかしこの一般社団法人そのもので収益を上げなくても、自身の持つ別法人や個人事業主として大きな利益を齎す事は可能となります。
会員組織で非営利活動を行う一般社団法人と、事業で収益活動を行う法人や個人事業主、この両輪でのバランスをとった経営にこそ社団活用の大きな意義と価値があります。
例えば収益事業をメインで行う株式会社と、その事業と直結した側面支援を行う合同会社、そしてその事業の信頼性と関係する会員の活動を支援する目的の一般社団法人とがワンセットで存在するように、一つの事業を目的と業務内容により役割を切り分けることでグループ企業トータルでの事業推進と収益化がスムースに図れます。
こういったニーズは益々大きくなってくると思います、特に一般社団法人の会員組織の運営は一つの「村」という集合体であり、これからのクローズドコミュニティ時代にはマッチしています。
場合によっては、一つの事業法人で目的別やカテゴリ別に複数の一般社団法人を経営傘下に入れるという戦略も有益になるでしょう。
協会はあくまでも儲けるためのビジネスをしてはダメなのです、活用方法を上手くすれば大きな存在意味が生まれる反面、下手すればトータルで勘案しコスト増や税額増となり逆効果にもなります。
何をやるにも経営はテクニック次第です、そして会員組織の社団は信頼を生み出すことを目的にしていることを明確にして、収益事業とは一線を引くことが成功の秘訣かもしれません。
起業を考えるとき、会社業態をどうするかも重要なファクターとなりますのでじっくりと考えることが肝要となります、自分では判断できない人は起業コンサルタントや経営コンサルタントに相談するとよいでしょう。